内部告発とは?リスクや告発者を守る「公益通報者保護制度」を解説

  • 作成日

    作成日

    2023/12/18

  • 更新日

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    2023/12/18

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目次

内部告発とは?リスクや告発者を守る「公益通報者保護制度」を解説
内部告発をすることは、とても勇気のいることです。

しかし、内部告発をしたことに対し、降格や退職強要などの報復が行われることがあるのも事実です。
そこで、公益通報者保護制度では、内部告発の内、一定の「公益通報」について、通報者を解雇しても無効であることが定められています。また、一定の公益通報の通報者に不利益な取扱いをすることを禁止しています。

内部告発や公益通報者保護制度について、弁護士が解説します。

内部告発とは?

内部告発とは、他の従業員や経営陣、企業が行なっている法令違反などの不正を、組織内部の人間が上司や外部の監督庁、報道機関などに通報することをいいます。

なお、内部告発は法律用語ではなく、定義は研究者によって異なります。

内部告発されやすい対象と具体例

内部告発で多いのは、以下のような違法行為や不正です。
  • リコール隠し
  • 食品偽装
  • 品質データ改ざん
  • 資格や免許の不正取得
  • 残業代未払いなどの労働問題

内部告発のリスク

内部告発を行なうと、不正を主導する上司や経営者、組織により、批判されたり降格されたりするなどの不利益が生じることがあります。

例えば、以下のような不利益が告発者側に生じることがあります。

(1)報復人事

内部告発への仕返しとして、報復人事が行われるケースがあります。

報復人事は、一般的に人事権を持つ担当者や上司などが、対象者の行為で不利益が生じたと感じた場合に、「報復目的で、配置転換などの異動や降格などを命じること」をいいます。懲罰人事とも呼ばれ、パワーハラスメントの一種にあたることもあります。

場合によっては、建前としては昇進という形で、現在の業務とは全く関係のない部署に異動させられることもあります。

(2)解雇

内部告発への仕返しとして、解雇という形で告発者を会社から排除しようとするケースもあります。

しかし、会社は自由に労働者を解雇できません。不当解雇は違法であるため、正当な解雇理由が必要です。
そのため、当該従業員に内部告発以外の問題がない場合、会社側は解雇にできないため、報復人事を通して自主退職へと追い込むパワハラなどが行なわれることもあります。

また、違法になる程度の退職強要がおこなわれるケースもあります。

(3)人間関係の悪化

内部告発した事実の発覚によって、同じ部署や経営幹部などから「あの従業員は情報を売るから気をつけろ」といった噂を流され、社内での人間関係が悪くなる可能性もあります。

内部告発者と公益通報者保護制度

企業や社会の公益のために通報を行う内部告発者が、不利益な取扱いを受けないよう、通報者を保護する公益通報者保護制度の実効性を高める取組みが行なわれています。

この制度で保護されるのは内部告発の内、「公益通報」というものです。内部告発と公益通報には、いくつかの違いがあります。

これから行う内部告発が、公益通報保護制度の対象になるのか、ポイントをしっかりと確認した上で手続を進めとよいでしょう。
労務提供先
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この記事の監修弁護士

中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。

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