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離婚届を出す前に夫婦で話し合うべきことは?書き方や注意点も解説

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離婚は、基本的に離婚届を提出し、役所に受理されるだけですることができます。
しかし、積み重ねてきた夫婦関係を実際に解消してそれぞれの人生を歩んでいくためには、離婚届の提出だけでは不十分で、離婚の前に夫婦で話し合って解決すべき問題がある場合があります。
離婚後に、「このことを話し合っておくべきだった」と思っても、連絡を取ること自体が困難となる場合もあり、話し合いをするのに大変な労力が必要となってしまうことがあります。
離婚届を提出する前に、一旦立ち止まって、夫婦で話し合うべきことはないか考えてみるようにしましょう。
この記事では、離婚届を提出する前に夫婦で話し合うべきことを解説するとともに、話し合いが終わった後スムーズに離婚届を提出できるように、離婚届の書き方や注意点を解説します。

離婚届とは?

離婚届は、夫婦が離婚する際、市区町村役場に対して必ず提出しなければならない書類です。
協議離婚の場合は、市区町村役場に離婚届を届け出ることによって離婚の効力が生じます(民法765条1項)。
別居機関が長期にわたるなど夫婦の実態がなくなっていたとしても、離婚届を提出しなければ、法律上の夫婦関係は解消されません。
裁判上離婚(判決・調停・審判などによる離婚)の場合は、調停成立や、審判又は判決の確定で、離婚が成立します。しかし、日本は、戸籍で結婚・離婚などの情報を管理していますので、報告的に、市区町村役場に離婚届を提出する必要があります。

離婚届を提出する前に確認すべきポイント

通常の協議離婚は、離婚届を届け出ればすることができますので、離婚自体に合意できれば時間はかかりません。
しかし、離婚届を提出する前に、離婚前に夫婦で話し合っておくべき事柄はないか、提出前に準備しておくことはないかなど、確認すべきポイントがあります。
ここでは、そのポイントを説明します。

離婚協議書を作成する

離婚の際に、話し合って取り決めた事項については、書面にまとめて協議離婚書を作成するようにしましょう。
話し合うべき事柄は、夫婦によって異なりますが、一般的には次のような事項となります。

  • 財産分与
  • 年金分割
  • 慰謝料
  • 親権
  • 養育費
  • 面会交流

夫婦で作成した離婚協議書は、公正役場で「公正証書」にすることができます。
公正証書は、公証人が作成した、離婚協議書の内容に法的な効力を持たせた公文書です。
離婚協議書を公証役場に持参すれば、公証人が、離婚協議書を基本に、文言を整えたりして法的な効力のある公正証書を作成してくれます。
その際には、忘れずに、「強制執行認諾文言」を入れてもらうようにしましょう。この文言があれば、相手方が養育費などの支払いを怠った場合であっても、相手方の勤務先や預金口座が判明していれば訴訟を起こさずに相手の給与や預金を差し押さえることができます。

再婚禁止期間を確認する

女性は、原則として、離婚した日から100日を経過した後でなければ、再婚することができません(民法733条1項)。これを、再婚禁止期間といいます。
再婚禁止期間が定められている理由は、子の父を特定し、その身分関係を早期に確定する点にあります。
ですので、離婚時に妊娠していないなどの事情があり、子の父の特定に影響がないのであれば、例外的に、100日を待たずに再婚することが可能です(民法733条2項)。

子供がいる場合は親権について夫婦で話し合う

未成年の子供がいる場合は、親権者を定めずに離婚することはできません(民法819条1項)。
離婚届にも、親権者を記載する欄があり、親権者を定めて記載しなければ、離婚届は受理されません。
未成年の子供が複数いる場合には、子供一人一人について、どちらを親権者とするかを決める必要があります。
通常、親権を有する親が子を実際に監護して育てます。
非常に稀ではありますが、夫婦で話し合ったうえで、親権と監護権を分離して、監護権のみを有する親が子を実際に育てるケースもあります。
この場合、離婚届に監護権の取り決めについて記載する欄はありませんので、公正証書を作成し、客観的な証拠とすることが多いようです。

協議離婚の場合は証人が2人必要

協議離婚の場合は、離婚届にある「証人」欄に、二人(成年)の署名・捺印が必要です。生年月日、住所、本籍の記載も必要ですので、その旨を事前に伝えておくとよいでしょう。
証人は成年であれば誰でもよく、離婚当事者の知人や家族である必要はありません(証人を探せない方向けに、証人を代行するサービスもあるようです)。
また、証人は、証人になったからといって何らかの法的な責任を負うものではありません。
調停離婚や裁判離婚の場合は、「証人」欄の記入は不要です。

離婚届の入手・提出方法について

離婚届の入手方法と提出方法について解説します。

離婚届の入手方法

離婚届は各市町村役場にありますので、そこで入手することができます。
全国統一の様式ですので、基本的には、どこの市町村役場で入手しても利用できます。
様式の紙の大きさはA3です。
市区町村役場のホームページからもダウンロードが可能な場合がありますので、確認してみるとよいでしょう。

離婚届の提出方法

離婚届の提出は、基本的に夫婦の本籍地又は一番近い市区町村役場に対して行います。
提出方法としては、3種類あります。
(1)当事者(双方又は片方)が窓口に持参
(2)郵送
(3)使者(第三者に代わりに窓口で提出してもらう)
早く離婚したい場合、確実なのは、当事者が窓口に持参する(1)の方法です。離婚届に不備があった場合には、その場で修正して再度提出することができるかもしれません。離婚届に押印した印鑑を持参するようにしましょう。

持参する場合は、窓口が開いている時間帯に行けるとよいのですが、夜間などの時間外でも、提出自体は可能です。ただし、不備があった場合には後で連絡が来ますので、平日日中に再度役所を訪れるなどして修正後、再度提出し、受理される必要があります。

離婚届の書き方

実際に、離婚届はどのように書けばよいのでしょうか。
離婚届には書式があり、間違いのないように記入する必要があります。

引用:離婚届(記載要領・記載例) | 法務省

ここでは、具体的な離婚届の書き方について解説していきます。

届出年月日

離婚届を提出する日付を記入します。まだ決まっていない場合には、空欄にして、決まってから記入するようにしましょう。
調停・審判・裁判離婚の場合は、成立ないし確定した日から10日以内に提出しなければなりません(10協議離婚の場合は、成年の日を経過すると過料が課せられるおそれがあります)。

氏名・生年月日・住所・本籍

戸籍通りに、夫婦それぞれの氏名・生年月日を記入します。
住所は、現在の住民登録をしている住所と、世帯主を記入します。
離婚届と同時に転入届・転居届を提出する場合には、新しい住所と新しい世帯主を記入します。
婚姻中の本籍と戸籍筆頭者を、戸籍謄本を参照しながら、戸籍通りに記入します。

父母の氏名・父母との続き柄

夫婦それぞれの実父母の氏名を記入します。父母が婚姻中であるときは、母の名字の記入は不要です。
父母がすでに亡くなっている場合も記入が必要です。
続き柄には、長男・二男・三男、長女・二女・三女、など、父母との関係を記入します。
養父母の場合は、「その他」の欄に、同じように養父母の氏名と続き柄を記入します。

離婚届の種別

離婚の方法について、該当する箇所にチェックをいれます。
例えば、夫婦のみの話し合いで離婚する場合は、「協議離婚」にチェックを入れます。
調停・和解離婚の場合は成立した日付、審判・裁判離婚の場合は、確定した日付も記入します。

婚姻前の氏に戻る者の本籍

婚姻により氏を変更した者は、原則として、離婚によりもとの氏に戻ります。
婚姻により氏を変更した者について、離婚により、もとの戸籍に戻るのか、新しい戸籍を作るのかを決めて、該当する箇所にチェックを入れます。
新しい戸籍を作る場合の筆頭者は自分になります。

ただし、離婚後3ヶ月以内に、役所に対して婚氏続称届(離婚の際に称していた氏を称する届、戸籍法77条の2)を提出することで、離婚後も婚姻中の氏を継続して名乗ることが可能です(民法767条2項、771条)。
離婚後も婚姻中の氏を名乗る場合には、この欄には何も記入せず、婚氏続称届を提出します。婚氏続称届は、離婚届と同時に提出することもできますし、後日別途提出することもできます(離婚日から3ヶ月以内)。

未成年の子の氏名

未成年の子供がいる場合、夫婦で話し合って親権者を決めた後、「夫が親権を行う子」又は「妻が親権を行う子」の欄に、子供の名前を記入します。
協議離婚の場合、親権者が決まっていなければ離婚届は受理されず、離婚することはできません。
この欄の訂正は、夫婦2人の訂正印が必要とされています。

同居の期間

夫婦が同居していた期間について記入します。
「同居を始めたとき」は、結婚式を挙げた日か同居を始めた日の、いずれか早い方を記入します。
「別居したとき」は、別居した日を記入します。まだ同居中だけれども転居日が決まっている場合には、その日付を記入します。

別居する前の住所

すでに別居している夫婦は、同居していたときの住所を記入します。
別居していない場合は記入せず、空欄のままにします。

別居する前の世帯のおもな仕事と夫婦の職業

「別居する前の世帯のおもな仕事」では、共働きの場合、収入が多い方の仕事について記入します。
分類された6つの選択肢のうちから、該当するものにチェックを入れます。
「夫婦の職業」については、5年ごとに実施される国勢調査の年度のみ記入し、それ以外は空欄のままにします。

その他

父母が養父母の場合は、この欄に記入します。

届出人

届出人(夫婦)の署名・押印をします。署名欄には、本人が自書します。
印鑑も、夫婦別々のものである必要があります。

証人

協議離婚の場合は、成年の証人2人が必要です。
署名は、必ず証人本人にしてもらう必要があります。また、夫婦が証人となる場合には、印鑑は各自別々のものを使用しなければなりません。
住所・本籍などの情報も記載してもらう必要がありますので、事前に伝えておくとよいでしょう。

離婚届を書くときの注意点

離婚届を書くときの、一般的な注意点を説明します。
鉛筆や消せるペンは使用せず、ボールペンや万年筆など、消せないペンで記入するようにしましょう。
間違えた場合には、新しい用紙に書き直すか、修正テープや修正液を使わずに二重線で消した上で訂正印を押し、修正するようにします。
本籍・住所・氏名は、戸籍通りに正確に記入しましょう。
捺印は、朱肉を使用して、実印または認印を使用するようにします(ゴム印・シャチハタは不可)。

離婚届を提出する者

協議離婚の場合には、離婚をしようとする夫婦どちらでも提出することができます。
調停・審判・裁判離婚の場合には、離婚を申し立てた者が、「届出人」として署名・押印し、提出します(相手方の届出人としての署名・押印は不要)。

離婚届と一緒に用意すべきもの

離婚届を提出する際に、離婚届以外にも用意すべきものがありますので、事前に確認して、準備しておくとよいでしょう。

協議離婚で離婚する場合

  • 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
  • 戸籍謄本(本籍地の役場に離婚届を提出する場合は不要)
  • 届出人の印鑑

調停離婚・和解離婚・認諾離婚で離婚する場合

  • 調停調書/和解調書/認諾調書の謄本
  • 戸籍謄本(本籍地の役場に離婚届を提出する場合は不要)
  • 届出人の印鑑

審判離婚・裁判離婚で離婚する場合

  • 審判書/判決書の謄本
  • 審判書/判決書の確定証明書
  • 戸籍謄本(本籍地の役場に離婚届を提出する場合は不要)
  • 届出人の印鑑

離婚届が受理されない事例

離婚届に漏れなく、間違いなく記入しても、市町村役場に離婚届を受理してもらえない場合があります。
それは、夫婦どちらかが離婚届不受理申出をしている場合です。
実務上、夫婦の一方が離婚届を提出したときに、役所が他方に連絡をして離婚の意思確認をすることはありません。
そこで、勝手に離婚届を提出されてしまうことを防ぐための制度があり、それが離婚届不受理申出の制度です。
市町村役場に「離婚届不受理申出」を行っておくと、夫婦の一方が離婚届を提出しても、市町村役場は離婚届を受理しませんので、離婚することはできません。
不受理となった場合、離婚を希望する側は、家庭裁判所に対して、不服申し立てを行うことができます(戸籍法121条)。

離婚に対し不安や悩みがある方は弁護士へ相談

夫婦間で親権者、養育費、慰謝料などの話し合いをすること自体が、労力であったりストレスであったりするかもしれません。
当事者同士で話し合っても、感情的になってしまい、冷静に対応して話し合いをすることが困難かもしれません。
話し合いで離婚条件について合意できたとしても、間違いのない後悔のない公正証書を作成するためには、専門家の意見を聞いて作成自体を依頼した方がよいでしょう(公証人も専門家ですが、中立な第三者ですので、あなたの利益を考慮してアドバイスや作成をしてくれるわけではありません)。
弁護士は専門家ですので、冷静に本人の代わりに離婚の話し合いをしたり、交渉をしたり、不備のない書面を作成することができます。

離婚に関して、「何を話し合えばよいのかわからない」、「話し合ったけど他に漏れがないか確認したい」、「合意できたけど公正証書は作った方がいいのか」など、不安や悩みがある方は、専門家である弁護士に相談するとよいでしょう。

離婚の条件や慰謝料・親権問題でお困りの方は弁護士事務所に相談を

今回は、離婚届を提出する前に夫婦で話し合うべきこと、離婚届の書き方や提出方法などについて解説しました。
もし、この記事を読んでも問題が解決できず、夫婦での離婚条件の話し合い自体が困難、話し合っても親権や養育費等について合意できない、などでお困りの方は、弁護士事務所にご相談ください。

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