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離婚したら家族で飼っていたペットは誰が引き取るのか

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愛情もってペットを飼っている飼い主さんたちにとっては「ペットは家族同然」です。
そのため、ペットを夫婦で飼っていた場合、離婚の際にはどちらがペットを引き取るかで激しい対立が起きることもあります。

ペットのいる夫婦が離婚するとき、ペットは夫婦のどちらが引き取ることになるのでしょうか。
また、引き取り手の決め方に関する判断基準はあるのでしょうか。

離婚の際のペットの法律上の取り扱いについて、見てみましょう。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

離婚の際、原則ではペットは財産分与の対象になる

「ペットは我が子同然」。
そう思っていたとしても、ペットは子どもと違い「親権」の対象にはなりません。

ペットは法律上、物(動産)の扱いになっています。
そのため、ペットの引き取り手を決めるときには、金銭や不動産と同じく「財産分与」の対象として、どちらが所有権を持つかを話し合うことになります。

「財産分与」とは、離婚にあたり、夫婦で築いた財産を精算・分配することです。
離婚の際には相手方に対し、財産の分与を請求することができます(民法768条1項)。

夫婦の財産には、分与を請求できる財産と、できない財産があります。
ペットはどの位置づけになるのか、以下解説します。

(1)結婚後に飼い始めたペット

財産分与の対象となるのは、夫婦の財産のうち「共有財産」とされるものです。
婚姻中に夫婦が協力して形成・維持された財産であれば、「共有財産」として財産分与の対象となります。

通常の「物」と同様に、結婚後に飼い始めたペットは婚姻期間に築いた財産として夫婦の共有財産となります。
この際に、どちらがペットを購入するときに費用を負担したか、日頃のペット用品やエサ代を負担していたかといった事情は影響しません。

財産分与で実際にどのくらいの割合で財産を分けるかについては財産を築き上げた貢献度に応じて決まりますが、一般的には夫婦各々2分の1が原則です。
しかし、ペットは土地や建物などと同様、分けられない財産である点が厄介です。

不動産など、分けられない財産を平等に分配する方法は主に2つあります。
1つ目は財産を売却し、換金して売却益を分配する方法で、2つ目は一方が財産をそのままの形で引き取り、他方に同等の金銭やその他の財産を補てんする方法です。

ペットの場合は、売却価値はほとんどありません。
ですから、ペットを財産分与の対象とするには、2つ目の方法が取られるのが一般的です。

自分がペットを引き取る場合には、ペットを失う相手の精神面にも配慮し、一定のまとまった財産を渡すことで折り合いをつけたり、その他の条件を設けて引き取るなど、いろいろ工夫が必要になってきます。

(2)結婚前から飼っていたペット

夫婦それぞれの個人的な財産である場合には「特有財産」とされ、財産分与の対象とはなりません。

結婚前に飼っていたペットは「夫婦の一方が婚姻前から有する財産(民法762条1項 )」ですから、もともと飼っていた方の特有財産となります。
ですから、原則として結婚前から飼っていた方がペットを引き取ることになるのです。

離婚時のペットの所有権の判断方法

財産分与は夫婦の問題ですから、ペットのことも夫婦間で自由に決められます。

しかし、ペットをどちらも引き取りを希望しゆずらない場合、財産分与の問題のひとつとして調停で話し合うことになり、最終的には裁判で争うことになります。

共有財産であるペットの場合、単なる動産というよりも生き物を引き取るということに配慮された上、さまざまな事情を考慮して引き取り親が判断されます。
引き取り側を決定する基準としては、具体的に次のような項目がポイントになります。

(1)離婚までにペットの世話をしてきたか

婚姻中、ペットの世話をメインで行ってきた方が引き取るべきという判断に傾きやすくなります。
日頃世話を行っていた飼い主であれば、今後もペットの世話を怠らないという信頼ができるためです。

(2)なつき度合い

ペットがなついている側、ペットが一緒に暮らしたいと思っているであろう側が引き取るべきという判断に傾きます。
よりなついている飼い主と今後も暮らすことがペットの幸せであると考えられているからです。

(3)ペットにとって快適な飼育環境を用意できるか

離婚後の住居がペット可であること、離婚後に一緒に暮らす家族にペットアレルギーがないなど、飼育環境も考慮されることになります。

(4)経済的安定

ペットには健康保険がないので、医療費は全額自己負担になります。
このように、ペットを飼う者の金銭的な責任は大きいものです。

ペットの手術費用が必要になるような場合でも責任をもって世話ができるだけの経済的安定があることが望ましいと判断されます。

離婚後のペットとのかかわり方

ペットは法律上「物」として扱われるので、夫婦間でペットについて取り決めをするにあたり、どちらが引き取るかだけではなく飼育費や面会交流などの条件についても話し合っておくことが大切です。

ペットを手放さざるを得なくなる夫婦の一方についても、例えば面会交流の条件で納得することができれば、話し合いがまとまりやすくなります。

ペットのことも含め、離婚協議での合意内容は公正証書の形で残しておくと良いでしょう。
公正証書は、法務省に属する機関である公証役場で公証人により作成される公文書のことです。
公正証書を作成することにより、二人の間での約束が離婚後に守られる安全性を高められるメリットがあります。
また、公正証書は、公文書として証明力・証拠力を備えた証書となるため、裁判になったときには証拠として用いることができます。
他にも、内容が無効になりづらい、破棄や紛失を防げるといったメリットがあるのです。

この公正証書を作るためには、申し込み時に公正証書を作成することに合意があり、その契約条件もすべて合意ができていることが前提です。
あいまいな状態のまま公証役場に行っても作成できない結果に終わってしまいます。
ですから、公正証書を作る際には、あらかじめ弁護士に依頼し離婚協議書を作成すすのがおすすめです。

ペットについての取り決めは、具体的には以下の内容を盛り込むと良いでしょう。

(1)面会交流権

通常、離婚に際して子どもの親権(監護権)を決める場合には、監護権を有しない方の親に面会交流を認める取り決めを行います。
離婚後に子どもと離れて暮らす親が、子どもに直接会ったり手紙などで間接的に交流する権利です。

ペットの場合はこの権利は法律で保障されていないのですが、離婚後もペットに会いたい場合は夫婦間でルールを決めてそれを契約として締結する必要があります。

(2)飼育費

離婚の際の子どもの養育費と同じように、ペットの飼育費についても一方に請求することができないかという疑問があるかと思います。
しかしペットは法律上「物」として扱われるので、飼育費を養育費のように請求する権利は存在しません。
ですから、飼育費用はペットを引き取った方が責任を持って負担することになります。

しかし、例えばペットを手放す側が「ペットとの面会交流を求める代わりに、飼育費の一部を負担する」といった取り決めをすることも可能です。

(3)引き渡し条件

子どもの場合は子どもの幸せを守るための権利や法的手続きが用意されているのですが、ペットの場合はそのような法律は存在しません。

ですから、例えばペットを引き取った側が飼えない環境になってしまったり、ペットを虐待するといった事情が出て来たとしても、いったんペットを引き渡してしまった場合には、ペットを改めて引き渡すことを請求することはできません。

しかし、離婚する夫婦の双方がペットの幸せを願うのであれば「どのような場合になったら所有権を相手方へ譲るか」などの取り決めを事前に話し合い、内容を取りまとめておくことも検討する意味があるといえます。

【まとめ】離婚後のペットの所有権トラブルは弁護士にご相談ください

愛するペットといえども、ペットは法律上「物」として扱われます。
そのため法律的には離婚の際の子どもの親権の場合と違い、複雑な事情を考慮したような規定は存在しません。

しかし、ペットの幸せを願うのであれば、様々なケースを想定し、細かい取り決めをする意味がありますし、そのための話し合いが必要になってきます。
ペットの「財産分与」は、他の離婚条件も一緒に問題になってくるので、予想外に複雑な話になる可能性が高く、事態が進展しないことも多いものです。

その他の財産を含めて最適な財産分与や各諸条件の契約締結を目指すためにも、離婚後のペットの所有権でお悩みの方は弁護士に相談するのがおすすめです。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。2016年弁護士登録。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。現在、東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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