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被害事故で胸郭出口症候群と診断された場合に知っておくべき後遺障害と賠償金

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胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)の後遺症は、後遺障害12級13号もしくは後遺障害14級9号に認定される可能性があります。

もっとも、胸郭出口症候群の後遺症は必ず後遺障害として認定されるわけではありません。認定されない場合には後遺症があっても後遺障害慰謝料を請求することは難しいといえるでしょう。

交通事故で胸郭出口症候群について後遺障害認定を申請する前に、胸郭出口症候群が後遺障害認定される条件や後遺障害認定の申請方法について知っておきましょう。

後遺傷害として認定されるためには、後遺障害として認定される条件や申請方法について被害者自身が知っておくことが大事といえるでしょう。

この記事では、次のことについて弁護士がくわしく解説します。

  • 胸郭出口症候群の症状・診断方法
  • 胸郭出口症候群と後遺障害認定
  • 胸郭出口症候群と後遺障害慰謝料の相場
この記事の監修弁護士
弁護士 岡﨑 淳

早稲田大学、及び明治大学法科大学院卒。2012年弁護士登録。アディーレ法律事務所に入所して以来、佐世保支店長、丸の内支店長、北千住支店長を経て、2022年より交通部門の統括者。交通事故の被害を受けてお悩みの方々に寄り添い、真摯な対応を貫くことをモットーに、日々ご依頼者様のため奮闘している。第一東京弁護士会所属。

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胸郭出口症候群とは

胸郭出口症候群とは、首と胸の間を通る血管や神経が圧迫されたり、引っ張られたりすることにより起こる血流障害や神経障害のことをいいます。

首や胸の間(胸郭出口)には、肩や腕、手などの運動や感覚にかかわる血管や神経(脳と腕・手をつなぐ血管と神経)があるため、これらの血管や神経が圧迫されることにより、肩や腕、手などに症状があらわれることになります。

(1)胸郭出口症候群の症状

胸郭出口症候群の症状としては、次のような症状が挙げられます。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 肩・腕・手の痺れや痛み
  • 握力の低下
  • 顔面や腕の蒼白や肩や腕・手の冷感
  • 顔面の発汗異常
  • 嘔吐  など

(2)胸郭出口症候群の治療法

胸郭出口症候群の治療法としては、主に保存療法が中心となります。
例えば、姿勢や体質の改善を行います。具体的には、猫背や重い荷物の持ち運び等の禁止、ストレッチなどです。
胸郭出口症候群は、保存療法が主になるため、治療期間が長期化する傾向があります。

もっとも、症状によっては、手術を行うこともあります。肋骨や筋肉の腱を切除し、神経への圧迫の軽減を図ります。

(3)胸郭出口症候群の診断方法

胸郭出口症候群は、MRIやレントゲン検査に加え、次の4つの身体検査を行うことが重要とされています。

検査名検査の内容
ライトテスト肘より上に両手を上げた状態で、橈骨静脈の脈が弱くなるかどうかをみる
モーレテスト鎖骨のくぼみ部分を指で圧迫し、痛みやしびれが生じるかどうかをみる
エデンテスト胸を張った上で両肩を後下方に引っ張った状態で、脈が弱くなるかどうかをみる
アドソンテスト痛みや痺れがある方向に顔を向けた上で首を反った状態で、深呼吸を行い橈骨動脈の脈が弱くなるかどうかをみる

胸郭出口症候群は後遺障害認定される?

胸郭出口症候群を理由に神経症状(痛みや痺れ)が残り、さらに後遺症が残ってしまうケースがあります。この場合、後遺症が残ったことについてさらに慰謝料などの賠償金を受け取るためには、後遺障害等級の認定が必要となります。

ここでは、胸郭出口症候群の後遺障害等級の認定について説明します。

(1)認定される可能性がある後遺障害等級

「後遺障害」とは、交通事故で負った後遺症のうち、自賠責保険の基準に基づき、障害を認定されたものをいいます。

そして、後遺障害は1~14級(および要介護1級・2級)の等級に分かれており、1級の症状が最も重く、症状が軽くなるに従って2級、3級……と等級が下がっていきます。

参考:後遺障害等級表|国土交通省

胸郭出口症候群が後遺症として残った場合に認定される可能性のある後遺障害等級は12級13号と14級9号です。12級13号と14級9号の違いは次のとおりです。

後遺障害等級症状
後遺障害12級13号局部に頑固な神経症状を残すもの
⇒他覚的所見が認められる神経症状(痛みやしびれなど)のこと
(レントゲン検査やMRI検査などによって客観的に認識できる神経症状)
後遺障害14級9号局部に神経症状を残すもの
⇒他覚的所見は認められないものの、受傷時の態様や治療の経過からその痛みや痺れといった訴えが医学的に一応の説明がつく神経症状

後遺障害14級9号について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

後遺障害14級9号とは?認定されるための4つのポイントと慰謝料の相場

(2)後遺障害認定に必要な手続

後遺障害等級の申請には「事前認定」と被害者請求の2つの方法があり、2つの方法の違いについてまとめると次のようになります(どちらの方法によるかは自分で選ぶことができます)。

後遺傷害等級認定に不安がある場合には、資料をきちんとチェックできる被害者請求によるべきでしょう。後遺障害等級に認定されるか否か、より上位の後遺障害等級に認定されるか否かは、後遺症に関する慰謝料や賠償金を決めるさいに、大きな影響を与え、金額が大きく変わってしまいます。

後遺障害認定の手続きについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

交通事故の被害者請求とは?必要書類と申請の手順を分かりやすく解説

(3)胸郭出口症候群について後遺障害認定されるのは難しい

胸郭出口症候群は、一般的に後遺障害認定されることが難しいとされる症状の一つです。

そもそも、胸郭出口症候群は、交通事故以外にもなで肩の方や肉体労働に従事している方にも発症しやすい傾向にあります。そのため、胸郭出口症候群が交通事故を理由に生じたものであることを証明することが難しいケースがあります。

さいたま地裁判決平成20年3月28日では胸郭出口症候群を後遺障害12級13号と認定している一方で、横浜地裁横須賀支部判決平成28年3月25日では後遺障害認定は否定されています。

後遺障害認定される可能性を高めるためには弁護士への相談がおすすめです。
弁護士などの専門家に相談しながら手続きを進めることで、後遺障害等級認定に向けたアドバイスを受けることができ、そのことで後遺障害等級認定される可能性を高めることができます。

胸郭出口症候群で受け取れる後遺障害慰謝料の相場

後遺障害慰謝料とは、交通事故で受けたケガが完治せず、後遺障害が残った場合に請求できる慰謝料をいいます(後遺障害が残っていない場合には請求できません)。

後遺障害慰謝料の相場(目安)はどの算定基準を使うかによって金額が変わってきます。

交通事故の慰謝料を決める際の基準には、「自賠責の基準」「任意保険の基準」「弁護士の基準」の3種類があります。

算定基準内容
自賠責の基準自動車損害賠償保障法(自賠法)で定められた、必要最低限の賠償基準
任意保険の基準各保険会社が独自に定めた賠償基準。非公開とされている。
弁護士の基準弁護士が加害者との示談交渉や裁判で用いる賠償基準(「裁判所基準」ともいいます)

これらの算定基準による相場(目安)を比べると、一般的に次のようになります。

(※)ただし、自賠責保険金額は、交通事故の70%未満の過失については減額対象にしませんので、被害者側の過失が大きい場合には、自賠責の基準がもっとも高額となることもあります。

実際に、後遺障害慰謝料の目安について、自賠責の基準と弁護士の基準を比較すると次のようになります(2020年4月1日以降に起きた事故の場合)。

自賠責の基準弁護士の基準
12級13号94万円290万円
14級9号32万円110万円

この表からもわかりますように、慰謝料の相場は弁護士の基準の方が高くなりやすいといえます。
適正な慰謝料を受け取るためには弁護士の基準での算定をおすすめします。

弁護士の基準を使うには弁護士への依頼がおすすめです。
被害者本人が加害者側の保険会社と示談交渉すると、加害者側の保険会社は自賠責の基準や任意保険の基準による低い慰謝料額を提示してくるのが通常です。これに対し、弁護士が被害者本人に代わって示談交渉や裁判を行う場合は、通常賠償金が最も高額となる弁護士の基準を利用しますので、弁護士の基準に近づけた金額での示談が期待できます。

交通事故は弁護士に依頼しないと損?弁護士への依頼でもらえる示談金が増える可能性も

胸郭出口症候群の被害者が賠償金約360万円を獲得した事例

【被害者】
Mさん(仮名・男性・37歳・会社員)
傷病名:外傷性頸部症候群・胸郭出口症候群
後遺障害:14級9号
【交通事故の概要】
Mさんは、乗用車を運転中、後方から前方不注意の乗用車に衝突されてしまいました。この事故により、Mさんは外傷性頸部症候群、胸郭出口症候群と診断され、治療を余儀なくされました。

Mさんは、治療開始から約10ヶ月が経過したころ、ようやく症状固定を迎えました。
しかし、残念なことに、クビの痛みや右腕のしびれなどの症状が残ってしまいました。
そこで、これらの症状について後遺障害の等級認定申請を行ったところ、後遺障害等級14級9号が認定されました。

後遺障害等級認定後、加害者側の保険会社から示談金額の提示がありました。
しかし、Mさんは、この金額が妥当なものなのかわからず、このまま示談してしまうことに不安を抱き、弁護士への相談を決めました。

弁護士は、提示された金額は全体的に低額で、弁護士が交渉することで増額できる可能性があることを説明し、弁護士からの説明を聞いたMさんは弁護士への依頼を決めました。

Mさんから依頼を受けた弁護士は、保険会社との示談交渉を始めました。

まず後遺症の逸失利益を認めるべきだと主張した結果、80万円の逸失利益を認めさせることに成功しました。
また、入通院慰謝料、後遺症慰謝料について増額交渉を行った結果、弁護士の基準(裁判をしたならば認められる基準)の90%を認めさせることに成功しました。
最終的に初回提示額から約124万円増額し、賠償金額約360万円で示談が成立しました。

【まとめ】胸郭出口症候群は12級13号、14級9号に認定される可能性があり!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 胸郭出口症候群とは、首と胸の間を通る血管や神経が圧迫されたり、引っ張られたりすることにより起こる血流障害や神経障害のこと。

  • 胸郭出口症候群で後遺症が残った場合に認定される可能性のある後遺障害等級
    • 後遺障害12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)
    • 後遺障害14級9号(局部に神経症状を残すもの)
  • 胸郭出口症候群で後遺障害認定された場合の後遺障害慰謝料の相場(弁護士の基準)
    • 12級13号 290万円(自賠責の基準の場合94万円)
    • 14級9号 110万円(自賠責の基準の場合32万円)
  • 胸郭出口症候群について後遺障害認定を受けられるか不安がある方は、被害者請求によって後遺障害認定を行うことがおすすめです。
    被害者請求の場合、被害者が主体となって資料を集める必要がありますが、弁護士へ依頼することで弁護士からのアドバイスを受けながら後遺障害認定の準備を進めることが可能です。

交通事故の賠償金請求は弁護士への相談がおすすめです。
弁護士などの専門家に相談しながら手続きを進めることで、後遺障害等級認定に向けたアドバイスを受けることができ、そのことで後遺障害等級認定される可能性を高めることができます。

アディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。
弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各法律事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年6月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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