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妻からのモラハラで離婚できる?注意点や慰謝料請求についても解説

作成日:更新日:
LA_Ishii

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

「毎日のように妻から暴言を吐かれている…もう限界だけど、離婚はできる?」

家庭内のモラハラと聞くと、夫が妻に対して行うものを想定しがちですが、妻から夫に対するモラハラで悩んでいる方も多いようです。
モラハラは暴力行為と違って線引きが難しいこともあり、モラハラを理由とした離婚や慰謝料請求ができるかどうかの判断には、専門的な知識が必要です。

この記事では、次のことについて弁護士が解説します。

この記事を読んでわかること
  • モラハラとは
  • モラハラへの適切な対処法
  • モラハラで離婚や慰謝料を請求できるのか

ここを押さえればOK!

モラハラ(モラルハラスメント)とは、一般的に夫婦間で配偶者から繰り返される精神的な嫌がらせや暴力のことです。具体的には、大声で怒鳴る、人格や尊厳を傷つける、親族や友人との付き合いを制限する、無視するなどの行為が含まれます。
モラハラ妻には、自分が絶対に正しいと思い込む、外面が良い、子どもの前で侮辱するなどの特徴があるようです。
モラハラを受けた場合の対処法としては、まず妻にモラハラであることを伝え、改善を求めることが重要です。 それでも改善しない場合や精神的に追い詰められているなら、場合によっては別居を検討せざるを得ないこともあります。
モラハラは法定離婚事由に該当する可能性があるため、離婚を考えているのであればモラハラの証拠を集めることが重要です。 たとえば動画や音声、日記やメール、第三者の証言などが有力な証拠となり得ます。
離婚の方法は、主に協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つです。 協議離婚は当事者同士の話合いで、調停離婚や裁判離婚は家庭裁判所を介して行われます。 協議離婚を目指す場合でも、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。 弁護士は代わりに妻と交渉してくれるだけでなく、調停や裁判の場でのサポートも期待できるため、安心して手続を進められるでしょう。

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この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

そもそもモラハラとは?

モラハラとは、モラルハラスメントの略で、夫婦間の場合だと、一般的に配偶者から繰り返される精神的な嫌がらせや暴力を意味します。
たとえば、次のような行為です。

  • 大きな声で怒鳴る
  • 言葉や態度、身振りなどによって、人格や尊厳を傷つける
  • 親族や友人との付き合いを制限する
  • 無視する

妻からのモラハラでよくある言動

次に、モラハラ妻によくある言動や特徴をいくつかご紹介します。
妻がよくこのような言動をしているようなら、モラハラを疑ってもいいかもしれません。

自分が絶対に正しいと思っている

モラハラ妻は常に自分が正しいと思っていることが多く、そのような姿勢を崩しません。
プライドも高いことが多いでしょうから、気に入らない夫の言動はすべて間違っていると考えます。
また、夫婦は長い時間一緒に過ごすため、常日頃から自分の発言などを否定され続けているうちに、「自分が悪いんだ…」と思い込んでしまう夫もいるようです。

外面がいい

モラハラ妻だからといって、周囲の人から見てもきつい性格だったり、夫に支配的な態度を取ったりしそうな人だとは限りません。
むしろ、外面がよく、周囲からは「いい奥さん」という印象を与えている場合も多いようです。
そのため、夫が親族や友人にモラハラ被害の悩みを打ち明けても信じてもらえず、かえって夫が周囲から孤立してしまうこともあるようです。

子どもの前などで侮辱する

モラハラ妻は、子どもの前で夫の悪口を言ったり、侮辱したりすることがあります。
先述のように、モラハラ妻は周囲からよく思われていることも多いのですが、反対に子どもの前だけでなく、人前で夫を侮辱するパターンもあるようです。

一時的なものならまだしも、このような言動が続くようなら、何らかの対処をするか、場合によっては離婚も検討する必要があるでしょう。

妻からのモラハラがあった場合の適切な対処法

妻の言動がモラハラだと感じた場合には、次のような対処法が考えられます。

妻にモラハラであることを伝える

どんな理由があろうと、相手の人格や尊厳を傷つけるモラハラは許されません。
遠慮せず、きっぱりと妻の行為や言動がモラハラであると伝えてください。
感情的になることは避けるべきですが、「妻の言動がモラハラに当たること」「自分が傷ついていること」を伝えたうえ、「それらの言動はやめてほしい」という意思表示はすべきでしょう。

妻にはモラハラをしている自覚がない場合もあるため、まずハッキリと「その行為はモラハラだ」と伝えることで、モラハラがなくなることもあります。
まずは、夫婦間でコミュニケーションをしっかり取ることが大切です。

精神的に病んでしまう前に別居する

話し合っても妻のモラハラが改善しない場合や、妻とこれ以上一緒にいるのは耐えられないほど追い詰められている場合には、別居を検討するといいでしょう。

モラハラが原因でうつ病になることも珍しくないため、まずは自分の心身の健康を優先しましょう。
物理的な距離ができれば、自分の置かれていた状況や今後の結婚生活について今よりも冷静に考えられるようになります。
また、別居することによって離婚しやすくなることもあるため、離婚も検討しているのであれば、別居を選択肢に入れることをおすすめします。
ただし、一方的かつ強引に別居すると、離婚の際に不利になってしまう可能性があります。
別居について話合いをしたこと、妻のモラハラが別居の原因であることがわかるような証拠を残しておくといいでしょう。

妻からのモラハラで離婚はできる?

日本では、夫婦双方が離婚に合意すれば、理由にかかわらず離婚できます。
ただし、どちらかが離婚を拒否し続けた場合、最終的には裁判で離婚が認められる必要があります。

法定離婚事由に該当する可能性

裁判で離婚が認められるためには、基本的に法定離婚事由に該当する事実の存在が必要です。
民法には法定離婚事由として5つ列挙されていますが、モラハラは、そのうち「その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき」(民法第770条1項5号)に該当する可能性があります。
ただし、単なる性格の不一致からくる口論ではなく、妻のモラハラが婚姻を継続しがたいといえる程度に重大なものであることを、離婚を求める側が立証しなければなりません。
そのため、モラハラの証拠を集めておく必要があるのです。

慰謝料請求できる可能性も

また、離婚条件の一つとして、妻からのモラハラを理由に慰謝料を請求できる可能性があります(※)。
ただし、モラハラの程度や証拠によっては、慰謝料請求が認められないケースも十分考えられ、その金額についても個別具体的に判断されることになります。
たとえば、モラハラが原因でうつ病などの精神疾患になったといえるケースでは、慰謝料は通常より高額になる傾向があるでしょう。

※離婚しない場合でも、慰謝料の請求自体は可能です。

妻からのモラハラで離婚する3つの方法

離婚の方法は、大きく次の3つに分けられます。

  • 協議離婚
  • 調停離婚
  • 裁判離婚

では、それぞれについてご説明します。

(1)協議離婚

当事者同士の話合いによってする離婚です。
当事者が離婚することに合意のうえ、役所に離婚届を提出するだけで成立します。
日本では、協議離婚による離婚が大半となっています。

合意さえあればできる協議離婚の場合であっても、離婚条件をきちんと取り決めたうえ、離婚協議書などの書面を作成しておくことをおすすめします。
特に養育費など、離婚後に金銭の支払いを受けるものについては、支払いが滞った場合に備えて、公正証書にしておくとよいでしょう。

公正証書とは、公証人が法律に従って作成する公文書のことです。
公正証書に「約束どおりに養育費を支払わなかったときは、直ちに強制執行に服することを承諾する」という強制執行認諾文言を記載しておくと、支払いが滞った場合には、相手の財産(預金や給料など)を差し押さえるための手続がスムーズに進みます。

(2)調停離婚

話合いがまとまらず、協議離婚ができない場合には、家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。
調停手続きを利用してする離婚のことを、調停離婚といいます。

裁判のように判決がくだされるわけではなく、調停委員が夫婦の間に入り、あくまで話し合いによって離婚を目指す手続です。
離婚裁判に比べると費用は少額ですが、調停で話し合って合意した内容は、裁判所の判決と同じ法的効力を持つ「調停調書」にまとめられます。
なお、離婚調停の正式名称は、「夫婦関係調整調停(離婚)」です。

また、調停離婚が成立しなかった場合に、家庭裁判所が調停に代わる審判をくだすことにより離婚が成立する場合があり、これを審判離婚といいます。
ただし、審判離婚はほとんど利用されていないのが実情です。

(3)裁判離婚

調停でも話合いがまとまらず、離婚調停が成立しなかった場合、離婚裁判を提起することになります。
離婚裁判によってする離婚を、裁判離婚といいます。
先述のとおり、裁判で離婚が認められるためには、法定離婚事由に該当する事実の存在が必要です。
妻からのモラハラを理由に離婚を請求する場合には、婚姻を継続しがたい重大な事由があることを主張・立証していくことになるでしょう。

なお、「調停前置主義」といって、離婚裁判を提起するためには、事前に離婚調停の手続を経なければならないのが原則となっています。

妻からのモラハラで離婚する際の注意点

妻からモラハラを受けており、離婚を希望している場合に知っておきたいポイントについて解説します。

モラハラの証拠を集めておく

妻が離婚を拒否しているとき、または拒否すると予想されるときは、モラハラの証拠を集めておきましょう。
また、離婚自体には合意できた場合であっても、モラハラを理由に慰謝料を請求するためには、やはりモラハラの証拠が必要になります。

もっとも、裁判をしないのであれば証拠は必須ではありません。
しかし、こちらが強力な証拠を持っていることがわかれば、妻側にも裁判で不利になることは予想できるため、協議離婚がまとまりやすくなると考えられます。

具体的には、妻のモラハラの動画や音声があるとよいでしょう。
加えて、日記やメールなどのやり取り、第三者の証言が証拠になる可能性もあります。
一つ一つは弱い証拠でも、組み合わせることで強力な証拠になることもあるため、できるだけ客観的な形で、証拠になりそうなものは保存しておきましょう。

まずは協議離婚を目指す

協議離婚は、基本的に当事者の合意さえあれば成立するため、ほかの離婚方法と比べると手間や費用があまりかからず、精神的な負担も比較的小さく済みます

しかし、最終的には協議離婚が成立したとしても、当初は離婚に合意できていなかったり、離婚条件で揉めたりしていた場合には、時間がかかってしまうこともあるでしょう。

そのような場合には、協議段階から弁護士を代理人として立てて、代わりに交渉してもらうこともあります。

弁護士に相談する

離婚したい、慰謝料を請求したいなど、妻からのモラハラに悩んでいるのであれば、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。
離婚問題の経験が豊富な弁護士であれば、適切なアドバイスをもらえるでしょう。

また、協議段階における妻(あるいは妻側の弁護士)との交渉だけでなく、離婚調停や離婚裁判になった場合も安心です。

【まとめ】妻からのモラハラで離婚したいなら、証拠集めと弁護士への相談がおすすめ

  • モラハラとは、モラルハラスメントの略で、夫婦間の場合だと、一般的に配偶者から繰り返される精神的な嫌がらせや暴力を意味する
  • 妻からのモラハラへの対処法としては、まず妻にモラハラであることをはっきりと伝えることが大切
  • 場合によっては、モラハラも法定離婚事由になる可能性がある
  • モラハラは慰謝料請求の対象にもなり得る
  • 離婚には、協議離婚・調停離婚・裁判離婚があるが、まずは話合いによる協議離婚を目指すとよい
  • モラハラで離婚や慰謝料を請求するには、モラハラの証拠を集めておくことがおすすめ

妻からのモラハラが法定離婚事由に該当するかどうか、慰謝料を請求できるのかについては専門的な判断や知識が必要になるため、1度弁護士に相談してみることをおすすめします。

離婚でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所にご相談ください。