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休業損害は主婦でももらえる?損をしないために正しい計算方法を解説

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交通事故によりケガをしてしまい、いつも通り働けずに収入が減ってしまった場合、被害者は加害者側に対し、減ってしまった収入を「休業損害」として請求することができます。

専業主婦(主夫)がケガをして家事をできなかった場合、現実に収入が減ってしまうということはありませんが、休業損害を請求することができます。

休業損害の計算方法と金額は、3つあるどの基準で計算するのかによって異なります。弁護士に依頼すれば、通常一番高額となる弁護士の基準により女性の平均給与額(賃金センサス)などをもとに休業損害を計算します。

専業主婦(主夫)であるからといって、休業損害がないと思い、請求せずにいると損をしてしまう可能性もあります。生活のためにも、忘れずにしっかりと請求するようにしましょう。請求する際には、3つあるどの基準で計算されているかを意識するようにし、「もっと請求できたのに損をしてしまった」ということのないようにしましょう。

この記事では、次のことについて弁護士がくわしく解説します。

  • 休業損害の計算方法
  • 休業損害の3つの算定基準
この記事の監修弁護士
弁護士 岡﨑 淳

早稲田大学、及び明治大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。アディーレ法律事務所に入所して以来、佐世保支店長、丸の内支店長、北千住支店長を経て、2022年より交通部門の統括者。交通事故の被害を受けてお悩みの方々に寄り添い、真摯な対応を貫くことをモットーに、日々ご依頼者様のため奮闘している。第一東京弁護士会所属。

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交通事故における休業損害とは?

「休業損害」とは、交通事故の被害にあってケガをし、痛みや治療のためにいつも通り働くことができずに収入を失ってしまったことによる損害のことをいいます。

休業損害が認められ得る期間は、基本的にケガが完治すれば完治したときまで(後遺症が残ったときは症状固定まで)で、症状固定後は休業損害ではなく「逸失利益」といいます(逸失利益とは、症状固定後の後遺症による収入減少のことをいいます)。

【後遺症が残った場合】

※症状固定とは、治療を継続しても症状の改善が見込めない状態のことをいいます。

「逸失利益」について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

逸失利益とは?計算方法や慰謝料・休業損害との違いを弁護士が解説

専業主婦(主夫)でも休業損害の請求が可能

専業主婦(主夫)であっても「休業損害」を請求することができます。

家事従事者の仕事である家事労働は、ケガのためにすることができなくなったとしても、その対価としての報酬が減るわけではありませんが、家事労働は人を雇えばお金がかかるものであり、経済的な価値があると考えられています。

そこで、専業主婦(主夫)であっても、交通事故が原因でケガをし、家事労働を休まざるを得なくなった場合には、これを休業と考え、休業損害を請求することができるのです。

ただし、自分のためだけの家事労働は、誰しも生活するために行うものであり、経済的価値がないと考えられますので、家事労働ができなくなったことを理由として休業損害を請求することはできません。

休業損害の3つの算定基準による計算方法

では、休業損害の金額はどのように計算されるのでしょうか。

実は、休業損害の算定基準は3種類(自賠責の基準、任意保険の基準、弁護士の基準)あり、どの基準で計算するかによって、金額が異なります。

そのため、適切な休業損害の金額を知るためには、この3つの基準についても知っておく必要があります。

算定基準基準の内容
自賠責の基準自賠責保険により定められている賠償基準です。必要最低限の救済を行うことを目的としており、一般的に支払額は3つの基準の中でもっとも低く設定されています。
ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、被害者側の過失割合が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります。
任意保険の基準各損害保険会社が定めている自社独自の支払基準で、非公開とされています。一般的に、自賠責の基準以上ではありますが、弁護士の基準と比べると低く設定されています。
弁護士の基準これまでの裁判所の判断の積み重ねにより認められてきた賠償額を目安として基準化したものです。裁判所の基準とも呼ばれます。一般的に、自賠責の基準や任意保険の基準と比べて高額になります。

ここで、実際に、休業損害の計算方法と3種類の算定基準について見ていきましょう。休業損害は、基本的には次のように計算します。

  1. 1日当たりの損害額(基礎収入)を算出
  2. 実際に休んだ日数を算出(※)
  3. 1と2を掛けて、休業損害を算出

※ケガの程度や治療の経過、仕事への影響などを考慮して休業期間が長すぎる場合には、もっと短くなったり、調整されたりすることがあります。

この計算式は、基本的に3種類の算定基準に共通して利用されています。

(1-1)自賠責の基準の場合

自賠責基準では、原則として1日あたりの損害額が6100円(2020年4月1日以降の交通事故)と定められています(サラリーマンや専業主婦であっても同じです)。

(1-2)任意保険の基準の場合

任意保険会社の基準は、保険会社がそれぞれ独自に定めているもので、公表されていません。一般的に、自賠責保険基準と同程度か、弁護士の基準よりは低額であることが多いでしょう。

(1-3)弁護士の基準の場合

専業主婦(主夫)の場合、実際に家事労働の対価としての給料は支払われていません。そこで、弁護士の基準では、原則として、「賃金センサス」の女性労働者の全年齢平均給与額又は年齢別平均給与額を基礎収入として算定します。

「賃金センサス」とは、厚生労働省が行なっている「賃金構造基本統計調査」のことで、毎年、性別・学歴・年齢等に分類した平均賃金を公表しています。

例えば、40歳の専業主婦(主夫)が交通事故の被害に遭ってケガをした場合、基礎収入は次の計算式により計算します。

<計算式>

賃金センサスによると、2019年の学歴計の全年齢平均賃金(女性)(年収)は、388万100円です。
388万100円(女性の平均賃金) ÷ 365日 = 1万630円(小数点以下切り捨て)

なお、専業主夫であっても、賃金センサスは、女性のものを基準にします。
なぜなら、家事労働をする者が男性であっても、女性が主に担っている家事労働の経済的価値は変わらないと考えられているからです。

一方、兼業主婦(主夫)については、現実の収入額と女性労働者の平均賃金額と比べて、高い方を基準に基礎収入額を算出します。

つまり、現実の収入額が高い場合は、給与所得の実損を請求でき、女性労働者の平均賃金のほうが高い場合は、主婦(主夫)として休業損害を請求できます。

次に、主婦の休業日数についてはどのように考えたらよいのでしょうか。

例えば症状固定までに1年かかった場合、1年すべての期間、100%家事ができなかったとして休業損害を算定することは困難です。
なぜなら、ケガは治療して回復していくことが想定されていますので、だんだんとすることのできる家事労働も増えてくるはずであるため、その点を考慮する必要があるからです。

この点に関しては、さまざまな考え方がありますが、ここでは計算方法の一例をご紹介します。

交通事故から症状固定までの期間を複数に分けて、段階的に家事労働ができない割合が低下していくもの(だんだんとできる家事が増えていくもの)として算出。

(例)この3つの計算式の合計額を休業損害とします。

  • 初めの3分の1の期間は80%休業
    (日額基礎収入額×3分の1の期間×80%)
  • 次の3分の1の期間は50%休業
    (日額基礎収入額×3分の1の期間×50%)
  • 最後の3分の1の期間は20%休業
    (日額基礎収入額×3分の1の期間×20%)

弁護士に依頼すると、休業損害が増額する可能性があります。例えば、弁護士の交渉で休業損害が増額した解決事例はこちらになります。

適正な金額の休業損害を受けとりたい方は、弁護士への相談がおすすめです。
被害者本人が、加害者側の保険会社に、専業主婦の休業損害を含む賠償金(示談金)の増額を交渉しても、なかなか応じてくれないでしょう。
一方、弁護士が交渉する場合には、通常最も高額となりやすい弁護士の基準を使い、訴訟も辞さない態度で交渉を行いますので、休業損害を含む賠償金(示談金)の増額が期待できます。

なお、職業別の休業損害の計算例について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

交通事故の休業損害とは?計算方法を職業別に解説

家事従事者の休業損害が認められた3つの裁判例

家事従事者の休業損害が認められた裁判例をいくつか紹介しますので、参考にしてみてください。

(1)大阪地裁判決平成13年1月25日(交民34巻1号61頁)

被害者事故当時48歳・症状固定時49歳・女性・専業主婦
ケガの程度右上肢機能障害等(併合7級)
休業損害基礎収入を賃金センサス女子労働者学歴計の45~49歳の平均賃金とし、事故当日から症状固定までの556日間について、完全な休業を要したものとして、休業損害559万4121円を認めた。

(2)東京地裁判決平成28年1月22日(交民49巻1号55頁)

被害者事故時75歳・女性
ケガの程度左股関節機能障害10級11号
家事従事者弟及び精神障害を抱える引きこもりの息子と同居し、同人らのために炊事、洗濯、掃除等の家事を主として行っていたとして、家事従事者と認定。
休業損害退院後、同様に家事を行っていたが事故前より簡易な方法によらざるを得なくなったとして、賃金センサス女性全年齢学歴計を基礎に、入院中の109日間は100%の休業割合、その後の通院期間312日間は50%の休業割合として、合計258万3750円を認めた。

(3)横浜地裁判決平成24年7月30日(交民45巻4号922頁)

被害者52歳・男性
ケガの程度右手関節の機能障害10級10号
家事従事者事故当時、妻が正社員として働いており、被害者が専業主夫として洗濯、掃除、料理、食器洗い等の家事労働を行っていたとして、家事従事者と認定。
休業損害退院後も被害者は利き手の右手が使えず、痛みも残っていたため、洗濯、掃除、食器洗いなどの家事を行うことが困難だったとして、賃金センサス女性全年齢学歴計を基礎に、入院中の46日間は100%の休業割合、その後の通院期間3年340日間は25%の休業割合として、合計380万6313円を認めた。

【まとめ】休業損害は主婦(主夫)でももらえる!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 「休業損害」とは、交通事故の被害にあってケガをし、痛みや治療のためにいつも通り働くことができずに収入を失ってしまったことによる損害のこと。
  • 休業損害は、基礎収入×休業日数=休業損害額と計算するのが基本。
  • 主婦(主夫)の休業損額について、自賠責基準では、1日あたりの損害額を6100円(2020年4月1日以降の交通事故)とするのが基本である一方、弁護士の基準では、平均賃金額によって算定する。
  • 休業日数は、ケガのために家事労働ができなかった期間のことをいう。休業損害が認められ得るのは完治もしくは症状固定日までだが、ケガの程度や治療の経過、仕事への影響などを考慮して休業期間が長すぎる場合には、短くなったり、調整されたりするケースもある。

休業損害は、計算の基本となる基礎収入額と休業日数について問題になることが多く、保険会社と被害者の主張が食い違うことも多くあります。
特に、専業主婦(主夫)の休業損害については、明確な裁判基準があるわけではないので、保険会社も金額について争ってくる傾向があります。

損害賠償について一旦示談を成立させてしまうと、特別な事情がない限り、「やはり金額が低すぎる」などという理由でやり直すことはできませんので、示談をする前に交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所への相談をおすすめします。

アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。

弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年9月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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