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家庭裁判所はどのような相談ができる?離婚問題で利用する際に知っておきたいポイント

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「離婚したいけど、話し合いがまとまらないから、家庭裁判所で離婚調停をするしかないみたい。具体的に何をするところなの?」

離婚したくて夫婦で話し合っても、離婚に合意できない場合には、家庭裁判所に離婚調停を申立てることができます。
家庭裁判所は、家庭に関する紛争や少年事件について取り扱う裁判所で、このような離婚調停の他にも、様々な紛争を解決するために利用されています。
今回の記事では次のことについて弁護士が解説します。

  • 家庭裁判所とは
  • 家庭裁判所ではどのような紛争の解決を目指せるのか
  • 離婚調停について知っておきたいポイントとは
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

家庭裁判所とは?

家庭裁判所は、公開される通常の訴訟手続きにはそぐわないと考えられている、家庭内の紛争や非行のある少年の事件を扱う裁判所です。略して「家裁(かさい)」と呼ばれることもあります。
家庭裁判所は、全国に50ヶ所あり(北海道に4ヶ所、他各都府県に1ヶ所)、加えて203ヶ所の支部及び77ヶ所の出張所が設置されています。

参考:下級裁判所|裁判所 – Courts in Japan

裁判所にはどのような種類がある?

裁判所の組織

裁判所の組織は、家庭裁判所を含めて5つの裁判所に分けられます。
まず、大きく最高裁判所とその他の下級裁判所という2つに分けられます。さらに下級裁判所は、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所の4つに分けられます。
家庭裁判所以外の4つの裁判所について、まとめて紹介します。

参考:裁判所の組織|裁判所 – Courts in Japan

(1)最高裁判所

最高裁判所は、日本における唯一かつ最高の裁判所です。
日本の国家権力は、行政権、立法権、司法権に分けられ、それぞれ行政府(内閣)、立法府(国会)、裁判所(最高裁判所および下級裁判所)に帰属しています(三権分立、憲法76条1項)。
最高裁判所には、憲法上、司法権の独立を守って行政府及び司法府からの干渉を排除するために、訴訟手続きなどに関する規則制定権や(憲法77条)、裁判官の在任中報酬を減額されることはないとして報酬が保障され(憲法79条6項、80条2項)、下級裁判所の裁判官の指名などの司法行政権(憲法80条1項)が与えられています。

(2)高等裁判所

高等裁判所は、8ヶ所の大都市(東京都千代田区、大阪市、名古屋市、広島市、福岡市、仙台市、札幌市、高松市)に設置されているほか、6ヶ所の支部があります。
主に、地方裁判所で下された第一審判決に対する第二審(控訴審)としての役割を担っています。

(3)地方裁判所

地方裁判所は、全国に50ヶ所あり(北海道に4ヶ所、他各都府県に1ヶ所)、203ヶ所の支部があります。
地方裁判所は、主に第一審裁判所として裁判を行いますが、他の裁判所が第一審裁判所となる場合には、控訴審としての役割も担うことがあります。

(4)簡易裁判所

簡易裁判所は、日常生活で起こりうる比較的軽微な問題を取り扱う裁判所で、全国438ヶ所に設置されています。

家庭裁判所に相談できる内容とは?

家庭裁判所では、主に家庭内の紛争である家事事件と非行のある少年の少年事件についての審判を主に取り扱っています(裁判所法31条の3第1項)。家庭内の紛争は、離婚や相続、養育費など多種多様で、誰しも紛争の当事者となる可能性があります。そのため、当事者での話し合いによる解決を目指す調停と、裁判所に判断してもらう審判や訴訟という手続きがあります。
家庭裁判所が対応する紛争の内容は極めて多様であり、今回紹介できるのはほんの一部にすぎません。ご自身の抱える問題について、具体的に家庭裁判所での対応が可能かどうか知りたい方は、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
次では、家庭内の紛争について、家庭裁判所に調停などを申立てることが可能な代表的な問題を具体的に説明します。

(1)離婚問題について(離婚調停・離婚訴訟)

当事者で話し合っても、離婚や離婚条件について話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停(いわゆる離婚調停)を申立てて、調停委員(男女1名ずつの場合が多い)を交えて、話し合いによる解決を目指すことができます。

離婚調停は、調停委員を交えて夫婦が話し合うといった形で行われるものなのですか?

基本的に、夫婦が同部屋で顔を合わせて話し合うことはありません。
夫婦はそれぞれ別の待合室で待ち、交互に調停室に呼ばれて、調停委員とそれぞれ話し合うことになります。
調停委員と話をするときも、待機するための待合室も別々で、当事者同士が鉢合わせしないように配慮されます。もっとも、たとえば調停成立のときは、原則として当事者の双方が同席して内容を確認しなければいけないので、顔を合わせることを避けられません。

離婚と合わせて話し合える問題は、離婚までの婚姻費用の分担、未成年の子の親権者の指定、財産分与、養育費、面会交流、年金分割、慰謝料の請求などがあります。
調停でも離婚について合意できない場合には、裁判官による判断である審判にゆだねるケースもありますが、多くの場合で家庭裁判所に対して離婚訴訟を提起することになります。

(2)相続問題について

親族間で遺産分割などに争いが存在する場合には、家庭裁判所に対して、遺産分割協議の存否・無効確認、相続権存否確認、遺産確認、遺産に関する紛争調整の調停などを申立てたり、相続の放棄の申述を申立てたりすることができます。
調停における話し合いでも解決できない場合には、審判や訴訟で裁判所の判断を求めることになります。

(3)実親子など親族間に関する問題について

妻が婚姻中に妊娠した場合、法律上、その子は夫の子と推定されます(嫡出推定:民法772条1項)。
このような嫡出推定が及ぶ子に対して、夫は、「この子は自分の子どもではない」と生物学上の父子関係があることを否定して、法律上の親子関係の存在も否定することができます(民法774条)。
具体的な手続きとしては、夫は、家庭裁判所に対して、嫡出否認の調停を申立てることになります。
また、婚姻関係のない母親から生まれた子で、父とされるべき者から任意で認知(自分の子であることを表明する行為)がされないときには、子及び子側の一定の者は、父とされるべき者に対して、認知を求める調停を申立て、また訴訟を提起することができます(強制認知)。

(4)成年後見について

重い認知症や知的障害により法的な判断ができない、事故により植物状態になったなど、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者について、その本人と一定の関係にある者は、家庭裁判所に申立てることにより、後見開始の審判を求めることができます(民法7条)。
後見開始の審判が確定すると、成年後見人として選任された者は、本人(成年被後見人)のために財産を管理したり、本人の代理で様々な法律行為を行えたりするようになります。

(5)遺言について

遺言書の保管者は、それが公正証書で作成された遺言でない場合には、家庭裁判所に遺言書を提出して検認を請求する必要があります(民法1004条1項)。
検認とは、裁判所が関係者に遺言書の存在を知らせ、その偽造や変造を防止する目的の手続きです。

(6)戸籍に関する手続きについて

氏(姓)や名は、一定の場合に家庭裁判所の許可を得て、氏又は名の変更を行うことができます(戸籍法107条1項、107条の2)。

家庭裁判所で行う「離婚調停」の流れ

調停の流れについては、解決を目指す紛争の種類によって異なりますが、ここでは離婚調停の流れについて説明します。

  1. 管轄の家庭裁判所に申立書類一式を提出し、申立費用を納付します(持参又は郵送)。

  2. 家庭裁判所は、申立受理後、事件番号を付与して、担当裁判官、担当調停委員を決定します。離婚調停の場合、担当調停委員は男女1名ずつであることがほとんどです。その後、家庭裁判所が第1回調停期日を調整します。

  3. 家庭裁判所から申立人・相手方に呼出状(通知書)が送付されます。
    相手方は、通知書に同封されている答弁書等に記入して、期限までに家庭裁判所に送付します。

  4. 第1回目の調停実施(申立て後1~2ヶ月後)
    申立人、相手方は、待合室(申立人と相手方の待合室は別々に用意されている)で待機します。
    調停委員が、申立人、相手方を順に部屋に案内し、申立ての理由や、夫婦の状況、離婚の希望、離婚条件などについて個別に話を聞ききます(30分~1時間程度ずつ)。
    話し合いを継続する場合には、当事者双方の次回期日までの検討事項、事前に準備する資料、提出書面などを確認し、通常約1ヶ月後に次の期日が指定されます。

  5. 家庭裁判所調査官による調査
    当事者間に親権や面会交流など子どもに関する件について対立がある場合には、専門家である家庭裁判所調査官が期日に立ち会い、調査を実施します。

  6. 第2回目の調停以降
    第1回期日と同じく、申立人・相手方がそれぞれ1、2回調停室に案内され、調停委員と話をします。

  7. 調停の終了
    調停終了には、調停成立、調停不成立、調停の取下げの3種類があります。

離婚調停は話し合いによる解決を目指すので、裁判の勝ち負けとは異なる

通常の民事訴訟は、原告と被告が、自分に有利な主張をして相手の主張に反論することで双方の主張を戦わせます。そして、自分の主張の根拠となる証拠を提出し、双方が自分に有利な結論を裁判所に認めてもらおうとするものです。
しかし、離婚調停は、一方が離婚を求めて調停を申立てるものではありますが、話し合いによる紛争の解決(その解決方法が離婚でないこともある)を目指すものです。そのため、訴訟とは異なり、家庭裁判所が双方の争いのある事実について一つ一つ判断を示して、「離婚を認める」「離婚は認めない」などと結論を下すことはありません。
したがって、しっかりと証拠を準備して自分の主張を行うことや、相手方の事実と異なる主張への反論も大切ですが、話し合って譲歩できるところは譲歩するなど、離婚調停の成立を目指すための双方の歩み寄りの姿勢も大切になります。

参考:夫婦関係調整調停(離婚) | 裁判所 – Courts in Japan

家庭裁判所を利用する際の手続きは弁護士に依頼することが可能

家庭裁判所における調停や審判、訴訟手続きは、自分で行うこともできますが、弁護士に依頼して代理人として手続きを行ってもらうこともできます。
自分で行う場合には、どのような手続きを利用できるのか、自分の最寄りの家庭裁判所に問い合わせてみたり(ただし、最寄りの家庭裁判所が調停の申立て先になるとは限りません)、弁護士に相談したりしてアドバイスを受けるとよいでしょう。
弁護士への依頼を考えている方は、事件が解決する見込みや依頼できる仕事内容(通常は、書面作成、提出、期日への裁判所への出頭など)について弁護士に相談し、弁護士費用も考慮したうえで、最終的に依頼するかを判断すればよいでしょう。

【まとめ】家庭裁判所での離婚調停は準備が大切!不安な方は弁護士に相談

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 家庭裁判所とは、家庭内の紛争や非行のある少年の事件を扱う裁判所
  • 家庭裁判所で行う離婚調停は、調停委員を交えた話し合いだが、それぞれが調停委員と話し、基本的には当事者同士が鉢合わせることはない
  • 離婚調停は、話し合いでの解決を目指すもので、裁判のような勝ち負けはない
  • 離婚調停などの手続きは、弁護士に依頼することができる

離婚調停においては、自分の主張をわかりやすく伝えるためにも、問題について時系列で整理をしたり、証拠を揃えたりするなどの事前の準備が大切です。
書面作成や証拠資料の準備に自信がない、調停委員にどのように話したらよいのかわからないなどで不安な場合には、離婚問題に詳しい弁護士に相談してみることをお勧めします。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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