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離婚慰謝料の相場とは?慰謝料の決まり方と財産分与による解決法

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kiriu_sakura

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

生涯をともにするつもりで相手と結婚したものの、やむなく離婚という選択肢を選ばざるを得ないこともあります。もしも離婚の原因を作ったのが、配偶者であったならば、婚姻共同関係を破壊した配偶者に対して、慰謝料を請求したいところです。

離婚慰謝料の裁判上の相場はおよそ100万~300万円といわれています。また、離婚する際には、財産分与を求めることも可能です。ただし、もらった財産分与が離婚慰謝料として評価される場合には、別途、離婚慰謝料の請求をしても認められなくなる可能性があります。

今回の記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 離婚慰謝料の相場
  • 離婚慰謝料を決める要素
  • 離婚慰謝料と財産分与の関係性
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

離婚慰謝料の基礎知識

そもそも離婚慰謝料とはどのような根拠で認められるものなのでしょう。また、どんな条件で請求が認められるのか、どうやって慰謝料額を決めるのかについてまず見てみましょう。

(1)離婚慰謝料とは?

慰謝料というのは精神的苦痛に対する損害賠償請求のことです。
民法709条は故意または過失により他人の権利利益を侵害した場合に、その賠償を求めることを認めています。

そして民法710条は、財産以外の損害、つまり精神的損害に対しても損害賠償を認める旨を規定しています。これを一般的に『慰謝料』と呼んでいるのです。

配偶者の行為によって婚姻共同生活が破壊され離婚するに至った場合には、原因を作った配偶者(これを「有責配偶者」といいます)の行為は、精神的損害を与えたものとして離婚慰謝料の請求が可能とされています。

(2)離婚慰謝料を請求できる条件

離婚慰謝料が請求できるのは、配偶者の側に、不貞行為(肉体関係をともなう不倫)、DV、婚姻生活の不協力(例:生活費を入れない)などの離婚原因となる有責行為があった場合です。

性格の不一致など、どちらか一方に離婚の責任があるというわけではない場合には、慰謝料請求は認められません
したがって、離婚の際には必ず慰謝料がもらえる(あるいは、支払わなければならない)というのは誤解です。
また、必ずしも夫が妻に支払うものと決まっているわけではありません

(3)離婚慰謝料は話し合いや裁判で決める

離婚慰謝料の決め方には様々な方法がありますが、通常は、まず話し合いをします。話し合いで折り合いがつけば、離婚慰謝料の金額や支払い方法、支払時期などについて合意をします。

「調停」という裁判所での話し合いの手続きを利用して、慰謝料の話し合いをすることも可能です。なお、離婚調停(裁判所で離婚について話し合う手続き)をしている場合には、離婚調停の中で慰謝料の合意をすることもあります

話し合いで折り合いがつかない場合は、裁判をして離婚慰謝料について裁判官の判断を仰ぐことになります(裁判をしている中で、話し合いをして和解することもあります)。なお、慰謝料の請求は、離婚時に行うこともできますが、離婚した後に改めて慰謝料だけを請求することも可能です。

※ただし離婚慰謝料の請求には3年の消滅時効がありますので、注意しましょう。
時効消滅について詳しくは次の記事をご覧ください。

離婚慰謝料の時効は離婚後3年!時効が迫っている時にすべきこと

離婚慰謝料の相場と金額を決める要素

離婚慰謝料には、裁判上の相場があります。また、一定の事情があると慰謝料の金額が相場より増減することがあります。

これらにつき詳しくご説明します。

(1)離婚慰謝料の相場とは?

慰謝料の金額は法律で定められているわけではありません。当事者同士の話し合いで慰謝料を決める際には、裁判上の相場を踏まえつつ、発生した精神的損害の大きさや、いかに早期解決するか等を考慮して金額が決まることが多いようです。

話し合いで慰謝料の金額等がまとまらなければ、裁判で解決することになります。裁判では、相手の財産のあるなしにかかわらず、過去の裁判例を参考としつつ、被害者が受けた精神的苦痛の大きさを裁判官が客観的に認定したうえで、慰謝料の金額が決定されることになります。

裁判で決定される離婚慰謝料の相場は大体、100万〜300万円のケースが多いようです。

(2)離婚慰謝料額を決める要素

離婚慰謝料額の計算方法として決まったものはありません。もっとも、一般的な要因と、請求者側の要因、被請求者側の要因を考慮して離婚慰謝料は算定されます。

有責行為による苦痛が大きければ大きいほど、請求できる慰謝料額は高くなる傾向にあります。例えば、不貞行為の場合、精神的苦痛を算定するために婚姻期間の長さ、不貞行為の回数、夫婦間の子どもの有無といった要素が考慮されることがあります。

配偶者の有責行為を理由に慰謝料を請求する場合には、有責行為の証拠を集めることが重要となるでしょう。

離婚慰謝料と財産分与の関係性

離婚の際には、配偶者に対し財産の分与を請求することができます(民法768条1項)。

(1)財産分与とは?

『財産分与』とは、婚姻期間中に夫婦で協力して築いた夫婦共有財産を、離婚の際に分割・精算することです。実際にどのくらいの割合で財産を分けるかについては財産を築き上げた貢献度に応じて決まりますが、一般的には夫婦各々2分の1が原則です。

なお、お互いの合意があれば、これに関係なく自由に分けることもできます

財産分与の対象となる共有財産に当たるかどうかは、財産の名義によるのではなく、実質的に判断されます。

例えば、銀行口座や不動産などは名義が夫婦の一方であることが多いでしょうが、婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産と言える場合には、名義が夫、妻のどちらであったとしても共有財産となります。

財産分与の内容は夫婦の話し合いで自由に決められるものですが、折り合いがつかない場合には調停、それでも合意に至らなければ審判(裁判官の判断)に至ります。また、裁判をして財産分与を裁判所に決めてもらうことも可能です。

この財産分与は次の3種類に分けて考えることができます。なお、財産分与は、離婚成立から2年以内に請求する必要があります。

(1-1)清算的財産分与

財産分与の中核となるもので、夫婦共有財産を貢献度に応じて公平に分配することです。分配の割合は原則として2分の1です。通常、「財産分与」という場合には、この「清算的財産分与」を指すことが多いです。

離婚原因を問わず、2人の財産を2人で分けるという考え方ですので、有責配偶者の側からの請求も可能です。

(1-2)扶養的財産分与

離婚した後、どちらかの生活が困窮する事情がある場合に生計を助ける扶養の目的で分配するものです。経済力のある配偶者が、経済力のない配偶者に支払うもので、夫婦間の事情を考慮し裁判所が財産分与額を決めることもあります。

例えば、一方が病気に罹っていたり、専業主婦で収入が乏しかったり、高齢であったりする場合に認められる可能性があるものです。

(1-3)慰謝料的財産分与

離婚では慰謝料・財産分与の金銭問題を並行して話し合うことが多いため、慰謝料という名目を使わず、慰謝料代わりに財産分与する場合もあります。財産隠しが疑われる場合の対処法については、次の記事をご覧ください。

(2)離婚慰謝料と慰謝料的財産分与は両方請求できる?

離婚慰謝料と財産分与は性質や内容が異なるため、両方とも請求することが可能です。

ただし、すでに慰謝料全額が考慮された財産分与を受けている場合(慰謝料的財産分与を受けた場合など)には、さらに慰謝料請求を認めると二重取りになってしまうため、離婚慰謝料を別途で請求することは認められません。

【まとめ】離婚慰謝料相場はおよそ100万~300万円程度|財産分与の内容を調整することで解決する場合も

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 不貞行為やDVなどで離婚する場合、配偶者に離婚慰謝料の請求が可能
  • 離婚慰謝料は、離婚原因となる有責行為(不貞行為やDVなど)があった場合に請求できるものであるため、離婚の際に必ずもらえるわけではない
  • 離婚慰謝料の裁判上の相場はおよそ100万~300万円ほど。さまざまな要素を考慮して金額が決定される離婚慰謝料は夫婦間の話し合いが基本、まとまらない場合は調停、審判、裁判で決めることになる
  • 離婚時の財産分与に慰謝料的な要素を含め、多めに財産を渡すことで解決する方法もある

不貞行為やDVなど、配偶者の有責行為が原因で離婚することになった場合、配偶者に対して離婚慰謝料を請求できる可能性があります。そのためには、離婚原因となった有責行為の証拠を集めることが重要になってくるでしょう。離婚慰謝料の裁判上の相場は、およそ100万~300万円となることが多いですが、さまざまな要素が考慮された結果、増額・減額されることがあります。

離婚の際に、配偶者への慰謝料請求を検討している方や、財産分与などその他の離婚条件についてお悩みの方は、離婚について取り扱っている弁護士にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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