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B型肝炎ウイルスとは?感染後に発症する疾病とB型肝炎訴訟について

作成日:
yamazaki_sakura

B型肝炎ウイルスとはどのようなものなのでしょうか?どのように感染して、仮に感染してしまった場合、どのような疾病を発症し、どのような症状があらわれるのでしょうか。
B型肝炎ウイルスは、血液や体液を媒介として感染するウイルスです。
また、B型肝炎ウイルスに感染した場合、急性肝炎や、慢性肝炎、肝硬変等の疾病を発症させる危険性があります。

本記事では、B型肝炎ウイルスや、B型肝炎ウイルスに感染した場合に発症する危険性のある疾病等について解説します。

また、あわせて、B型肝炎給付金についても解説します。B型肝炎患者は、B型肝炎給付金の受給対象者である可能性があります。本記事で、B型肝炎に関する知識や給付金についての知識を得ることによって、B型肝炎給付金を受給し損ねたということがないにしましょう。

B型肝炎ウイルス(HBV)とは?

B型肝炎ウイルスとは、肝炎等を発症させるウイルスです。
ここでは、B型肝炎ウイルスの感染経路等について解説します。

(1)B型肝炎ウイルスの感染経路

B型肝炎ウイルスは、血液や体液を媒介として感染するウイルスです。以下のものがB型肝炎ウイルスの感染経路の典型例であるといえます。
B型肝炎ウイルスの感染経路は様々です。以下のようなものが典型的なものといえます。

【集団予防接種等】
B型肝炎ウイルスは血液を媒介として人に感染する危険性のあるウイルスです。
1948年に予防接種法が施行されて以来、1994年に至るまで、予防接種が国民の義務とされ、集団予防接種が行われていましたが、この集団予防接種では、注射器の連続使用が行われていました。

被接種者の中にB型肝炎ウイルス感染者がいた場合、B型肝炎感染者の血液が注射器に付着することになります。そして、その注射器が使い回されてしまうと、この付着したB型肝炎感染者の血液を媒介として、他の被接種者もB型肝炎ウイルスに感染してしまいます。

このようにして、集団予防接種によってB型肝炎ウイルス感染が拡大したといいます。
なお、国が被接種者一人ごとの注射筒の取り替えを指示したのは、1988年1月27日になってからでした。

【母子感染】
B型肝炎ウイルスに感染した母親の産道や胎内で子どもに感染してしまうことを母子感染といいます。
新生児は免疫機能が未熟のため、B型肝炎ウイルスを体内からうまく排除することができず、そのほとんどがB型肝炎ウイルスに持続感染することになります。

【その他の感染経路】
B型肝炎ウイルスは、精液にも含まれます。そのため、B型肝炎ウイルス感染者との性交渉は感染経路となります。
その他、覚せい剤濫用における注射器の連続使用や、入れ墨針の連続使用、輸血も感染経路となります。

また、B型肝炎ウイルスは、汗、涙、唾液、粘液、排泄物にも存在し、これらを媒介として人に感染することがあるとの報告がされており、父子感染などの家族内感染や保育園ななどの集団生活においても感染することがあります。

(2)B型肝炎ウイルスと免疫機能

B型肝炎ウイルスに感染すると、肝臓の細胞にウイルスが入り込み、遺伝子に組み込まれてしまいます。
大人になってからB型肝炎ウイルスに感染した場合、免疫が十分に発達しているため、免疫機能によって短期間のうちにB型肝炎ウイルスは体内から排除され、短期間だけ感染するにとどまります。

これに対して、幼少期にB型肝炎ウイルスに感染した場合、免疫が十分に発達していないため、ウイルスを体内からうまく排除することができずに、長期間に渡って感染したままになってしまいます。この状態をキャリア(持続感染者)といいます。

B型肝炎ウイルスのキャリアかどうかは、血液検査により知ることができます。血液検査の結果として、「HBs抗原陽性」「HBV-DNA陽性」「HBe抗原陽性」がでた場合、B型肝炎ウイルスに感染していることがわかり、6ヶ月以上の期間感染したままであればキャリアということになります。

また、HBc抗体が単に陽性というだけでなく、高力価陽性といって、陽性の中でも数値の高い状態にある場合にも、キャリアということになります。

B型肝炎ウイルスに感染した場合に発症する疾病

B型肝炎ウイルスに感染した場合、どのような疾病を発症するのでしょうか。
ここでは、B型肝炎ウイルスに感染した場合に発症する疾病とその症状等について解説します。

(1)急性肝炎(劇症肝炎)

B型急性肝炎とは、B型肝炎ウイルス感染後、一時的に肝細胞に炎症が発生する疾病です。
急性肝炎を発症すると、B型肝炎ウイルスに感染後、数ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、吐き気、食欲不振、発熱、皮膚や眼球に黄疸があらわれる等の症状が出ることがあります。これらの症状は、数ヶ月以内に回復し、肝機能も正常値へ回復するのが通常です。

急性肝炎はまれに劇症肝炎に発展します。劇症肝炎は急性肝炎が急激に悪化し肝細胞の破壊が進行する疾病です。全身倦怠感や吐き気等の他に、意識障害(肝性脳症)を伴うこともあります。致死率が極めて高い重篤な疾病であり、場合によっては、肝移植が必要になります。

(2)B型慢性肝炎

B型慢性肝炎は、B型肝炎ウイルスの持続感染者のうち約10~20%の方が発症する慢性肝疾患です。
症状としては、食欲不振、悪心、右上腹部痛、上腹部膨満感等がありますが、慢性肝炎患者の大多数は特に症状があらわれません。また、急性肝炎や劇症肝炎と異なり、黄疸が発生することはまれです。
肝炎の慢性化によって、肝細胞の破壊、再生が繰り返された結果、肝臓の繊維化が進み、肝硬変や肝がんへと発展する危険性があります。

(3)肝硬変

B型肝硬変とは、B型慢性肝炎等の進行により、炎症を修復するときに発生する「繊維(コラーゲン)」というたんぱく質が増加して肝臓全体に広がった状態をいいます。
主な症状は、食欲不振、体重減少、疲労感、全身倦怠感、黄疸、腹水等ですが、自覚症状を伴わないことも多くあります。
また、肝硬変は、肝性脳症や食道静脈瘤、肝がん等の重篤な合併症を起こす危険性があります。

(4)肝がん

肝がんとは、肝臓内に発生した悪性新生物をいいます。
肝がんには、肝臓内の肝細胞にがんが発生する肝細胞がん、肝臓内の胆管にがんが発生する肝内胆管がんがあります。
原発性肝がん(他の臓器等から転移したがんではないがんのことをいいます)の約90%が肝細胞がんで、約10%が胆管がんです。
肝がん特有の症状というのは少なく、進行した場合は、腹部圧迫感や痛み等の症状が発生することがあります。

B型肝炎ウイルスの持続感染者の場合、慢性肝炎を発症し、これが発展して肝硬変となり、最終的に肝がんとなるという経過をたどる危険性があります。

また、B型肝炎ウイルス自体が肝がんを発症させる因子であり、B型慢性肝炎やB型肝硬変を先行することなく、肝がんを発症することもあります。

B型肝炎給付金について

B型肝炎ウイルスに持続感染した方については、所定の要件を満たすことによって、B型肝炎給付金を受給することができる可能性があります。
ここでは、B型肝炎給付金について解説します。

(1)B型肝炎給付金とは?

B型肝炎訴訟とは、幼少期に受けた集団予防接種等における注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染した方等が、その賠償を国に求める訴訟をいいます。

幼少期に受けた集団予防接種等における注射器の連続使用によってB型肝炎ウイルスに感染してしまった被害者5名が、1989年、国に対してその賠償を求める訴訟を提起し、2006年の最高裁判決により、国の責任が裁判所に認められることとなりました。

その後、2008年3月以降、同様の状況にある被害者700名以上による集団訴訟が提起され、2011年6月に国と全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団との間で救済の要件や金額等について定めた「基本合意書」が締結されました。

そして、2012年1月13日に、国との間で裁判上の和解が成立すれば、被害者等に対して給付金等を支給することを内容とした「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」(以下、「特措法」といいます。)が施行されるに至りました。

B型肝炎給付金とは、この特措法に基づき、国との間で裁判上の和解を成立させた原告が、社会保険診療報酬支払基金に請求することで受給することができる給付金をいいます。

B型肝炎訴訟で受け取ることができる給付金の額は、

  • 病態の種類
  • 20年の除斥期間等の経過の有無

によって異なります。

なお、除斥期間等の起算点は、無症候性キャリアの方についてはB型肝炎ウイルスに感染したときから20年、それ以外の方については対象となる病態を発症したときから20年です。

死亡・肝がん・肝硬変(重度)除斥期間等が経過していない方3600万円
除斥期間等が経過している方900万円
肝硬変(軽度)除斥期間等が経過していない方2500万円
除斥期間等が経過している方のうち、現に治療を受けている方等600万円
除斥期間等が経過している方で、上記以外の方300万円
慢性肝炎除斥期間等が経過していない方1250万円
除斥期間等が経過していない方で、現に治療を受けている方等300万円
除斥期間等が経過していない方で、上記以外の方150万円
無症候性キャリア除斥期間等が経過していない方600万円
除斥期間等が経過している方50万円 + 定期検査費の支給等の政策対応

なお、B型肝炎給付金について、弁護士に依頼された場合、上記の表の給付金額とは別に、給付金の4%が訴訟手当金として給付されます。

(2)B型肝炎給付金の受給対象者

B型肝炎訴訟給付金の受給することができる人は、満7歳となる誕生日の前日までの間で、かつ、1948年7月1日~1988年1月27日までの間に、集団予防接種等を受け、これによって、B型肝炎ウイルスに持続感染してしまった方(このような方を「一次感染者」といいます)です。

また、一次感染者から母子感染又は父子感染し、持続感染に至った二次感染者も対象になります。さらに、二次感染者から母子感染又は父子感染し、持続感染に至った三次感染者も対象になり得ます。

(2-1)一次感染者の要件

一次感染者としてB型肝炎給付金を受給するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • B型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 満7歳となる誕生日の前日までに集団予防接種等※を受けていること
  • 集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと
  • 母子感染でないこと
  • その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

※「集団予防接種等」とは、集団接種の方法で実施された予防接種およびツベルクリン反応検査を指します
B型肝炎訴訟では、上記の要件を満たしていることを証明するための証拠を提出する必要があります。

(2-2)二次感染者の要件

二次感染者の場合、母子感染と父子感染により要件が異なります。B型肝炎給付金を受給するためには、それぞれについて以下のすべての要件を満たす必要があります。

【母子感染の場合】

  • 母親が一次感染者の要件をすべて満たしていること
  • 二次感染者がB型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 下記アイウのいずれかから、二次感染者の感染原因が母子感染であるといえること

ア:母子のB型肝炎ウイルスの塩基配列が同定されていること
イ:出生直後の時点でB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを明らかにできること
ウ:父子感染等の母子感染以外の感染原因がないこと

【父子感染の場合】

  • 父親が一次感染者の要件をすべて満たしていること
  • 二次感染者がB型肝炎ウイルスに持続感染していること
  • 二次感染者の感染原因が父子感染であるといえること

(3)B型肝炎給付金を受給するまでの大まかな流れ

B型肝炎給付金を受給するまでの大まかな流れは以下のようになります。

(4)B型肝炎訴訟の手続きは弁護士に依頼を

B型肝炎給付金を受給するためには、必要資料を収集することが重要となります。
この資料を自分自身で収集することも不可能ではありませんが、血液検査については検査項目や場合によっては検査方法に指定がありますし、役所や医療機関等の様々な場所に問い合わせをする必要があります。

また、提出するべき資料としてカルテが求められていることとの関係上、カルテの中身をチェックし、他の医療機関への通院歴が見つかった場合には、その医療機関からカルテを開示してもらった上で、再度カルテの中身をチェックするという作業も行わなければなりません。

さらに、他原因による感染を疑わせるような記載がないか等をカルテからチェックする必要もあり、この作業には医学的な専門知識も必要となってきます。カルテの量が相当な量に及ぶ場合もあり、その場合にはカルテチェックに膨大な時間を費やす必要がでてくることも稀ではありません。

以上のように、B型肝炎給付金を受給するため個人で手続きを進めることには、多大な労力を要します。

これに対して、B型肝炎訴訟の経験のある弁護士に依頼すれば、資料集めやそのチェックについて専門のサポートがあり、訴訟提起までが非常にスムーズとなります。
そのため、B型肝炎給付金の受給をお考えの方は、専門の弁護士に手続きの代理を依頼することがよいでしょう。

【まとめ】B型肝炎ウイルスとは、肝臓の感染症を発症させるウイルスであり、感染すると、急性肝炎や慢性肝炎等の疾病を発症させる危険性がある

本記事をまとめると以下のようになります。

  • B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスの感染により発症する肝臓の炎症のことをいう
  • B型肝炎ウイルスは、血液や体液を媒介として感染するウイルスであり、集団予防接種等による注射器の連続使用や母子感染等が感染経路の典型例
  • 免疫機能が未熟な幼少期にB型肝炎ウイルスに感染すると、B型肝炎ウイルスを対外に排出することができず、長期間にわたってB型肝炎ウイルスに感染し続ける状態になる(この状態を持続感染、またはキャリアと呼ぶ)
  • B型肝炎ウイルスに感染すると、急性肝炎や、慢性肝炎、肝硬変等の疾病を発症させる危険性がある
  • B型肝炎給付金とは、幼少期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに持続感染した方等が、国に対してその賠償を請求する訴訟を提起し、その訴訟で国との間で裁判上の和解を成立させることによって受給することができる給付金をいう
  • B型肝炎給付金の給付金額は、最大で3600万円となり、病態の種類や除斥期間等の経過の有無によって金額が異なる。また、弁護士に依頼した場合、給付金とは別に弁護士費用が支給される
  • B型肝炎給付金の支給対象は、一次感染者、二次感染者、三次感染者、およびその法定相続人である
  • B型肝炎給付金を支給する場合のおおまかなプロセスは、『資料収集→国賠訴訟の提起→裁判上の和解の成立→支払基金への請求』となる
  • B型肝炎給付金を受給する上で、資料収集が非常に重要であり、弁護士に頼むと資料収集がスムーズに進む

B型肝炎給付金を受給するためには、裁判に提出するための多くの資料を集める必要がある上、訴状等の専門文書の作成も必要となります。また、期日には出廷の必要もあります。
給付金の受給まで、多大な時間と労力、そして専門知識が必要となります。

アディーレ法律事務所では、訴訟のために必要となる戸籍や医療記録(カルテなど)をご依頼者の代わりに収集し、給付金の受給を全力でサポートいたします。

また、訴状等の専門文書の作成や、期日の出廷の代理についても、もちろん承っております。

アディーレ法律事務所では、B型肝炎に悩まれている方を一人でも多く救いたいという思いから、B型肝炎給付金の受給をお考えの方のご相談を心からお待ちしております。

B型肝炎給付金の受給をお考えの方は、アディーレ法律事務所に是非ともご相談ください。

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