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略奪婚のリスクとは?知っておきたい法律知識について解説

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「彼氏(彼女)は既婚者だけど、離婚して私と結婚してほしい」
「夫(妻)と別れて、不倫相手と結婚したい」
不倫関係には、割り切った関係から、恋愛感情を持って本気になる関係など、様々なものがあります。
今回の記事では、本気の不倫の結果、離婚した(させた)上で、再婚する略奪婚について解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

略奪婚とは?

略奪婚とは、俗に、配偶者のいる人や婚約者がいる人、恋人がいる人と恋愛関係になり、結果として相手と別れさせて結婚することをいいます。
恋人がいる人と恋愛をすることは、自由恋愛の範囲内のことですので、通常法的責任を問われることはありません。
しかしながら、配偶者がいる相手と恋愛関係になり肉体関係をもつことは、不貞行為として不法行為(民法709条)が成立する可能性があり、そうなると相手方の配偶者に対して、慰謝料を支払う責任を負うことになります

略奪婚のリスクを解説

略奪婚の法的なリスクは、基本的に相手の配偶者に対して慰謝料を支払う責任を負う点にありますが、略奪婚のリスクはそれだけではありません。
略奪して結婚したいと思う側にとって、略奪婚には具体的にどのようなリスクが考えられるかを解説します。

(1)金銭面での負担が大きい

略奪婚の当事者は、不貞行為の結果離婚することになった一方の配偶者に対して、不貞行為を原因とする慰謝料を支払う責任を負うことになります。
不貞行為を原因として離婚した場合、慰謝料の相場は100万~300万円です。

また、離婚に伴い、夫婦の共有財産について財産分与を行いますので、基本的に2分の1の財産は離婚した配偶者のものとなります。離婚原因が不貞行為など一方のみにある場合には、慰謝料という名目で、多めの財産分与が行われることもあります。
配偶者が無職である(専業主婦のケースが多い)など、離婚後すぐに経済的に自立して生活することが困難な場合には、離婚後も数年間程度は生活を援助し扶養する趣旨の財産分与が行われることもあります。

さらに、離婚した夫婦に未成年の子どもがおり、離婚後子どもを引き取って監護しない場合には、基本的に子どもが20歳になるまで毎月養育費を支払うことになります。
養育費は、通常公立の学校の教育費を前提として決められますが、両親が同意すれば、私立の学校の教育費や私立学校に行くための塾の費用を負担することも合意できますので、そうなると通常よりも養育費は高くなるでしょう。
子どもが複数いる場合や、子どもがまだ幼い場合には、将来支払っていくことになる養育費は高額になりますので、少なからず新しい家庭の家計に影響してくるでしょう。

このように、略奪婚は、不貞行為の慰謝料だけではなく、離婚の際には財産分与が必要となり、離婚した(させた)後も養育費などの継続的な支出が見込まれますので、通常の結婚よりも金銭的な負担が大きいといえるでしょう。

(2)略奪婚後も子どもとの関係は変わらない

離婚した夫婦に子どもがいる場合、略奪婚した後も、その親子関係は変わりません。
離婚が親子関係にも影響し、離婚後は親子があまり会わなくなるケースもありますが、現在は子どもが心身ともに健全に成長するためには、離婚後も監護していない(同居していない)親との交流(この親子の交流のことを「面会交流」といいます。)が重要だと考えられています。
したがって、基本的に親子の面会交流は積極的に肯定されるべきといえます。
子どもとの面会頻度や面会時間は、両親の話し合いにより決められます。
通常は月に1回、半日程度の面会であるケースが多いですが、宿泊を伴ったり、入学式、卒業式、運動会などのイベントへの参加を合意したりケースもあります。
略奪婚後も、夫(妻)が前婚の子どもと過ごす時間があることについて、理解する必要があります。

(3)人間関係が悪化する

略奪婚の当事者は、「お互い出会うのが遅くて間違った人と結婚してしまった。やっと結婚できてよかった」と幸せを感じているかもしれません。
しかし、略奪婚は、不貞行為を前提としている点で被害者の不幸の上に成立しているとも考えられ、世間的なイメージは悪いと言わざるを得ません。
相手の親族や自分の親族、知人などから、結婚を祝福されず、距離を置かれる可能性があります。

(4)仕事を失う可能性

同じ会社内や関連会社、取引先の従業員と不倫関係となってしまうケースは少なくありません。
不倫関係については、会社にバレないよう注意して行動することもできます。
しかし、結婚後も会社に秘密にすることは困難ですので、過去不倫関係にあったことが発覚し、事実上仕事を続けることが難しくなることがあります。

(5)略奪婚後に気持ちが冷めてしまう

略奪婚には、前提として純粋な恋愛感情があるかもしれませんが、「許されないことをしているのかも」「障害があるけど私たちの愛は大丈夫」という背徳感やスリルから気持ちが高揚している側面も否定できないのではないでしょうか。
そのような側面が強い場合には、結婚できてしまうと、相手への気持ちが冷めてしまう可能性があります。
また、結婚後に、不倫しているときには見えなかった、相手の欠点が見えてくることがあります。
例えば、不倫しているときには、相手は清潔でおしゃれで私生活もきちんとしているように見えたけれども、結婚後に、それは実は自分自身の努力ではなく、元配偶者による内助の功によるものだったと気づいても、後の祭りです。

(6)相手の不倫を心配してしまう

略奪婚後に、配偶者が不倫をするのではないかと心配し、配偶者を責めてしまうことがあります。
自分がしたのと同じように、配偶者が不倫した結果、誰かに奪われてしまうのではないかと不安になってしまうようです。
その不安や心配がストレスとなり、配偶者との関係に緊張感が生じて夫婦関係を悪化させてしまう可能性があります。

略奪婚でも幸せになれるのか

様々なリスクを紹介しましたが、略奪婚の当事者は、そのリスクを負って結婚して幸せになることができるのでしょうか。
幸せを感じる瞬間は人それぞれですので、幸せになることもできるはずです。
しかし、結婚後に、「こんなはずじゃなかった」「こんなことなら結婚するのではなかった」と後悔しないためにも、リスクを前もって把握し、それでも結婚したいのかをよく考えて話し合うようにしましょう。

不倫相手との略奪婚を防ぐ方法

配偶者が不倫していることに気付いた場合、離婚を避けたい夫(妻)は、どのように対処すればよいのでしょうか。
離婚を避けたい夫(妻)が、離婚を避け、略奪婚を阻止するためにできることを紹介します。

(1)離婚届不受理申出を提出する

離婚届不受理申出とは、離婚の同意がないまま一方的に離婚届を提出されてしまうことを阻止する制度です。
離婚は、夫婦が合意しなければ成立しませんが、すぐに離婚したいと考える夫婦の一方が、勝手に離婚届を提出してしまうことがあります。
離婚届不受理申出により、このように勝手に離婚届を提出されて離婚されてしまう行為を防ぐことができます。
離婚届不受理申出の書式は、居住地の役所で入手することができます。
一度離婚届不受理申出を提出すると、本人が役場に行き,取り下げるまで有効です。

特に、署名押印済みの離婚届を配偶者に預けたけれども、離婚意思がなくなった場合には、離婚されることを防ぐために、速やかに提出するようにしましょう。

本来離婚が成立するためには、離婚届提出時に夫婦双方に離婚意思があることが必要ですが、役所は、提出された離婚届に形式的な不備がなければ受理をし、その際に離婚意思があることを夫婦双方に確認することはしていません。
したがって、実際には離婚意思はないけれども、離婚届が提出され、戸籍上離婚が記載されてしまうケースが存在します。
万が一、離婚届不受理申出を提出する前に、離婚届が提出され戸籍上離婚が記載されてしまった場合には、まず、裁判所の調停や訴訟という手続きを経て、離婚意思がなく離婚が無効であることを確定し、その後に戸籍を訂正します。

勝手に離婚届が提出されてしまうと、このように離婚の無効について裁判所の手続きを経る必要があり、時間と労力がかかります。また、裁判所の手続きで離婚の無効が認められるとは限りません。

配偶者の不倫に気づいたり、実際に離婚したいと言われたら、離婚の話し合いをする前に離婚届不受理申出書の提出を検討するようにしましょう。

(2)不倫の証拠をつかむ

不倫を理由として配偶者や不倫相手に慰謝料を請求する際には、不倫の証拠が重要となります。
肉体関係を伴う不倫は、不貞行為として不法行為に該当し(民法709条)、慰謝料を請求することができますが、デートやキスした程度であると、慰謝料を請求することは事実上困難です。
そこで、慰謝料を請求するためには、肉体関係につながる証拠が必要となります。
当事者が肉体関係を認めた念書・メール・自白録音なども証拠になりますが、次のような客観的な証拠があるとなおよいでしょう。

  • ラブホテルに出入りする写真
  • 肉体関係をもったことが分かる性的なやりとり(手紙、メール、SNS、SMSなど)
  • 肉体関係をもったことが分かる動画・写真

配偶者が離婚したいと考えても、離婚の原因が主に配偶者の不貞行為にあるのであれば、あなたが離婚を拒否する限り、簡単に離婚することはできません。
配偶者は、「有責配偶者」として、裁判で離婚が認められる条件が厳しくなるためです。

有責配偶者が離婚するためには、判例上、次の3つの条件が必要とされています(最高裁判決昭和62年9月2日・民集41巻6号1423頁)。

  1. 別居期間が夫婦の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと
  2. 未成熟子(一般的に社会的・経済的に自立していない年齢の子ども)がいないこと
  3. 相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状況におかれないこと

配偶者は、「離婚をした方がお互い幸せだ」「不仲の両親のもとで子どもが成長するのは忍びない」「今離婚するなら慰謝料を支払う」などと言って離婚を迫ってくるかもしれません。
しかし、配偶者が不貞行為をしている場合、あなたが離婚を拒否すれば簡単に離婚をすることはできませんので、離婚の主導権はあなたにあります。
すぐに離婚に同意することはせず、不貞行為の証拠を集めたり、不安なことは弁護士に相談したりして今後の準備をするようにしましょう。

(3)高額な離婚慰謝料を求める

配偶者が有責配偶者にあたると、特に夫婦間に未成熟子がいる場合には、裁判で離婚することは困難です。
そこで、離婚したい配偶者は、「慰謝料を支払うから離婚してほしい」「多めに財産分与するから離婚してほしい」と交渉してくることがあります。
通常、不貞行為を原因として離婚した場合の慰謝料の相場は100万~300万円程度ですが、話し合いによりそれより高額な慰謝料の支払いを合意することもできます。
ただし、あまり高額すぎると、後々公序良俗に反するとして、高すぎる部分が無効とされる可能性もあります(民法90条)。
また、財産分与は基本的に2分の1とするルールですが、話し合いにより多めに分与を受けることもできます。
具体的に希望する慰謝料の額や、財産分与額を配偶者に伝えることで、配偶者が「そこまで金銭的負担を負うことはできない」と思えば、離婚を考え直す可能性があります。

【まとめ】離婚や慰謝料については弁護士へご相談することをおすすめします

不倫をしている配偶者から、離婚して不倫相手と再婚したいと言われたが離婚したくない、不倫している配偶者と離婚するが、しっかり慰謝料や財産分与をもらいたいなど、離婚や慰謝料に関してお悩みの方はお気軽に弁護士にご相談ください。
また、略奪婚後に子供が生まれ、前婚の子どもへの養育費の負担が重いなどの事情がある方は、養育費の減額請求ができる可能性がありますので、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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