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家庭裁判所はどのような相談ができる?離婚問題で利用する際に知っておきたいポイント

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離婚したくて夫婦で話し合っても、離婚に合意できない場合には、家庭裁判所に離婚調停を申立てることができます。
家庭裁判所は、身近な紛争について取り扱う裁判所で、このような離婚調停の他にも、様々な紛争を解決するために利用されています。
そこで、今回の記事では、家庭裁判所ではどのような紛争解決相談ができるのか、多く利用されている離婚調停において知っておきたいポイントなどについて弁護士が解説します。

家庭裁判所とは?

家庭裁判所は、公に公開される通常の訴訟手続きにはそぐわないと考えられている、家庭内の紛争や非行のある少年の事件を扱う裁判所です。略して「家裁(かさい)」と呼ばれることもあります。
家庭裁判所は、全国に50ヶ所あり(北海道に4ヶ所、他各都府県に1ヶ所)、また203ヶ所の支部及び77ヶ所の出張所があります。

参考:下級裁判所|裁判所- Courts in Japan

裁判所にはどのような種類がある?

裁判所の組織は、家庭裁判所を含めて5つの裁判所に分けられます。
まず、大きく最高裁判所とその他の下級裁判所という2つに分けられ、下級裁判所には、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所の4つがあります。
家庭裁判所以外の4つの裁判所について、まとめて紹介します。

参考:裁判所の組織|裁判所- Courts in Japan

(1)最高裁判所

最高裁判所は、日本における唯一かつ最高の裁判所です。
日本の国家権力は、行政権、立法権、司法権に分けられ、それぞれ行政府(内閣)、立法府(国会)、裁判所(最高裁判所および下級裁判所)に帰属しています(三権分立、憲法76条1項)。
最高裁判所には、憲法上、司法権の独立を守って行政府及び司法府からの干渉を排除するために、訴訟手続きなどに関する規則制定権や(憲法77条)、裁判官の在任中報酬を減額されることはないとして報酬が保障され(憲法79条6項、80条2項)、下級裁判所の裁判官の指名などの司法行政権(憲法80条1項)が与えられています。

また、日本では三審制を採用しており、民事訴訟・刑事訴訟を問わず、一つの事件について3回まで裁判所の審理を求めることができますが、最高裁判所は、高等裁判所の判決に不服のある者からの上告を受け付けるなど、終審としての裁判権を有しています。

(2)高等裁判所

高等裁判所は、8ヶ所の大都市(東京都千代田区、大阪市、名古屋市、広島市、福岡市、仙台市、札幌市、高松市)に設置されているほか、6ヶ所の支部があります。
主に、地方裁判所で下された第一審判決に対する第二審(控訴審)としての役割を担っています。

(3)地方裁判所

地方裁判所は、全国に50ヶ所あり(北海道に4ヶ所、他各都府県に1ヶ所)、203ヶ所の支部があります。
地方裁判所は、主に第一審裁判所として裁判を行いますが、他の裁判所が第一審裁判所となる場合には、控訴審としての役割も担うことがあります。

(4)簡易裁判所

簡易裁判所は、日常生活で起こりうる比較的軽微な問題を取り扱う裁判所で、全国438ヶ所に設置されています。
民事の場合は、請求金額が140万円を超えないものについて、刑事については、罰金以下の刑に当たる罪や窃盗などの比較的軽い罪について、第一審としての役割を担っています(裁判所法33条1項)。

家庭裁判所に相談できる内容とは?

家庭裁判所では、主に家庭内の紛争である家事事件と非行のある少年の少年事件についての審判を主に取り扱っています(裁判所法31条の3第1項)。
少年事件の審判については、基本的にかかわりがあるのは少年本人、付添人(弁護士)、家庭裁判所の関係者、少年の保護者などに限られます。
一方で、家庭内の紛争については、紛争の内容は離婚や相続、養育費など多種多様で、誰しも紛争の当事者となる可能性がありますので、当事者での話し合いによる解決を目指す調停と、裁判所に判断してもらう審判や訴訟という手続きがあります。

家庭裁判所が対応する紛争の内容は極めて多様であり、今回紹介できるのはほんの一部にすぎません。ご自身の抱える問題について、具体的に家庭裁判所での対応が可能かどうか知りたい方は、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
次では、家庭内の紛争について、家庭裁判所に調停などを申立てることが可能な代表的な問題を具体的に説明します。

(1)離婚問題について(離婚調停・離婚訴訟)

当事者で話し合っても、離婚や離婚条件について話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停(いわゆる離婚調停)を申立てて、調停員(男女1名ずつの場合が多い)を交えて、話し合いによる解決を目指すことができます。
離婚と合わせて話し合える問題は、離婚までの婚姻費用の分担、未成年の子の親権者の指定、財産分与、養育費、面会交流、年金分割、慰謝料の請求などがあります。

調停でも離婚について合意できない場合には、裁判官による審判の判断にゆだねるケースもありますが、多くの場合で家庭裁判所に対して離婚訴訟を提起することになります。

(2)相続問題について

親族間で遺産分割などに争いが存在する場合には、家庭裁判所に対して、遺産分割協議の存否・無効確認、相続権存否確認、遺産確認、遺産に関する紛争調整の調停などを申立てたり、相続の放棄の申述を申立てたりすることができます。
調停における話し合いでも解決できない場合には、審判や訴訟で裁判所の判断を求めることになります。

(3)実親子など親族間に関する問題について

妻が婚姻中に妊娠した場合、法律上、その子は夫の子と推定されます(民法772条1項)。
このような嫡出推定が及ぶ子に対して、夫は、「この子は自分の子供ではない」と生物学上の父子関係があることを否定して、法律上の親子関係の存在も否定することができます(民法774条)。
具体的な手続きとしては、夫は、家庭裁判所に対して、嫡出否認の調停を申立てることになります。

また、婚姻関係のない母親から生まれた子で、父とされるべき者から任意で認知(自分の子であることを表明する行為)がされないときには、子及び子側の一定の者は、父とされるべき者に対して、認知を求める調停を申立て、また訴訟を提起することができます(強制認知)。
さらに、親族間のけんかの仲裁など、訴訟の対象にはならないようなものであっても、紛争が存在する以上、親族関係の調整を求めて、調停を申立てることができます。

(4)成年後見について

親が重い認知症である、子が成人したが知的障害により法的な判断ができない、配偶者が事故により植物状態になったなど、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、本人と一定の関係にある者は、家庭裁判所に申立てることにより、後見開始の審判を求めることができます(民法7条)。
後見開始の審判が確定すると、成年後見人として選任された者は、本人(成年被後見人)のために財産を管理したり、法定代理権に基づいて代理で様々な法律行為を行えたりするようになります。

(5)遺言について

遺言書の保管者は、遺言書を発見した相続人は、それが公正証書で作成された遺言でない場合には、相続開始を知ったとき、家庭裁判所に遺言書を提出して検認を請求する必要があります(民法1004条1項)。
検認とは、裁判所が関係者同席のもとで、その状況を確認して記録する作業であって、関係者に遺言書の存在を知らせ、その偽造や変造を防止する目的の手続きです。

(6)戸籍に関する手続きについて

氏(姓)や名は、一定の場合に家庭裁判所の許可を得て、氏又は名の変更を行うことができます(戸籍法107条1項、107条の2)。
例えば、婚姻により氏を変えた者は、離婚により婚姻前の氏に当然戻りますが(3ヶ月以内に届出することで婚氏を離婚後も継続使用することが可能)、子どもがいる場合には子どもの氏は当然には変わりません。子どもと自分の氏を同じにしたい場合には、家庭裁判所に対して、子についての氏の変更の許可を求める必要があります。

家庭裁判所で行う「離婚調停」の流れ

調停の流れについては、解決を目指す紛争の種類によって異なりますが、ここでは離婚調停の流れについて説明します。

  1. 管轄の家庭裁判所に申立書類一式を提出し、申立費用を納付します(持参又は郵送)。
  2. 家庭裁判所は、申立受理後、事件番号を付与して、担当裁判官、担当調停委員を決定します。離婚調停の場合、担当調停委員は男女1名ずつであることがほとんどです。
  3. 家庭裁判所が、第1回調停期日を調整します。
  4. 家庭裁判所から申立人・相手方に呼出状(通知書)が送付されます。
    相手方は、通知書に同封されている答弁書等に記入して、期限までに家庭裁判所に送付します。
  5. 第1回目の調停実施(申立て後1~2ヶ月後)
    申立人、相手方は、裁判所に指定された時間に遅れないように、待合室(申立人と相手方の待合室は別々に用意されている)で待機します。
    調停委員が、申立人、相手方を順に部屋に案内し、申立ての理由や、夫婦の状況、離婚の希望、離婚条件などについて個別に話を聞ききます(30分~1時間程度ずつ)。
    話し合いを継続する場合には、当事者双方の次回期日までの検討事項、事前に準備する資料、提出書面などを確認し、通常約1ヶ月後に第2回期日が指定されます。
  6. 家庭裁判所調査官による調査
    当事者間に親権や面会交流など子どもに関する件について対立がある場合には、専門家である家庭裁判所調査官が期日に立ち会い、調査を実施します。
  7. 第2回目の調停以降
    第1回期日と同じく、申立人・相手方がそれぞれ1、2回調停室に案内され、調停委員と話をします。
    話し合いが終わらず調停を続行する場合には、第1回期日と同じように次回期日までの検討事項などを確認し、次回期日を調整します(約1ヶ月後)。
  8. 調停の終了
    調停終了には、調停成立、調停不成立、調停の取下げの3種類があります。

離婚調停は話し合いによる解決を目指すので、裁判の勝ち負けとは異なる

通常の民事訴訟は、原告と被告が、自分に有利な主張をして相手の主張に反論することで双方の主張を戦わせて、自分の主張の根拠となる証拠を提出し、双方が自分に有利な結論を裁判所に認めてもらおうとするものです。
しかしながら、離婚調停は、一方が離婚を求めて調停を申立てるものではありますが、話し合いによる紛争の解決(その解決方法が離婚でないこともある)を目指すものですので、訴訟とは異なり、家庭裁判所が双方の争いのある事実について一つ一つ判断を示して、「離婚を認める」「離婚は認めない」などと結論を下すことはありません。
したがって、しっかりと証拠を準備して自分の主張を行うことや、相手方の事実と異なる主張への反論も大切ですが、話し合って譲歩できるところは譲歩するなど、離婚調停の成立を目指すための双方の歩み寄りの姿勢も大切になります。

家庭裁判所利用時の手続きは弁護士に依頼することが可能

家庭裁判所における調停や審判、訴訟手続きは、自分で行うこともできますが、弁護士に依頼して代理人として手続きを行ってもらうこともできます。
自分で行う場合には、解決を目指したい紛争について、どのような手続きを利用できるのか、自分の最寄りの家庭裁判所に問い合わせてみたり(ただし、最寄りの家庭裁判所が調停の申立て先になるとは限りません)、弁護士に相談したりしてアドバイスを受けるとよいでしょう。
弁護士への依頼を考えている方は、事件が解決する見込みや弁護士に依頼できる仕事内容など(通常は、書面作成、提出、期日への裁判所への出頭などを含みます)について弁護士に相談してみて、弁護士費用も考慮したうえで、最終的に依頼するかどうかを判断すればよいでしょう。

家庭裁判所での離婚調停は準備が大切!不安な方は弁護士に相談

今回の記事では、日本の裁判所の種類や、家庭裁判所で取り扱われている紛争の種類、離婚調停の流れなどについて解説しました。
離婚調停においては、自分の主張をわかりやすく説得的に伝えるためにも、問題について時系列で整理をしたり、証拠を揃えたりするなどの事前の準備が大切です。
自分で対応することもできますが、書面作成や証拠資料の準備に自信がない、調停員にどのように話したらよいのかわからないなどの不安がある場合には、一度弁護士に相談することをお勧めします。

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