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離婚して再婚したい!有責配偶者と再婚禁止期間について

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「現在、付き合っている人がおり、その相手と再婚したい。」

再婚のために離婚を考えている人は少なくないのではないのでしょうか。


有責配偶者(不倫した配偶者)が裁判上で離婚を請求する場合は、離婚が難しくなる場合があります。もっとも、配偶者と合意できれば、再婚のために離婚することは可能です。


また、女性の場合、原則として離婚した日から起算して100日経過した後でなければ、再婚することができません(再婚禁止期間)が、例外もあります。

そこで、今回は、

  • 再婚のために離婚することは可能なのか
  • 離婚後すぐに再婚することができるのか

について弁護士が詳しく解説します。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

再婚のために離婚を考えるケースとは?

再婚のため離婚を考えるケースとは、不倫相手がおり、その相手と再婚したいというケースが多いです。

また、別居期間が長い、すでに夫婦関係が破綻している、などの事情を抱えており、新たな相手と再婚して、婚姻生活をやり直したいと思っているケースなどもあります。

再婚したいという理由で離婚できる?

では、再婚したいという理由で離婚できるのでしょうか?
離婚方法について説明した上で、離婚ができるのかについて説明します。

(1)配偶者の合意で協議離婚が可能

離婚方法として、まず挙げられるのが「協議離婚」です。
「協議離婚」とは、配偶者と離婚について話し合い、双方で離婚に合意することをいいます。

仮に、あなたが不倫をした立場であるなど「有責配偶者」であったとしても、配偶者の合意があれば、離婚が成立します。

厚生労働省の「人口動態調査」によれば、離婚する夫婦の8~9割が「協議離婚」によって離婚しています。

参考:2019年度人口動態調査 離婚の種類別にみた年次別離婚件数及び百分率「824_別紙_人口動態調査」|e-Stat

(2)協議離婚が成立しない場合

離婚について夫婦双方の合意が得られず「協議離婚」ができなかった場合には、「調停離婚」、または、「裁判離婚」となります。

(2-1)調停離婚

「調停離婚」とは、家庭裁判所において、調停委員や裁判官が間に入り、夫婦双方で離婚に向けた話し合いをして、離婚することをいいます。

夫婦双方の意見を調停委員や裁判官が聞き、調整を試みます。そのため、夫婦双方が顔を合わせることなく話し合うことができます。

仮に、あなたが不倫をした立場であるなど「有責配偶者」であったとしても、調停の場で夫婦が離婚に合意すれば、離婚が成立します。

もっとも、一般的に月に1度程度、調停(話合いの場)が設けられるため、離婚が成立するまでに長期化(長いと1年以上)してしまう可能性があります。

なお、「調停離婚」で離婚する件数は、全体の1割程度になります。

(2-2)裁判離婚

「調停離婚」でも、離婚の合意に至らない場合、「裁判離婚」となります。
「裁判離婚」とは、裁判所に離婚訴訟を提起し、裁判官が離婚の判決を下して、離婚することをいいます。

「裁判離婚」は、離婚調停が不成立となっていることが前提となりますので、調停を経ずに離婚訴訟を提起することはできません。

つまり、流れとしては、

ということになります。

また、「協議離婚」や「調停離婚」は、離婚事由はどのようなものでもかまいませんが、「裁判離婚」を提起するには、民法上で定められた離婚事由(不貞行為の存在など)が必要とされています(民法770条1項 ※ただし後述の通り有責配偶者からの裁判上の離婚請求は原則として認められません)。

なお、裁判離婚まで至るのは、調停離婚よりさらに少なく、調停離婚の10分の1程度になります。

離婚の方法や「裁判離婚」について、さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

離婚方法の種類とは?調停・裁判離婚の手続きと離婚成立までの流れ
離婚裁判の流れ・期間の目安と早期に終了させるためのポイント

(3)有責配偶者からの裁判上の離婚請求は原則、認められない

先ほどご説明したとおり、不貞行為の存在は離婚事由にあたりますが、不貞をした配偶者(「有責配偶者」)からの裁判上の離婚請求が原則認められません。

「有責配偶者」とは、不貞行為など民法上の離婚事由に該当する行為を行い、婚姻関係が破綻する原因を主につくった配偶者のことをいいます。

そして、「有責配偶者」からの裁判上の離婚請求は原則、認められないのです。

例えば、不貞行為をした本人が、不貞行為があることを理由に裁判上の離婚請求をしても、離婚することは認められないということになります(なお、有責配偶者からの離婚請求でも、配偶者が離婚に合意をした協議離婚、調停離婚、裁判上の和解による離婚は可能です)。

しかし、次のような場合には、有責配偶者からの裁判上の離婚請求であっても、離婚が認められます。

  1. 別居期間が長期間にわたること
  2. 夫婦に未成年の子がいないこと
  3. 離婚後の配偶者の生活が精神的・社会的・経済的に過酷な状況におかれないこと

参考:最大判昭和62年9月2日判決民集41巻6号1423頁│裁判所 – Courts in Japan

※「別居期間が長期間」とはどれくらい?
裁判例では、一般的に、10年以上の別居期間があって長期であると判断していることが多いといえます。
別居期間8年余りであった事例に対し、長期間とはいえないと判断している判例(最判平成元年3月28日判決)があります。

もっとも、これらは考慮要素に過ぎず、必ずしも上記の3要素を充たしていない場合であっても、婚姻関係が破綻していて関係回復の可能性がないという場合で、かつ、有責配偶者からの離婚請求が著しく社会正義に反しないといった場合には、有責配偶者からの離婚請求を認める判決もあります。

(高校2年生の子がいる事案(最判平成6年2月8日判時1505号59頁)、夫婦の同居期間22年、別居期間6年で離婚が認められた事案(東京高判平成14年6月26日判時1801号80頁))

有責配偶者からの裁判上の離婚請求が認められるか否かは、離婚に至った経緯、離婚請求に対する相手方の態度など、個別事情によって異なります。

この判断には、専門的な知識が必要となりますので、有責配偶者からの離婚が認められる可能性があるのか否かについては、離婚問題に詳しい弁護士に聞くのが一番よいでしょう。

すぐに再婚できない!再婚禁止期間とは?

「再婚禁止期間」の概要、「再婚禁止期間」が適用されないケースについて説明します。

(1)再婚禁止期間とは?

「再婚禁止期間」とは、離婚した日から起算して100日経過した後でなければ、再婚することができないとされる規定です(民法733条1項)。女性だけに定められているため、男性であれば、離婚後すぐに再婚することができます。

なお、以前は、再婚禁止期間は6ヶ月とされていましたが、2016年の法改正で100日に短縮されました。

(2)再婚禁止期間がある理由

女性のみに再婚禁止期間がある理由としては、女性の子どもについて扶養義務を負う父親を明確にし、子どもの権利や利益を保護するためです。

つまり、離婚後すぐに再婚して妊娠した場合、子どもの父親が前の夫、または、新しい夫どちらの可能性もあるという事態になってしまいます。そうなると、子供の本当の父親が、養育費の負担を免れるため、自分は父親でないと主張することができてしまうなど、子どもにとって大きな不利益が生じてしまいます。そこで再婚禁止期間を設けて、どちらが父親かわからない事態を防いでいるのです。

※民法上、婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定するとの規定があります(「嫡出推定」といいます。)。また、婚姻の成立の日から200日経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものとして、夫の子と推定されます(民法772条)。

(3)再婚禁止期間が適用されないケース

再婚禁止期間が適用されないとされるのは、次のような場合です(民法733条2項)。

(3-1)女性が離婚の時に妊娠していないこと
(3-2)女性が離婚の前に妊娠し、離婚の後に出産した場合
(3-3)その他

(3-1)女性が離婚の時に妊娠していないこと

女性が離婚時に妊娠していない場合、子どもの父親がどちらかわからないという事態は生じませんので、再婚禁止期間の適用はなく、離婚後すぐに再婚することができます。

この場合、再婚する場合には、医師が作成した「民法733条第2項に該当する旨の証明書」を添付して婚姻届を提出する必要があります。

この証明書の書式は、下記の法務省のウェブサイトに掲載されています。

参考:民法の一部を改正する法律(再婚禁止期間の短縮)の施行に伴う戸籍事務の取扱いについて|法務省

(3-2)女性が離婚前に妊娠し、離婚の後に出産した場合

女性が離婚前に妊娠し、離婚の後に出産した場合、その出産の日以降は、再婚禁止期間の適用はなく、離婚後すぐに再婚することができます。

出産した子供は、婚姻中に妊娠した子どもですので、前の夫の子と推定され、法律上は、子どもの父親がわからないという事態は生じません。

この場合も、再婚する際には、医師が作成した「民法第733条第2項に該当する旨の証明書」を添付して婚姻届を提出する必要があります。

(3-3)その他

その他にも、法律上父親がわからないという事態を防ぐという目的からすれば、次のような場合も再婚禁止期間の制限はないと考えられています。

  • 子宮を全摘している、高齢であるなど妊娠することができない場合
  • 前婚と同一人物と再婚する場合
  • 前の夫が生死3年以上不明という理由で離婚判決があった場合
  • 夫の失踪宣告を受けて婚姻を解消した場合 など

「再婚禁止期間」についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事をご覧ください。

再婚禁止期間とは?規定の目的や例外となるケースについて解説

【まとめ】合意ができれば再婚のための離婚は可能

再婚のための離婚は、配偶者と話合い、配偶者の合意が得られれば、すぐにでも離婚することができます。

しかし、離婚に向けた話し合いは財産分与や親権など様々な事項を決める必要があり、夫婦のみでの話し合いでは限界があることもあります。

特に、あなたが不倫をして離婚の原因を作ったなどの「有責配偶者」である場合、あなたが配偶者に支払う慰謝料なども話し合わなければならず、話し合いはもっと複雑なものになります。離婚裁判にもなれば、離婚が認められることはさらに困難なものになります。

さらに、あなたが女性である場合、離婚後の再婚には、再婚禁止期間にも注意することが必要です。離婚後100日が経過した後なければ、再婚ができないのが原則となります。

再婚禁止期間や嫡出推定についてお悩みの方は、アドバイスや必要な手続きの説明が受けられますので、ぜひ離婚を取り扱っている弁護士にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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