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養育費の相談先とは?悩み別の相談窓口を5つ紹介

作成日:更新日:
kiriu_sakura

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「養育費についてどこかに相談したくてもどこに相談すればわからない」

このようなお悩みはないでしょうか?

養育費の相談先は、公的機関や弁護士など複数ありますが、あなたが養育費に関してどのような悩みを持っているかで、適切な相談先が変わってきます。
この記事を読むことで、あなたの悩みに対して適切な相談先を知ることできます。

この記事を読んでわかること
  • 養育費の相談窓口
  • 弁護士に相談すべきケース
  • 養育費について知っておくべき基本的な知識
  • 養育費についてのよくある質問
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

養育費の5つの相談窓口

養育費について相談したいときは、次の5つの窓口で相談をすることができます。

【養育費の相談窓口】

  1. 養育費等相談支援センター
  2. 母子家庭等就業・自立支援センター
  3. NPO法人
  4. 弁護士
  5. 法テラス

それぞれの窓口でどういったことが相談できるのかについてご説明します。

(1)養育費等相談支援センター

養育費等相談センターとは、厚生労働省の委託事業として行われている事業で、各地方自治体に相談員が配置され、養育費や面会交流について、電話やメールでの相談を受け付けています。

養育費や面会交流について基本的なことや取り決めの方法などの手続について無料で相談にのってくれますが、法律相談をすることはできません。

「養育費について何をすべきかわからない」、「養育費の相場を知りたい」、「学費もいれられるのかを知りたい」など養育費の基本を知りたいといった方は相談してみましょう。

【具体例】

相談できること(〇)相談できないこと(×)
・養育費を取り決めるまでの流れを知りたい
・養育費の相場を知りたい
・養育費の金額の決め方を知りたい
・養育費の支払い方を知りたい など
・養育費の未払い分を請求してほしい
・養育費を増額してほしい
・相手が養育費を支払えないと言ってきたから代わりに交渉してほしい⇒この相談の場合には、弁護士への相談をすすめられることが多いでしょう。
参考:養育費等相談支援センター(公益社団法人家庭問題情報センター)|厚生労働省 委託事業

(2)母子家庭等就業・自立支援センター

厚生労働省では、母子家庭の母や父子家庭の父の自立支援のために様々な施策を実施しており、この施策の一つとして行われているのが「母子家庭・自立支援センター事業」です。

ここでは、就業相談や就業支援サービスの提供を行うとともに、養育費の取り決めなどの専門的な相談を無料で行っています。

養育費等支援センターと同じく、養育費の基本から教えてほしいといった方の相談がおすすめです。

養育費のほか就業についても相談したいという方は、一度併せて相談してみてもよいかもしれません。

参考:母子家庭等就業・自立支援センター事業について|厚生労働省

(3)NPO法人

養育費を含む離婚問題や就業問題などで悩む方を支援するNPO法人もあります。

ここでも養育費の基本や取り決める流れなどが相談できることが多いですので、養育費の基本から教えてほしいといった方の相談先としておすすめです。

(4)弁護士

弁護士は、養育費についての法律的な相談をすることができます。

弁護士に相談して、法的なアドバイスをもらったり、実際に養育費の請求の代理を依頼したりすることもできます。

弁護士費用等は、弁護士によって異なります。

(5)法テラス

各都道府県には、国が設立した「法テラス(日本司法支援センター)」という機関があります。
法テラスでは、経済的にお困りの方で、相談料の支払いが難しいという場合でも、一定の条件を満たせば無料で法律相談を受けることができます。

また、実際に法テラスを通じて弁護士に依頼したいという場合、一括で弁護士費用を支払う経済的な余裕がない方でも、収入が一定額以下であることなどの一定の条件を満たせば、弁護士費用等の立替制度を利用して、弁護士に依頼することができます(立て替えられた弁護士費用は、基本的には分割で法テラスに支払うことになります)。

一括で弁護士費用を支払えないなど、経済的にお困りの場合には積極的に利用を検討するとよいでしょう。

参考:法テラス 公式ホームページ|日本司法支援センター 法テラス

特に弁護士に相談すべき3つのケース

特に弁護士に相談すべきケースとしては、次のように、すでに起きているトラブルの解決を求めるものです。

「養育費の未払いをなんとかしてほしい」
「養育費を増額してほしい」
「相手からの養育費減額請求に対してどのようにすればよいのか」

これらの悩みを解決するためには、相手との交渉や養育費に関する法律的な知識が必要になります。

例えば、養育費の未払いに対応するためには、可能であれば強制執行などの手段を取る場合があります。
また、養育費の減額請求や増額請求には、家庭裁判所での調停や審判の手続きをとらなければならない場合もあります。
このような裁判所を利用する手続きを自分ひとりで行うのはなかなか大変です。

弁護士に相談・依頼することで、養育費の請求手続を任せられるだけでなく、相手からの主張や反論があった場合でも法律的な知識に基づき冷静に対処することができるため、あなた一人で手続きをするよりもスムーズな解決が期待できます。

また、弁護士があなたの代わりに交渉したり書面のやりとりをしたりしますので、精神的ストレスの軽減が期待できます。

特に弁護士に相談すべき3つのパターンに当てはまらない場合でも、気軽に弁護士へご相談ください。弁護士であれば、養育費以外でも、面会交流など様々な法律問題についても相談することができます。

養育費について知っておくべき基本的な知識

ここでは、養育費について知っておくべき基本的な知識についてまとめています。

相談前に基本的な知識を知っておくことで、限りある相談時間をより有効に使えるようになるでしょう。

(1)養育費とは

「養育費」とは、親が離婚後に子どもを育てていくために必要な費用のことをいいます。

離婚して離れて暮らすことになっても、親子であることには変わりありませんので、親は子の養育費を支払わなければなりません。

(2)養育費は子どもが成人するまでが基本

養育費は、原則、「未成熟子」の養育に関する費用であると考えられており、子が「未成熟子」である期間はもらうことができると考えられています。

「未成熟子でなくなる」とは、必ずしも成人(※)になるということとイコールではなく、経済的・社会的に自立して生活できるかどうかという点がポイントになります。

養育費の話し合いにおいて、通常、未成熟子でなくなる時点を特定しますが、特定しない場合、基本的に成人する時点と考えられます。

しかし、大学進学率も高くなっていることから、養育費の終期については、「22歳に達した後の3月まで」(一般的に大学卒業時の歳)などといった形で、具体的に特定することが望ましいと考えられます。

※民法改正のため、2022年4月1日より、成人(成年)年齢は20歳から18歳に引き下げられました。ただし、子どもが「20歳」になるまで養育費を受け取る旨の取決めをしている場合は、子どもが20歳になるまで養育費を受け取ることができます。
同様に、改正法施行前に、子どもが「成人」になるまで養育費を受け取る旨の取決めをしていた場合、当時の成人は20歳を想定していたでしょうから、改正後も引き続き、子どもが20歳になるまで養育費を受け取ることができると考えられます。

(3)養育費の金額の決め方

養育費の金額は自由に決めることができるのが原則です。

ただし、話し合いがまとまらない場合などに行う家庭裁判所での調停や審判では、基本的に「養育費算定表」を基準に養育費を算定しています。

養育費算定表では、子どもの人数や年齢、支払う側と支払われる側の収入などを考慮して養育費の相場(目安額)が定められています。

例えば、子ども(0~14歳)が1人の場合には次のように定められています。

参考:養育費算定表|裁判所 – Courts in Japan

養育費の内訳について詳しくはこちらをご覧ください。

離婚時に取り決めるべき養育費の内訳は?養育費算定表の仕組みも解説

(4)養育費を取り決める流れ(離婚後にも取り決め可能)

養育費の取り決めは、一般的にまずは話し合いで取り決めます。
離婚する際に養育費について取り決めをしていなくても離婚後に話し合って取り決めることができます。

話し合いが難しい場合や、話し合いが決裂した場合には、家庭裁判所での養育費請求調停や審判で決めることになります。

養育費請求調停では、調停委員や裁判官を介して話し合うことになります。

当事者だけで話し合うよりも、第三者が入ることで冷静になり、話合いもまとまりやすくなります。

養育費請求調停でも話合いがまとまらなかった場合には審判手続となり、裁判官が審判(判断)することになります。

なお、養育費請求調停を申立てる場合には、収入印紙1200円(子ども1人につき)と連絡用の郵便切手、収入に関する資料などが必要となります。申立てに必要な郵便切手の種類や金額については家庭裁判所ごとに異なりますので、申立てる予定の家庭裁判所に確認してください。

参考:養育費請求調停|裁判所 – Courts in Japan

なお、離婚する際に養育費を取り決めた場合であっても、親子をとりまく環境・事情の変化次第では、養育費の増額請求や減額請求が認められる可能性があります。

養育費増額について詳しくはこちらをご覧ください。

養育費の増額が認められやすいケースと増額のための手続きを解説

(5)養育費が未払いの場合の対処法

養育費を取り決めたにもかかわらず、養育費が支払われないという事態が発生することもあります。

この場合には、どのような方法で取り決めを行ったかによって対処法が変わってきます。

例えば、次のようなケースでは、養育費の未払いに対し強制執行手続(財産や給与の差押えるための手続き)を行うことができます。

【強制執行手続を行うことができるケース】

  • 養育費について話し合いで取り決めを行い、「公正証書(強制執行認諾文言付き)」を作成した
  • 養育費について調停で取り決めを行い、「調停調書」がある
  • 養育費について審判で取り決めを行い、「審判書」がある
  • 離婚裁判の中で養育費についても請求しており、「判決書」もしくは「和解調書」がある

「公正証書(強制執行認諾文言付き)」「調停調書」「審判書」「判決書」「和解調書」などは、『債務名義』といって、強制執行を行うのに必要な書類になります。

以前は、強制執行するためには、未払いで苦しむ側が相手方の財産を調べて特定する必要があり、特定できない場合には強制執行することができないという事態が生じていました。

例えば、相手が勤務先を変えたり、銀行口座を変更したりすると、調査をしても勤務先や銀行口座(銀行名及び支店名)を特定できないケースもあり、泣き寝入りを余儀なくされていたのです。

しかし、2020年4月1日に施行された民事執行法改正により、調査によっても相手方の財産を特定できない場合には、裁判所の「第三者からの情報取得手続」という制度を利用することで、相手の勤務先や、銀行口座を把握しやすくなりました。

この改正民事執行法により、法制度上、以前より養育費の回収がしやすくなりましたので、養育費受給世帯の増加につながることが期待されています。

養育費が支払われていない場合の対処法について詳しくはこちらをご覧ください。

養育費についてのよくある質問

ここで、養育費についてのよくある質問について簡単にまとめています。

Q1 養育費の取り決めをしましたが、養育費の未払い期間が長いです。過去の分をまとめて請求することはできるでしょうか。

A1 養育費を請求することのできる権利は、一定期間放っておくと、請求できなくなってしまいます。このような法律上のきまりを、消滅時効といいます。

養育費の取り決めの方法によって、消滅時効にかかる期間が異なります。

  • 離婚協議書や公正証書で合意した場合 支払期日から5年(民法166条1項1号)
  • 判決、調停・審判調書による場合 支払期日から10年(民法169条1項)

消滅時効期間を過ぎてしまっても、請求すること自体は不可能ではありません。
相手方が自主的に支払うと約束したり、実際に支払ったりすれば、養育費を請求し受領することができます。

しかし、相手方から「消滅時効にかかっているから払わない、時効を援用する」と反論されてしまうと、それ以上請求することはできません。

なお、養育費の取り決めをしていない場合は、実務上、過去の養育費について遡って請求することが認められないことが多いので、注意が必要です。

Q2 「生活に余裕がなく支払えない」と言われました。この場合には請求できないのでしょうか?

A2 養育費を支払う側である親の生活に余裕がない場合でも養育費の支払いを拒むことはできません。

養育費は、親の「生活が苦しいから払えない」という理由で支払義務を免れるものではなく、自分の生活水準を落としてでも払う必要があるお金だからです。

ただし、相手方がどうしても養育費の支払いを拒む場合には、これまで説明した「強制執行手続」を検討してみましょう。

「養育費が払えない」と言われた時の対処法について詳しくはこちらをご覧ください。

【弁護士が解説】借金を理由に「養育費が支払えない」と言われたときの対処法

Q3 「子どもと会わせてくれないのであれば、養育費は支払いたくない」といっています。この場合は、子どもと会わせないといけないのでしょうか。

A3 養育費の支払い義務は親として負うものであり、子どもに会えることに対する対価ではありません。したがって、子どもと面会していなかったとしても、養育費を支払う義務があります。
しかし、もしあなたに「子どもを別れた夫(妻)と会わせたくない」という気持ちがあったとしても、面会交流は子どもの権利でもあるため、子の福祉を優先して面会交流を認めてあげることが原則になります(面会交流を認めることが子の福祉に反するなどの例外的事情がある場合を除き、面会交流を拒否することは難しいでしょう)。

定期的、継続的に面会交流を行うことが、親としての自覚を強めることにもなります。親としての自覚により、進んで養育費を払うことへ繋がることも期待できるかもしれません。

参考:面会交流について|裁判所 – Court in Japan

取り決めておきたい条件などについて詳しくはこちらをご覧ください。

【まとめ】養育費の相談窓口は公的機関や弁護士など|相談内容に応じて選択を!

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 養育費の相談窓口
    1. 養育費等相談支援センター
    2. 母子家庭等就業・自立支援センター
    3. NPO法人
    4. 弁護士
    5. 法テラス
  • 養育費の取り決めを行う場合は話し合いを行うのが原則
  • 話合いが難しい場合や決裂した場合には、家庭裁判所での調停や審判といった手続きを利用することもある
  • 養育費の未払いについては、債務名義がある場合には強制執行を行うことができる

離婚後に養育費でお困りになった場合でも、「離婚した相手と関わりたくない」といった理由から相手に働きかけることを諦めてしまうケースも多くあります。

しかし、あなただけが子どもの生活費や教育費を負担するのは不公平です。
子どものためにも、きちんと養育費を請求することをご検討ください。

養育費についてお悩みの方は、養育費について取り扱っている弁護士に相談してみることをおすすめします。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年4月時点。拠点数は、弁護士法人アディーレ法律事務所と弁護士法人AdIre法律事務所の合計です。

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