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社会的制裁を不倫相手に与えられる?合法的な方法を弁護士が解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

「夫(妻)の不倫相手が許せない。社会的制裁を受けさせたいけれど、何かできることはある?」

配偶者に不倫をされたという場合、不倫をされた側の配偶者は、不倫をした配偶者とその不倫相手に慰謝料の請求ができる可能性があります。

ただ、例えば不倫の事実を相手の職場に報告するなど、慰謝料の支払い以外の制裁は法律上問題となることが多いので、衝動的に行動をすることは絶対にやめましょう。

今回の記事では、次のことについて弁護士がご説明します。

  • 不倫をした時に考えられる社会的制裁
  • 不倫相手に与える社会的制裁とその問題点
  • 不倫相手に合法的に加えられる社会的制裁
この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。東京弁護士会所属。

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社会的制裁とはどのようなもの?

社会的制裁とは、何らかの問題行為に対して、社会構成員から加えられる制裁のことを指します。
社会的制裁は、通常犯罪行為を行った者に対してなされることが多いです。
例えば、次のような内容です。

社会的制裁の例

  • マスコミによる実名報道がなされ名誉や社会的地位を失う
  • 勤めていた会社に解雇されたり自主退職せざるを得なくなる
  • 地域で生活しづらくなって引っ越しを余儀なくされる
  • 家族の信頼を失って離婚せざるを得なくなる   など

不倫した者に対して考えられる社会的制裁とは

配偶者に不倫をされて精神的に苦しむ方の中には、不倫をした配偶者や不倫相手に、このような社会的制裁を加えて同じように苦しんでほしいと考える人もいます。
犯罪者と同じように、不倫をした当事者に社会的制裁を加えることは可能なのでしょうか。

(1)不倫トラブルにおける社会的制裁の種類

不倫をされた方が、不倫をした当事者に受けさせたいと思う社会的制裁としては、次のようなものが考えられます。

  • 職場や友人などに不倫の事実を伝えて名誉・評判を傷つける。
  • 不倫相手も既婚者の場合、不倫相手の配偶者に不貞の事実を伝えて夫婦仲を悪化させる。
  • 職場不倫の場合、一方に仕事を辞めさせる。
  • 近所の不倫の場合、引っ越しをさせる。
  • 不倫により受けた精神的苦痛に対して、慰謝料の支払いを請求する。 など

ただし、配偶者に不倫をされたからといって、不倫相手に社会的制裁を加えることが全て正当化されるものではありません
後で詳しく説明しますが、中には、逆に犯罪行為となったり、相手方に損害賠償を支払う責任を負ったりするものもありますので、自分のためにも、感情的になって行動することは厳に控えるようにしましょう。

(2)慰謝料を請求する場合、社会的制裁とのバランスを考えることも必要

不倫をされた配偶者は、法的に、不倫した配偶者及び不倫相手に対して、慰謝料の支払いを求めることができる可能性があります。

慰謝料の請求は不倫をされた配偶者に認められた法的な権利なのです。

他方、法的に、不倫相手に対して、仕事を辞めることを要求したり、引っ越しを要求することはできません。
もっとも、不倫相手に希望として伝えて、相手が承諾すれば、自主的に仕事を辞めてもらったり、引っ越してもらうことは可能です。
ただし、その場合、不倫相手は法的に義務がないことを承諾し、仕事を辞めるという不利益や引っ越して環境が変わったり費用がかかるという不利益を受けることになりますので、それを考慮して、慰謝料の減額や慰謝料の請求をしないよう求めてくる可能性があります。

不倫相手の職場や家族に不倫をばらしたいです。
不倫をばらしたらどうなりますか?

不倫相手の職場や、家族に不倫の事実を伝えると、不倫相手の名誉を毀損するものとして刑法上の名誉毀損罪が成立する可能性があります(刑法230条1項)。
また、民法上の不法行為(民法709条)に該当して、逆に相手から損害賠償請求をされる可能性もありますので、してはいけません。

名誉棄損罪で有罪となった場合の刑罰は、3年以下の懲役もしくは禁錮又は50万円以下の罰金です。
民法上の不法行為とされると、不倫相手に対して慰謝料を支払う責任を負うことになりますので、不倫相手に不倫の慰謝料を請求したとしても、相場よりも減額されることが予想されます。

不倫の慰謝料の裁判上の相場は、次のとおりです。

  • 不倫が原因で離婚した場合 約100万~300万円
  • 離婚しない場合 数十万~100万円

なお、不倫相手が社会的な制裁を受けていることが慰謝料を判断する考慮要素とされることがあり、結果的に相場以下の慰謝料となることもあります。

不倫は犯罪ではないんですか?
不倫をして処罰されたりしないんでしょうか。

不倫は犯罪ではありません。ですから、刑事上処罰されることはありません。
ただし、18歳未満の未成年者と不倫をした場合には、各自治体の定める「青少年保護育成条例違反」という犯罪に当たる可能性があります。

不倫相手に与える社会的制裁と注意点

不倫をされた側の配偶者が、配偶者の不倫相手に加えたいと考えることの多い社会的制裁は、主に次の3つです。

  1. 慰謝料を請求する
  2. 不倫相手の会社に報告する
  3. 不倫相手の家族に報告する

先ほど簡単に触れましたが、中には刑法上の犯罪に該当しうる行為や、不法行為が成立して慰謝料を支払う責任を負うような行為もあり、そのような行為は決しておすすめするものではありません。

(1)慰謝料を請求する

肉体関係を伴う不倫は、不貞行為として、民法上の不法行為(民法709条)に該当します。
配偶者に対しては、不貞行為の存在が明らかであれば、基本的に慰謝料を請求することができます。

不倫相手に慰謝料を請求する場合には、不貞行為の存在に加えて、不貞相手が、「付き合っている人が既婚者であること」について知っている(故意)、又は知らなくても注意すれば知ることができたし知るべきであった(過失)という事情が必要です。

既婚者であることを知らなかった場合や、注意しても知ることができなかった場合には、法的に不貞行為の責任を負わせることは適切ではありませんので、法律上、この故意・過失が必要とされています。

このように、不法行為の被害者である不倫をされた側の配偶者は、加害者である不倫した配偶者及び不倫相手に対して、慰謝料を請求することができます。

慰謝料を請求するのは、夫と不倫相手の両方に対してでないといけませんか?
不倫相手の女性だけに慰謝料を請求できますか?

どちらか一方に対してだけ慰謝料を請求することも可能です。
請求する相手方は選ぶことができますので、すぐに離婚せず夫婦関係の修復を選択する場合には、不倫相手にだけ慰謝料を請求する方も多いです。

不倫相手に、慰謝料を請求して不倫をした責任を自覚してもらい、経済的な負担を負わせることは、社会的制裁の一つです。
そしてこの慰謝料を請求する権利は、被害者に法律上認められていますので、適切に行使する限り、犯罪や不法行為が成立することはありません

「適切に行使」とは、どういう意味ですか?
不適切な行使はどんな場合でしょう。

例えば、慰謝料を請求する権利があるからと言って、相手を脅したりして無理やり支払わせることは恐喝罪などの犯罪が成立する可能性があります。
ご自身で慰謝料を請求する際は決して感情的にならないことが大切です。

(2)不倫相手の会社に報告する

不倫当事者が同じ会社や関係企業で働いている場合、不倫をされた側の配偶者が、今後も不倫当事者同士が仕事で接点を持つことを心配するあまり、職場の上司や人事に対して、不倫の事実を伝えてしまうことがあります。

また、別々の会社で働いていたとしても怒りのあまり、不倫相手の勤務先に不倫の事実を伝えてしまうことがあります。
職場に不倫の事実が伝わった結果、不倫当事者は、職場での名誉や信頼を傷つけられ、自主退職せざるをえなかったり、職場から転勤など事実上の不利益処分を受ける可能性があります。

このように、不倫相手の会社に報告することは社会的制裁にはなりますが、相手の名誉を毀損する行為として、刑法上の犯罪(名誉毀損罪)となったり、不法行為が成立するおそれがあり、結局自分の不利益として返ってきますので決してしてはいけません。

裁判例においても、不倫をされた側の配偶者が、不倫相手の勤務先に対して複数回架電・投書して不貞行為の事実を告げた行為には不法行為が成立するとして、慰謝料を支払うよう命じた判決もあります。

(3)不倫相手の家族に報告する

不倫をされた側の配偶者が、不倫の事実により夫婦関係や家族関係を破壊され、精神的に苦しんでいるのに、不倫相手の家族が何も知らず幸せに暮らしているのが許せないという心情を吐露することがあります。
そのような気持ちから、実際に不倫相手の家族や両親に、不貞行為の事実を伝えてしまう方もいます。
その結果、不倫相手は家庭内での信用を失い、夫婦関係が悪化して離婚したりすることもありますので、不倫相手への社会的制裁にはなるでしょう。

ですが、不倫相手の家族に不倫の事実を伝えることは、勤め先に伝えるのと同じように、名誉毀損や不法行為となる可能性があります。名誉毀損や不法行為までは成立しなくても、慰謝料を減額する事情として考慮されることがあります。
また、不倫相手の配偶者が不貞の事実を知れば、自分の配偶者に対して慰謝料を請求してくる可能性もあります。

結局、自分が不利益を被ることになりますので、不倫相手の家族に伝えることもやめましょう。

配偶者に与える社会的制裁と注意点

不倫をされた側の配偶者が、不倫をした配偶者に加えたいと考えることの多い社会的制裁は主に次の3つです。

  1. 離婚を請求する
  2. 離婚時に親権を失わせる
  3. 慰謝料を請求する

不倫相手に加えたいと思う社会的制裁は、会社や家族への不倫の告知が多いのですが、配偶者にその社会的制裁を加えると、仕事を失って慰謝料や生活費を支払うことができなくなるおそれがあり、結局不倫をされた側の配偶者自身が経済的に困ることになります。
したがって、不倫をした配偶者に対しては、別の社会的制裁を検討することが多くなります。

(1)離婚を請求する

不貞行為は、法定の離婚事由ですので(民法770条1項1号)、不倫をした配偶者が離婚を拒否したとしても、最終的に裁判所で離婚が認められる可能性があります。
したがって、不倫をした配偶者が「やっぱり家族が大事だから、離婚はしたくない」と思っているような場合には、不貞行為を原因として離婚を請求することが配偶者に対する社会的制裁となるでしょう。

しかし、離婚後、自分が未成年の子どもを引き取れば相手方に養育費を請求することができますが、基本的に自分の生活費は自分で稼ぐ必要があり、経済的に自立する必要があります
長期的にみると、すぐに離婚せずに生活費をもらっていた方が、安定的な生活ができることもあります。
離婚をする際には、離婚後の生活や財産分与など、考えなければならないことがありますので、十分に検討してから判断するようにしましょう。

(2)離婚時に親権を失わせる

現在の民法では、離婚する際には、親のどちらが未成年者の子どもの親権者となるか決めなければなりません(民法819条)
基本的に離婚後は親権者が子どもと共に住むことになり、親権者とならない親は、養育費を支払う法的責任があり、話し合ったうえで月1回程度子どもと面会する程度しか子どもと会えなくなってしまいます。
したがって、不倫をした配偶者が、「子どもと離れたくない」と考えている場合には、離婚して親権を得ることは、配偶者に対する社会的制裁となるでしょう(※ただし、どちらが親権者となるかは子の利益の観点から話し合いで決めなければいけませんので、相手方が親権を争い審判や訴訟になった場合、必ずしも親権者になれるとは限りません)。

(3)慰謝料を請求する

不倫をした配偶者と離婚するしないにかかわらず、不倫をした配偶者に対しては慰謝料を請求することができます
ただし、離婚をしない場合には、夫婦の家計が同一であると、慰謝料を請求したとしても結局家計から出費されることになります。

離婚をして慰謝料を請求するかどうかは、その後の生活などにも重大な影響がありますので、弁護士にご相談のうえ、慎重にご検討ください。

合法的に社会的制裁をするには弁護士に依頼することがおすすめ

弁護士に依頼すると、不倫相手と直接やり取りをする必要はありません。

弁護士が不倫相手に慰謝料を請求するとともに、配偶者と2度と不倫をしないよう「接触禁止」の条項を入れたり、約束を破った時に違約金を支払わせるなどの交渉が可能です。

不倫相手に接触禁止を約束させた解決事例についてはこちらをご参照ください。

配偶者の不倫相手に慰謝料を請求したいという方は、専門家である弁護士に相談して、慰謝料を請求するなど、合法的な社会的制裁をする手段を選択するようにしましょう。

【まとめ】不倫や浮気による合法的な社会的制裁は慰謝料の請求

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 配偶者に不倫をされたという方は、基本的に不倫をした配偶者とその不倫相手に対して慰謝料を請求できる。
  • 不倫をされた側の配偶者に法的に認められた権利は、不倫をした配偶者及び不倫相手に対する慰謝料の請求のみ。
  • 不倫相手の職場や家族に不倫の事実をばらすなどの行為は、不倫相手に対する名誉棄損やプライバシーの侵害などに当たる可能性があり、逆に慰謝料を請求される可能性がある。
  • 慰謝料の請求は、不倫をした配偶者とその不倫相手の両方に請求することができるし、どちらか一方に対してだけ請求することもできる。
  • 慰謝料の請求は、離婚をしなくてもできる。
  • 不倫をした配偶者に対する社会的制裁は、1.離婚をする2.離婚時に親権を失わせる3.慰謝料を請求するなどがある。
  • 自分では交渉方法がわからない、直接不倫相手と話し合いたくないということであれば、弁護士に依頼して代わりに交渉してもらうこともできる。

配偶者の不倫が発覚すると、それまでの信頼を裏切られた怒りや失望感に見舞われて感情的になり、不倫をした当事者に社会的制裁を与えたいと思うかもしれません。
ですが、どんなに怒りを覚えても、感情のままに行動することは少し待ってください。
怒りに任せて相手の会社や家族に不倫をばらすなどすると、その時は少しだけ胸がすくかもしれませんが、のちのちあなたの不利益となって返ってくるおそれがあります。そうなると、不倫によって傷ついている心にさらに追い打ちをかけるようなことになりかねません。

アディーレ法律事務所では、浮気・不倫の慰謝料請求につき、相談料、着手金をいただかず、原則として成果があった場合のみ報酬をいただくという成功報酬制です。
原則として、この報酬は獲得した賠償金等からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要がありません。
また、当該事件につき、原則として、成果を超える弁護士費用の負担はないため費用倒れの心配がありません。

(以上につき、2022年7月時点)

浮気・不倫の慰謝料請求でお悩みの方は、浮気・不倫の慰謝料請求を得意とするアディーレ法律事務所へご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 池田 貴之

法政大学、及び学習院大学法科大学院卒。アディーレ法律事務所では、家事事件ドメイン(現:慰謝料請求部)にて、不貞の慰謝料請求、離婚、貞操権侵害その他の男女トラブルを一貫して担当。その後、慰謝料請求部門の統括者として広く男女問題に携わっており、日々ご依頼者様のお気持ちに寄り添えるよう心掛けている。東京弁護士会所属。

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※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年3月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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