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交通事故後の吐き気は後遺障害に認定される?知っておきたい対処法

作成日:更新日:
リーガライフラボ

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

交通事故後の吐き気の症状が続き、後遺症となった場合、交通事故後の吐き気も「後遺障害」として認定される可能性があります。

もっとも、交通事故後の吐き気は明らかな外傷と異なり、後遺障害として認定されることが難しい症状の一つです。

例えば、吐き気があることについて、医師への申告が遅れ、吐き気が本当に交通事故を原因とするものであると医師が診断できず、後遺障害として認定できないケースもあります。

交通事故後に吐き気が続いている場合、後遺障害認定の要件や後遺障害認定に向けた適切な対処法について知っておきましょう。

今回の記事では、次のことについて弁護士が詳しく解説します。

  • 交通事故後の吐き気についての後遺障害認定
  • 交通事故後の吐き気がする場合に知っておくべき対処法
この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

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交通事故後に吐き気が続くときの原因とは

交通事故後に吐き気が続く場合、それは交通事故を原因とするむち打ちの症状の一つであることが多いです。

交通事故で後方から追突されて身体に衝撃を受けると、軽い頭部は、急激に前方に押し出される身体についていけずに後方に反った後、反動を受けて大きく後方から前方向に移動します。
頭部と胴体をつないでいるのが首です。
追突の衝撃を受けて、首が、日常生活では起こりえないほど、むちのようにしなるのです。

この結果、首の組織や首を通る神経が傷つくと、吐き気を含むさまざまな症状を引き起こすことがあります。

これを、一般的に「むち打ち」「むち打ち症」と呼んでいます。医学的には、「頸椎捻挫」「頸部捻挫」「頸椎挫傷」「外傷性頸部症候群」などと言われます。

むち打ちの症状は、吐き気のほか、首・肩・腕・腰などの痛みやしびれ、握力低下、頭痛、めまい、耳鳴り、身体のだるさ(疲労感、倦怠感)など多岐にわたります。

なお、むち打ちのほかにも、頭に強い力が加わることで生じる「頭部外傷」(脳震盪や脳挫傷、脳出血、頭蓋骨骨折など)から脳の自律神経に乱れが生じ、吐き気の症状が生じている可能性もあります。

むち打ちで吐き気等の症状が伴う場合の後遺障害等級

ここで、後遺障害の概要と、吐き気を伴うむち打ち症の後遺障害等級について説明します。

(1)後遺障害とは

「後遺障害」とは、交通事故によって負った障害との間に相当因果関係が認められ、かつその存在が医学的に認められる後遺症のうち、損害保険料率算出機構などで等級認定がなされたものをいいます。

そして、後遺障害は、その症状に応じて、1~14級の等級が定められています。後遺障害等級は、自動車損害賠償保障法施行令に定められています(1級に近づくほど重い後遺障害)。

(2)吐き気を伴うむち打ち症の後遺障害等級

吐き気を伴うむち打ち症によって認定される可能性がある後遺障害等級は12級13号と14級9号です。

12級13号と14級9号の違いは、次のとおりです。

<14級9号と12級13号の認定基準>

等級認定基準説明
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの他覚的検査(レントゲン検査やMRI検査など)により神経系統の障害が証明されるもの
14級9号局部に神経症状を残すもの神経系統の障害が医学的に説明できるもの

通常のむち打ちであれば完治するケースが多く、仮に、何らかの後遺症が残り、後遺障害が認定されたとしても、ほとんどが14級9号(一番低い等級)となります。

一方、他覚的検査(レントゲン検査やMRI検査など)により医学的に症状の存在が客観的に証明できる場合には、12級13号が認定されることになります。

むち打ちは外からみて分かるケガ(例:骨折など)ではなく、さらに医学的証明や説明が困難なことも多いため、後遺障害の認定を受けることは、簡単とはいえません。
そのため、むち打ちで後遺障害認定を受けるためには、事故直後に病院に通院し、必要な治療を継続し、治療の度に症状を的確に担当医師に伝え、適切な検査をきちんと受けることが大切です。

交通事故後の吐き気が後遺障害として認められるための2つのポイント

交通事故の吐き気が後遺障害として認められるためには、次の2つのポイントを押さえておくようにしましょう。

  1. 専門医への受診し、必要な検査を受ける
  2. 後遺障害診断書の内容を確認する

それぞれ説明します。

(1)専門医への受診し、必要な検査を受ける

交通事故後に吐き気の症状がある場合、むち打ち症などのケガを負っている可能性もありますので、速やかに病院に行き必要な検査を受けるようにしましょう。

交通事故の被害者の診断に慣れている整形外科を受診し、必要な検査を受けるとよいでしょう。特に他覚的所見がなければ、自立神経等が傷ついているために吐き気が生じていると考えられますので、神経内科を受診するとよいでしょう。

神経内科の検査や診断で異常があるようであれば、さらに必要な検査を受けるために、脳神経外科を紹介してもらうようにします。

もっとも、頭部に強い外傷が生じており、脳に重篤な症状が生じているようであれば、すぐに脳神経外科の検査を受けることになります。

(2)後遺障害診断書の内容を確認する

医師に後遺障害診断書を記載してもらったら、次の点に気を付けて記載内容をしっかり確認します。

  • 自分の症状について詳しく記載されているか
  • 検査結果について正確に記載されているか

等級認定申請をする際には、獲得を目指す等級の認定要件を把握し、必要な資料(後遺障害診断書や画像など)を準備して、認定要件を満たしていることを説得的に伝える必要があります。

後遺障害診断書についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

後遺障害診断書書式について解説!作成方法や手続きに関しても説明

交通事故後の吐き気が後遺障害として認められた場合の慰謝料の相場

交通事故後の吐き気が後遺障害として認定された場合の、後遺症慰謝料の相場についてみていきましょう。

まず、前提として、慰謝料の金額を決める3つの基準を知っておきましょう。どの基準を使うかによって慰謝料の金額が大きく異なります。

慰謝料算定基準 概要
自賠責の基準自賠責の基準は、自動車保有者が加入を義務付けられている「自賠責保険」で採用されている基準です。
自賠責の基準は被害者への最低限の補償を目的として設けられているので、慰謝料の基準額は基本的に3つの算定基準のうち最も低くなります。
ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、ご自身の過失割合が大きい場合などは、自賠責の基準が最も高額となることもあります。
任意保険の基準任意保険の基準は、各保険会社が独自に設定している非公開の算定基準です。
加害者側の任意保険会社は、通常は任意保険の基準をもとにして慰謝料を提示してきます。基準額は、自賠責の基準と同程度か、やや高い程度であると推測されます。
弁護士の基準弁護士の基準は、過去の裁判例をもとに設定された基準です。弁護士に示談交渉を依頼した場合などに使われる算定基準です。
弁護士の基準による慰謝料金額(目安)は3つの算定基準のうちでは基本的に最も高額となります。

3つの基準の金額(目安)を比べると、次のようになることが一般的です(例外あり)。

そして、後遺障害12級または14級が認定された場合の後遺症慰謝料(目安)を、自賠責の基準と弁護士の基準で比べてみると、下の表のようになります。

後遺障害12級後遺障害14級
自賠責の基準94万円32万円
弁護士の基準290万円110万円
差額196万円78万円
(2020年4月1日以降に起きた事故で、ご自身に過失がない場合)

12級・14級いずれの場合にも、あくまで目安の金額ではありますが、弁護士の基準のほうが自賠責の基準よりも3倍以上の金額になることがお分かりでしょう。

弁護士の基準で慰謝料などを算定するためには、弁護士への依頼を検討しましょう。
被害者本人が加害者側の保険会社と示談交渉すると、通常、加害者側の保険会社は自賠責の基準や任意保険の基準による低い慰謝料額を提示してきますので、その額で示談するのは損をする可能性があります。これに対し、弁護士が被害者本人に代わって示談交渉や裁判を行う場合は、最も高額な弁護士の基準を利用して慰謝料などを算定しますで、弁護士の基準に近づけた形での示談が期待できます。

弁護士への相談について詳しくは、こちらをご覧ください。

保険会社を鵜呑みにしない!損をしないポイント

保険会社の提示を鵜呑みにしてしまうことはおすすめしません。
そもそも、被害者の方が賠償金を「もらう側」だとすれば、保険会社は賠償金を「払う側」ですから、被害者の方とは真っ向から対立する関係となります。

例えば、これまでもご説明したとおり、通常、保険会社の提示する金額は弁護士が計算した金額よりも安いことが多いです。この場合、保険会社の提示額を鵜吞みにして深く検討せずに示談してしまうと、弁護士が交渉すれば受け取れたはずの金額を受け取れなくなり、知らず知らずのうちに損をしてしまうということがあります。

そこで、交通事故の賠償金請求や後遺障害認定の申請は弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

弁護士へ依頼することで、次のような3つのメリットがあります。

  1. 今やるべきことをアドバイスしてもらえる
  2. 適切な後遺障害認定を受けられる可能性を高めることができる
  3. 賠償金の増額が期待できる

それぞれ説明します。

(1)今やるべきことをアドバイスしてもらえる

交通事故に遭った被害者は「何からやればいいのか」「ケガが痛んで仕事ができないが今後どうなるのか」と不安になってしまうことも少なくありません。

しかし、弁護士に相談すると、被害者の立場に立って、現在の状況を法的な観点から整理し、今後示談成立までの流れや、時系列、具体的な解決方法や対応方針などについて説明してもらうことができます。

また、弁護士に示談交渉など交通事故の紛争解決を依頼することで、示談交渉や手続きといった負担から解放され、普段の生活を取り戻すことに集中しやすくなります。

(2)適切な後遺障害認定を受けられる可能性を高めることができる

弁護士に依頼することで、後遺障害診断書を書いてもらう際に、等級認定に有利なポイントについて弁護士からアドバイスを受けることができます。

また、症状固定前に弁護士と医師とが連携することで、等級認定に必要な検査や治療を受けることができ、後遺障害等級の申請に必要な資料を的確に収集でき、適切な後遺障害等級認定を受けられる可能性をさらに高めることができます。

(3)慰謝料の増額が期待できる

弁護士に交通事故の示談交渉を依頼すれば、保険会社の提示する示談案を十分に検討し、不合理な点については的確に反論し、さらに、弁護士の基準を前提とした示談交渉を行うため、賠償金の増額が期待できます。

【まとめ】交通事故後のむち打ち症による吐き気は後遺障害12級また14級に認定される可能性あり

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 交通事故後に吐き気が続く場合、それは交通事故を原因とするむち打ちの症状の一つであることが多い。
  • 交通事故の吐き気がある場合に認定される可能性がある後遺障害等級
  • 後遺障害12級:局部に頑固な神経症状を残すもの
    ⇒他覚的検査(レントゲン検査やMRI検査など)により神経系統の障害が証明されるもの
  • 後遺障害14級:局部に神経症状を残すもの
    ⇒神経系統の障害が医学的に説明できるもの
  • 交通事故後の吐き気が後遺障害として認められるための2つのポイント
  1. 専門医への受診し、必要な検査を受ける
  2. 後遺障害診断書の内容を確認する
  • 交通事故後の吐き気が後遺障害として認められた場合の後遺症慰謝料の相場
  • 後遺障害12級:290万円(弁護士の基準)、94万円(自賠責の基準)
  • 後遺障害14級:110万円(弁護士の基準)、32万円(自賠責の基準)
  • 保険会社のいいなりにならない、弁護士への依頼する3つのメリット
  1. 今やるべきことをアドバイスしてもらえる
  2. 適切な後遺障害認定を受けられる可能性が高めることができる
  3. 賠償金の増額が期待できる

後遺障害認定の申請手続きを弁護士に任せることで、弁護士が、診断書の記載内容をチェックしたり、提出する資料を精査したりしますので、適切な後遺障害等級認定の可能性をさらに高めることができます。

アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。

なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年8月時点)

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