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急ブレーキによる追突事故の過失割合は?あおり運転だとどうなる?

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自動車同士の追突事故では、基本的に後ろから追突した側が、損害賠償責任を負うことになります。
しかし、前の追突された車が、急ブレーキをかけたことによって事故が起こった場合には、追突された車にも過失が認定されることがあります。

また、あおり運転に対して急ブレーキをかけた場合など、それぞれのケースによって過失割合、ひいては損害賠償額も異なってきます。

そうしたいろいろな問題について、以下で解説していきます。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

追突事故の過失割合は原則として100対0

追突事故では、基本的には追突した側に100%の損害賠償責任があります。
これは、道路交通法26条1項で、以下のような規定が定められていることによります。

車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。

引用:道路交通法26条1項

つまり、自動車を運転するときには、後方車両は前方車両が急停止しても追突せずに停止できるよう、充分な車間距離を保たなければならないということです。

前方車両は、後続車両が追突してくることを想定・回避できません。
したがって追突事故での過失割合は、「追突した側:追突された側=100:0」になるということになります。

急ブレーキによる追突事故では過失割合が修正されることもある

もっとも、追突された側が道路交通法などの法律に違反していた場合は、追突された側にも過失が認められるケースがあります。

以下で、急ブレーキによる追突事故における過失割合を説明します。

(1)急ブレーキはやむを得ない場合を除いて禁止されています

道路交通法24条は、

危険を防止するためやむを得ない場合を除き、その車両等を急に停止させ、又はその速度を急激に減ずることとなるような急ブレーキをかけてはならない

引用:道路交通法24条

と規定しています。

つまり、危険を防止するためやむを得ない場合を除いて、急ブレーキをかけてはならないということになります。

この規定に違反した場合には、追突された側の前方車両にも過失が認められる可能性があります。

つまり、前方車両の急ブレーキが「危険を防止するためにやむを得ない」ものであったかどうかが問題となることになります。

(2)急ブレーキによる追突事故で過失割合が100対0になるケース

急ブレーキが「危険を防止するためやむを得ない」とみなされるケースを以下で紹介します。

  • 走行している車両の直前に歩行者が飛び出してきた場合
  • 左端を通行していた自転車が急に右折をはじめ、走行している車両の直前に入って来た場合
  • 道路の損壊や道路上の障害物をその直前で発見した場合

このように、目前の危険を防止するためやむを得ない場合は、「危険を防止するためやむを得ない」とみなされやすいでしょう。

(3)急ブレーキによる追突事故で過失割合が100対0にならないケース

急ブレーキが「危険を防止するためやむを得ない」ものではなかった、つまり不要な急ブレーキだったとみなされるケースは、以下のようなものがあります。

  • 理由もなく急ブレーキをかけた場合
  • 友人・知人を発見して声をかけようとした場合
  • 目の前に小動物が飛び出してきた場合
  • 信号の見間違いに直前で気付いた場合
  • 道を間違えたことに気付いた場合

こうした場合、基本的に、追突された側(急ブレーキを踏んだ側)にも30%の過失がつくことになります。

(4)急ブレーキによる追突事故でさらに過失割合が修正されるケース

交通事故では、各ケースの個別具体的な事情により、過失の加算や減算があります。
たとえば、急ブレーキによる追突事故が起きた場所によっても、過失割合が異なります。

「高速道路では止まってはいけない」という原則があるので、高速道路での追突事故では追突された側の過失も重くなりやすい傾向にあります。

高速道路の追い越し車線で急ブレーキをかけたケースになると、さらに修正が加わりますので、同程度の過失とされることが多く、場合によっては、追突された側のほうが重い過失になることもあります。

そのほか、前方車両のブレーキランプが壊れていたときにも、追突された側の過失が重くなることが多いです。

あおられて急ブレーキをかけた結果の追突事故はどう判断される?

近年、あおり運転が大きな問題となっており、あおり運転に対する罰則も設けられました(道路交通法第117条の2の2第11号)。

まず柱書(条文の冒頭)に以下のような規定があります。

次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

引用:道路交通法第117条の2

そして11号で、以下のような規定が定められました。

他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であって、当該他の

車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者。

引用:道路交通法第117条の2の2第11号

警察庁のウェブサイトでは、あおり運転対策について、以下のような説明がされています。

2020年6月10日に公布された道路交通法の一部を改正する法律により、妨害運転(「あおり運転」)に対する罰則が創設されました。
これにより、2020年6月30日から、他の車両等の通行を妨害する目的で、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持等の違反を行うことは、厳正な取締りの対象となり、最大で懲役3年の刑に処せられることとなりました。
また、妨害運転により著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられることとなりました。
さらに、妨害運転をした者は運転免許を取り消されることとなりました。

参考:危険!「あおり運転」はやめましょう│警察庁
参考:道路交通法の一部を改正する法律案(概要)│警視庁

その一方で、道路交通法第117条の2の2の11号では、急ブレーキの禁止(道路交通法24条)の規定に違反する行為をした場合、車間距離の保持(同法26条)の規定に違反となるような行為をした場合、進路の変更の禁止規定(同法26条の2)の違反となるような行為をした場合、車両等の灯火(第52条2項)の規定に違反する行為、警音器の使用等(同法54条第2項)、安全運転の義務(同法70条)の規定に違反する行為をした場合など、前方車両の過失が問われる例も列挙されています。

後ろからあおられたとき(車間距離を縮められたとき)、「急ブレーキを踏んで驚かせることで反撃する」という手段を考える人もいるかもしれません。

しかし、あおり運転への対抗策としての急ブレーキは、「危険を防止するためにやむを得ない急ブレーキ」ではなく、「不要な急ブレーキ」とみなされてしまいます。

そのため、あおり運転への対抗策として急ブレーキを踏み、追突事故が起きた場合、追突された側にも過失割合が生じてしまう可能性が高いことになります。

高速道路の追い越し車線で事故が起きた場合など、ケースによっては前方車両の過失が大きくなり、あおられたほうが損をすることもあります。

あおり運転をされた場合には、急ブレーキで対処するのではなく、道を譲ったり、どこかの駐車場に避難したりして、相手を先に行かせることで対処した方がよいでしょう。

追突事故では、過失割合が損害賠償に大きく影響する

追突事故を含めて、交通事故においては、過失割合が損害賠償額に大きく関わってきます。

被害者側にも過失があった場合、過失割合に応じて、当事者間の損害賠償額を「過失相殺」するという規定が定められています(民法722条)。

例えば、「追突した側:追突された側」の過失割合が70:30で、追突された側に1000万円の損害が発生した場合には、追突された側が支払ってもらえるのは、1000万円×70%=700万円のみとなってしまいます。
10%の過失割合の違いで、受け取れる額が大きく違ってきます。やはり、損害額が多いほど、過失割合によって顕著な差が出てくることになります。

適正な損害賠償額を受け取るには、適正な過失割合で示談を成立させるのが大切になってきます。

追突事故で過失割合に納得できないなら、弁護士への相談がおすすめ

追突事故の過失割合に納得できない場合には、弁護士に相談するほうがよいでしょう。

治療に専念できるだけでなく、賠償額についても適正なものが獲得できることにつながります。

ただし、交通事故に強い弁護士を探すことが重要になってきます。
この点について、以下で詳しく解説していきます。

(1)交渉や証拠の取得は弁護士に任せて、治療に専念できる

過失割合に納得できない場合には、自分の主張したい過失割合を立証するための証拠を揃えて、相手方と交渉することになります。

被害者が自分で交渉する場合、主張を充分に伝えきれなかったり、きちんと伝えたのに相手方の保険会社から納得のいかない提案をされたりすることも多いです。
主張を立証するための証拠を揃えることも、少なからず負担となってしまいます。

したがって、弁護士に相談・依頼することで、証拠の取得や交渉の負担から解放される上、適正な過失割合を相手に認めてもらえる可能性も高まります。
その結果、安心して日常生活を送ることができ、治療にも専念できることになります。

(2)「裁判所の基準」で適正な賠償額を獲得できる

交通事故の慰謝料は「自賠責保険の基準」「任意保険の基準」「裁判所の基準」の3つの基準のいずれかで算出されることになっています。

自賠責保険の基準は、最低限の補償を目的に、国土交通大臣および内閣総理大臣が定めた基準となっています(自動車損害賠償保障法16条の3)。

任意保険の基準は、各保険会社が独自に設定する基準になります。

裁判所の基準は、弁護士に依頼した場合や裁判になった場合に採用されるものになります。
このうち、裁判所の基準で算出した慰謝料が最も高額となります。

任意保険会社と示談交渉をする場合には、自力で交渉しようとすると任意保険の基準に従って算出された保険金額を提示されることになります。

しかし弁護士に交渉を依頼すれば、当初から裁判所の基準に従って算出された保険金額をベースとして交渉を進めることができます。

(3)交通事故に強い弁護士・法律事務所を探すのがポイント

弁護士や法律事務所にはそれぞれ得意分野があります。
交通事故について相談するなら、交通事故案件への対応を得意とする弁護士や法律事務所を探すことが重要となってきます。

交通事故に強い弁護士に相談することで、上記のようなメリットを享受できることになります。

交通事故について相談すべき弁護士の選び方

上記のように、交通事故に強い弁護士であることが重要です。
ではどのように選べばいいのか、ここでは実績、方針、わかりやすさ、の3つのポイントで解説します。

(1)交通事故案件への対応実績を確認する

弁護士や法律事務所の交通事故案件対応実績をチェックするのがおすすめです。

交通事故対応では、示談がまとまらない場合、調停や訴訟で解決を目指すこともあります。
状況に応じて柔軟な手続きを選べるかどうかは、過去の経験の多さにも関係してきます。
ホームページに過去の解決事例が掲載されている法律事務所も多いので、一度見てみるとよいでしょう。

(2)交通事故案件での対応方針を確認する

交通事故を積極的に取り扱っている弁護士にも、加害者側に立つ弁護士と被害者側に立つ弁護士がいます。

自分が被害者の場合、当然ながら、被害者側に立つ弁護士に相談するべきでしょう。
法律事務所のホームページなどで、交通事故対応の基本方針を確認しておくことが大切です。

(3)説明のわかりやすさを重視する

実績や方針以外に、説明のわかりやすさも重要となってきます。
わかりやすさを判断するためには、以下のようなポイントをチェックするとよいでしょう。

  1. 専門用語を濫用せず、わかりやすい言葉で説明してくれるか
  2. 今すべきこと、これからすべきことをきちんと教えてくれるか
  3. 見通しをわかりやすく教えてくれるか

また、やはり、「信頼できる」と思える弁護士に依頼することが大切でしょう、

【まとめ】急ブレーキによる追突事故については弁護士にご相談ください

急ブレーキによる追突事故では、一部の例外を除いて、追突された側にも過失が認められることになります。

交通事故では、納得できる過失割合で合意することが大切です。
これは、損害賠償額に影響するためです。

もし過失割合に納得できていない場合は弁護士にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 村松 優子

愛知大学、及び愛知大学法科大学院卒。2010年弁護士登録。岡﨑支店長、家事部門の統括者を経て、2018年より交通部門の統括者。同年よりアディーレの全部門を統括する弁護士部の部長を兼任。アディーレが身近な存在となり、依頼者の方に、水準の高いリーガルサービスを提供できるよう、日々奮闘している。現在、愛知県弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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