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離婚慰謝料の時効は離婚後3年!時効が迫っている時にすべきこと

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

離婚をする場合、離婚の原因(不倫、DVなど)を作った有責配偶者に対して精神的苦痛を被った慰謝料を請求することができます。

しかし、離婚をしてから3年以上慰謝料請求をしないまま何もせず放置していると、慰謝料請求権が時効にかかり消滅してしまいます。

離婚後もうすぐで3年たつという場合には、すぐに対処するようにしてください。一定の対処をすることで、時効の完成を先延ばしにし、離婚後3年経っても慰謝料請求することができます。

この記事では、次のことについて弁護士が詳しく解説します。

  • 離婚慰謝料請求ができる5つのケース
  • 慰謝料請求の時効
  • 離婚慰謝料請求の時効の先延ばしをする方法
  • 時効期間が経過している場合の慰謝料請求
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

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離婚慰謝料は、離婚原因をつくった配偶者に請求するもの

まず前提として、離婚慰謝料は何かについて知っておきましょう。

「離婚慰謝料」は、離婚によって受けた精神的ショックに対して支払われるお金です。そのため、離婚慰謝料は、離婚原因を作った当事者(配偶者)に対して請求することになります。

なお、不倫相手に対する慰謝料請求は、「不倫をされたことに対する慰謝料」にあたり、厳密には離婚慰謝料にはあたらないと考えられています。

(1)離婚慰謝料が請求できる5つのケース

離婚したからといって、必ず慰謝料が請求できるわけではありません。離婚慰謝料が請求できるのは、配偶者が離婚原因を作った場合で、その離婚原因が「不法行為(法に触れる行為)」として、他人に損害を与える場合です。

離婚慰謝料は次の5つのケースのような場合に認められています。

  1. 配偶者の不倫・浮気
  2. 経済的DV(働いているのは夫だけなのに、養育費・生活費を渡さない)
  3. 身体的DV(身体的暴力)
  4. モラルハラスメント(心無い言葉を浴びせ、精神的に追い詰める)
  5. 正当な理由のない別居(突然夫が何も言わずに出て行った)

離婚慰謝料についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

離婚慰謝料の相場とは?慰謝料の決まり方と財産分与による解決法

(2)不倫相手には「離婚慰謝料」は請求できない

不倫相手には「離婚慰謝料」は請求することができません。

2019年、最高裁で、基本的に不倫相手には離婚慰謝料を請求できないという判決が出ています。これは離婚した原因に不倫相手が関係していても、離婚を決断したのは夫婦の問題なので不倫相手は関係ないという考え方によるものです。

「夫婦の一方と不貞行為に及んだ第三者は、これにより当該夫婦の婚姻関係が破綻して離婚するに至ったとしても、当該夫婦の他方に対し、不貞行為を理由とする不法行為責任を負うべき場合があることはともかくとして、直ちに、当該夫婦を離婚させたことを理由とする不法行為責任を負うことはないと解される。…(略)
 以上によれば、夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対して、上記特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料を請求することはできないものと解するのが相当である。」

引用:最高裁判決平成31年2月19日|裁判所 – Courts in Japan

不倫相手にも不倫をしたことについて責任を負い、不倫に対する慰謝料請求をすることができます。しかし、不倫によって離婚したことに対する「離婚慰謝料」の請求はできません。
なお、この判例の事例は、「不倫に対する不法行為責任の慰謝料請求」の時効が成立していたため、時効の成立していない「離婚慰謝料請求」を不倫相手に請求したというものです。

離婚慰謝料請求は離婚から3年以内に!

民法では、権利があるのにそれを行使しないまま放置している場合、「一定期間」の経過により権利が消滅するという制度(消滅時効)が設けられています。

そして、離婚慰謝料請求も時効があり、一定の期間を過ぎると権利が消滅するとされています。民法では、時効について次のように定められています。

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

引用:民法|e-Gov法令検索

この条文の意味は、時効期間について、「損害・加害者を知った時から3年」または「不法行為の時から20年」いずれか早い方とすると定められています。

配偶者に対する離婚慰謝料の場合は、「離婚の日」から3年で時効にかかることになります。

例えば、別居をして事実上は離婚と同様の状態になっている場合でも、別居の日から3年ではなく「離婚の日から3年」で時効になります。つまり、離婚慰謝料は、離婚後であっても請求は可能ですが、離婚から3年が過ぎると慰謝料請求が時効にかかることになります。

離婚から3年と聞くと、「なんだ、慰謝料請求を今すぐにしなくても、結構時間あるから大丈夫」なんて思われるかもしれません。
しかし、慰謝料請求のための証拠集めなどの準備をしていると、3年なんてあっという間です。慰謝料請求を考えている方は、早めに行動に移すことをおすすめします。

<コラム>民法改正前は、時効とは別に「除斥期間」という制度があった?

改正前の民法では「不法行為時から20年」という規定は「除斥期間」とされ「時効」とは異なった扱いになっていました。

除斥期間とは、期間が迫っていても、期間の猶予や更新ができずに権利が消滅してしまう制度でした。そのため、過去には、除斥期間が経過してしまい、慰謝料請求ができないこともあったようです。

しかし、改正により20年の期間は「時効」と明記されるようになり、20年の期間が迫っている場合には、期間の猶予や更新といった手続きができるようになりました。これにより、従来よりも慰謝料請求できる範囲が広がりました。

不倫相手への慰謝料請求は不倫を知った時から3年

不倫を原因として離婚に至った場合、配偶者に対してだけではなく、不倫の相手に対しても慰謝料を請求できます(これは厳密には、離婚慰謝料ではなく、不倫をされたことに対する慰謝料です)。
不倫相手に不倫をされたことに対する慰謝料請求をする場合、時効は「不倫していた事実」と「不倫相手の名前」を分かった時から3年となります。

一方、配偶者が不倫していることが判明したものの、誰と不倫していたかが分からない場合には時効成立へのカウントは始まりません。

この場合は、時効は「不倫相手の名前が判明した時」から3年になります。

もっとも、不倫相手との交際が始まった時点から20年経過している場合には、不倫相手が誰だか分からないままでも時効は成立します。

「浮気相手の名前はわかるが住所がわからない」というケースでも、弁護士が浮気相手の住所をつきとめることができることがあります。浮気相手の住所がわからない場合も弁護士に一度ご相談ください。

弁護士が浮気相手の住所を突き止める方法の一つとして「弁護士会照会」という制度があります。弁護士会照会について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

浮気や不倫相手の住所や連絡先がわかる!「弁護士会照会制度」とは?

時効が迫っている場合にとるべき5つの方法

慰謝料請求の時効が迫っている場合に、なにもしなければ時効が成立してしまいます。そこで、時効が迫っている場合には、時効の先延ばし(完成猶予・更新)を行うようにしましょう。

  1. 裁判所に慰謝料請求を訴える
  2. 内容証明郵便で慰謝料を請求する
  3. 協議を行う合意をする
  4. 相手に慰謝料を支払うことを認めさせる
  5. (慰謝料を支払うことにはすでに合意している場合)仮差押、仮処分、差押えを行う

時効の先延ばしに必要な対処法について説明しますので、速やかに対処するようにしましょう。

(1)裁判所に慰謝料請求を訴える

慰謝料請求の場合、裁判所に慰謝料請求の訴えの提起(もしくは支払督促、調停)することで、時効の完成が猶予されます。

この場合には、「確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したとき」、言い換えると、「確定判決が出た時もしくは裁判上の和解をした時」から、新たに時効が進行(更新)を始めます。

(2)内容証明郵便で慰謝料請求をする

内容証明郵便などの確定日付のある書面によって慰謝料請求を求めることによっても、時効の完成を先延ばし(完成の猶予)することができます。慰謝料の請求があったときから6ヶ月が経過するまでの間は、時効の完成を先延ばしすることができます。

内容証明郵便などによって慰謝料請求を行うことは何度もできるのですが、それによってさらに時効の完成が先延ばしされるということはありません。
そのため、さらに時効の完成の先延ばしを望む場合には、6ヶ月以内に裁判を提起するなどの手段にでる必要があります。

<コラム>内容証明郵便とは何?

「内容証明郵便」とは、日本郵便が行う郵便サービスの一種で、差出人、名宛人、送った文書の内容を郵便局が証明してくれます。慰謝料請求など金銭的請求を行う場合には、内容証明郵便を用いて相手に請求することがよくあります。

(3)慰謝料についての話し合いを行う合意をする

民法が改正され、新たに創設された時効の先延ばし方法です。

慰謝料について話し合いを行う内容の合意を書面または電磁的記録でしたときは、次の1~3のうちいずれか早いときまでの間、時効の完成が先延ばし(完成の猶予)されます(改正民法151条)。

  • 慰謝料について話し合いを行う合意があったときから1年を経過したとき
  • 合意において定められた話し合い期間(1年未満に限る)を経過したとき
  • どちらかが話し合いの続行を拒絶する内容とする書面による通知をしたときから6ヶ月を経過したとき

(4)相手に慰謝料を支払うことを認めさせる

相手が、慰謝料の支払いを認めた場合には、その時から新たに時効が進行することになります(時効の更新)。

慰謝料の支払いに関する書類に債務者に署名捺印させることで、慰謝料の支払いを認めた証拠となります。

また、相手が慰謝料の一部を支払った場合、慰謝料の支払い期限の延長を求めてきた場合、減額を求めてきた場合も、慰謝料の支払いを認めていることになります。

(5)(慰謝料を支払うことにはすでに合意している場合)強制執行、仮処分、仮差押を行う

「慰謝料を支払うことにすでに合意をしている場合(公正証書で強制執行許諾文言がある場合)」や「慰謝料の支払いを命ずる判決がすでにある場合で、支払いを求めているにもかかわらず、相手が支払わない場合」には、相手の財産につき、強制執行、仮処分、仮差押をできます。

そして、相手が支払わない状態で時効の完成を迎えそうな場合には、強制執行、仮処分、仮差押の手続きを行った場合にも、時効の完成が猶予されることになります。

強制執行の場合には、その手続きが終了したときから、時効が新たに進行することになります。仮処分、仮差押の場合には、その手続きが終了したときから6ヶ月を経過したのちに、新たに時効が進行することになります。

時効期間経過後に慰謝料請求はできるのか

時効の期間経過後であっても何もせずに諦めてしまうのは早いです。

時効の期間経過後であっても、相手が任意で支払いに応じる場合には、慰謝料請求が可能です。

この場合、仮に相手が時効のことを知らない場合であっても、請求する側が時効のことを教える必要はありません。相手が支払いを行った後に「時効のことを知らなかった」と言い出したとしても、その慰謝料を返す必要もありません。

【まとめ】時効が迫っている場合には時効の先延ばし(完成猶予・更新)を!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 離婚慰謝料は、不倫相手ではなく、配偶者に請求するもの。

  • 不倫相手には、不倫慰謝料(不倫に対しての慰謝料)を請求できる。

  • 離婚慰謝料は離婚後3年、不倫相手に対する慰謝料は不倫と不倫相手の名前がわかってから3年(もしくは不倫から20年)。

  • 時効が迫っている場合にとるべき5つの方法
  1. 裁判所に慰謝料請求を訴える
  2. 内容証明郵便で慰謝料を請求する
  3. 協議を行う合意をする
  4. 相手に慰謝料を支払うことを認めさせる
  5. (慰謝料を支払うことにはすでに合意している場合)仮差押、仮処分、差押えを行う

慰謝料には時効があり、離婚後に請求することもできますが、3年は意外とあっという間に過ぎてしまうため、注意が必要です。

慰謝料の時効が迫っている場合には、裁判上の手続きが必要となるケースが多く、自分1人で対応することは難しいかも知れません。

弁護士に依頼いただければ、慰謝料獲得に向けて、あなたをサポートいたします。浮気・不倫の慰謝料についてはアディーレ法律事務所の弁護士に相談されてみてはいかかでしょうか。

アディーレ法律事務所では、浮気・不倫の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。

原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。

また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。

(以上につき、2022年12月時点)

浮気・不倫の慰謝料請求でお悩みの方は、浮気・不倫の慰謝料請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

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※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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