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後遺障害診断書とは?後遺障害診断書を書いてくれない理由と対処法

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kiriu_sakura

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

『後遺障害等級認定を受けたいけれど、医師が「後遺障害診断書」を書いてくれるだろうか?』
そんな悩みをお持ちの方はいらっしゃいますか?
医師は正当な理由がないと、自分が診療した患者からの診断書作成の依頼を断ることはできません。

後遺障害診断書の作成を断る正当な理由というのは、

  • 症状固定に至っていない
  • 治療経過が分からない

などの場合です。
正当な理由もないのに医師が「後遺障害診断書」を書かないのは不当ですので、後遺障害等級認定を受けたいと思っている方は、まずは医師に相談してみましょう。

今回の記事では、

  • 後遺障害診断書の記載内容
  • 医師が後遺障害診断書を書いてくれない理由と対処法
  • 弁護士に依頼するメリット

などについてご説明します。

この記事の監修弁護士
弁護士 中西 博亮

岡山大学、及び岡山大学法科大学院卒。 アディーレ法律事務所では刑事事件、労働事件など様々な分野を担当した後、2020年より交通事故に従事。2023年からは交通部門の統括者として、被害に遭われた方々の立場に寄り添ったより良い解決方法を実現できるよう、日々職務に邁進している。東京弁護士会所属。

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「後遺障害診断書」とは?

「後遺障害診断書」とは、正式には「自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書」と言います。
交通事故でけがをして、症状固定後も後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害等級認定を受ける必要があります。
後遺障害等級認定の申請は、被害者自身が申請する場合(「被害者申請」といいます)と、相手方の任意保険会社を通じて申請する場合があります(「事前認定」といいます)が、いずれにしても、等級認定の申請にあたっては後遺障害診断書の提出が必須となります。
後遺障害等級認定について詳しくはこちらをご覧ください。

症状固定とは?診断時期の目安や後遺障害認定手続を弁護士が解説

後遺障害診断書には決まった書式があり、保険会社から受け取ることができますし、インターネットからダウンロードすることもできます。
後遺障害診断書は症状をよく知る医師に記載してもらう必要があります。
後遺障害診断書について詳しくはこちらをご覧ください。

後遺障害診断書書式について解説!作成方法や手続きに関しても説明

後遺障害診断書は医師免許をもつ医師が記載したもののみが有効ですので、例えば、整骨院の柔道整復師などは記載できません。
後遺障害等級認定は、主にこの診断書をもとに判断されるため、後遺障害等級が認定されるかどうかに直結するとても大事な書類です。

後遺障害診断書の記載内容について

診断書の記載内容は、主に次のとおりです。

後遺障害等級は、重い順に1~14級まであります。

後遺障害等級認定を受けると『後遺障害慰謝料』と『逸失利益』を加害者に請求できるようになります。
この時、認定される後遺障害等級によって、『後遺障害慰謝料』や『逸失利益』の金額は大きく異なりますので、適正な後遺障害等級に認定されることは非常に重要です。
後遺障害慰謝料についてはこちら、逸失利益について詳しくはこちらをご覧ください。

医師は正当な理由がなければ診断書の作成を拒否できない

診断した患者から診断書の作成を求められた場合、医師は正当な理由がなく診断書の作成を断ることはできません。

医師法

第19条2項

診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会った医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。

医師により後遺障害診断書の作成を断られた場合には、なぜ断るのか理由を聞いた上で、その理由が正当なものでなければすぐにあきらめず、作成してもらうように交渉を試みてください。

後遺障害診断書を書いてくれない正当な理由は?

それでは、医師が後遺障害診断書を書いてくれないことについて正当な理由がある場合についてご説明します。

(1)症状固定に至っていない

後遺障害等級認定を申請するには、まず、症状固定に至っていないといけません。
症状固定とは、医学上、一般に認められた治療をしても、それ以上効果が期待できない状態のことです。
医学的な治療を継続すれば、さらに症状が改善される場合には、症状固定とは言えません。

この場合には、焦らず治療を継続し、症状固定に至った後に後遺障害診断書の記載を求めましょう。

(2)治療の経過を把握できていない

後遺障害診断書には、

  • どのような後遺障害があるのか

ということのほかに、

  • どのような治療を受けたかという治療経過
  • 治療を受けた後の症状の変化

などの記載も必要な場合があります。
ですから、治療の途中で転院した場合など、医師が治療経過や症状の変化を把握していないケースでは、後遺障害診断書の作成を断られる可能性があります。

このような場合には、次の対応が必要です。

まだ治療中の方で、仕事などが忙しくてなかなか通院できないという方もいらっしゃるかと思いますが、定期的に通院していないと、いざ後遺障害診断書を書いてもらおうと思っても、医師から後遺障害診断書の記載を断られることがあります。

後々のためにも、定期的に医師に診察してもらい、治療経過と症状の変化が分かるようにしておきましょう。

後遺障害診断書の作成を断る正当な理由のない場合とは?

それでは、後遺障害診断書を書かないことについて正当な理由がない場合についてご説明します。

(1)医師が後遺障害がないと判断している場合

後遺障害等級認定を判断するのは損害料率算出機構や自賠責保険・共済紛争処理機構であって、医師ではありません。
ですから、医師が後遺障害がないと判断して、後遺障害診断書を書かないというのは、正当な理由ではありません。

(2)後遺障害等級認定に関する紛争に巻き込まれたくない場合

通常、後遺障害等級認定を受けると加害者と被害者が損害賠償額について示談をする流れになりますが、話がまとまらずどうしても示談ができない場合、最終的には裁判で解決することになります。

この時、加害者側において後遺障害等級認定が不当であるなどと主張する場合、裁判で医師の意見書の提出が求められたり、医師の証人尋問などが実施される可能性があります。
そこで、このような紛争に巻き込まれることを嫌がり、最初から後遺障害診断書を作成しないという可能性はあります。
ですが、このような理由で後遺障害診断書を作成しないというのは、通常は正当な理由とは言えません。

(3)後遺障害診断書の書き方が分からない場合

後遺障害診断書は、後遺障害などの症状について詳しく書かなければなりません。
ですから、後遺障害診断書を書いたことがない医師などは、作成を断るケースがあります。
ですが、医師が、後遺障害診断書の書き方が分からないという理由はやはり正当な理由にはなりません。
このような場合には、サンプルを持参するなどして対応してもらう必要があります。

弁護士に依頼するメリットについて

医師が後遺障害診断書を書いてくれない場合はもちろん、交通事故の損害賠償に関して、弁護士に依頼するメリットについてご説明します。

(1)後遺障害診断書作成の説得が期待できること

医師に後遺障害診断書の作成を断られた場合、ご自身で医師と交渉するのに気が引けるという方もいらっしゃるかと思います。
医師に後遺障害診断書の作成を断られ、どうしたら良いか分からないという場合には、交通事故分野に詳しい弁護士に相談してみて下さい。

交通事故分野に詳しい弁護士であれば、医師に後遺障害診断書を作成してもらえないというケースについても対応を熟知していますので、医師の説得を期待できます。
また、どうしても医師の後遺障害診断書を作成しないという意思が固ければ、転院するなどの適切な対処方法を教えてもらえます。

(2)適正な後遺障害等級認定にあたり、弁護士によるサポートが期待できる

まだ症状固定に至っていない方や、症状固定に至りこれから後遺障害等級認定の申請をするという方は、適正な後遺障害等級認定にあたって、弁護士によるサポートは非常に重要です。
というのは、後遺障害等級認定は、基本的には書面審査ですので、申請にあたり最も大事なのは『後遺障害診断書』の記載内容です。

医師に『後遺障害診断書』に正確な記載をしてもらうためには、治療中から治療終了までの間、定期的な通院をすること、加えて医師に自覚症状をきちんと伝えることが重要です。
提出前には自覚症状と一致しているかを確認し、違いがあれば医師に相談してみましょう。
後遺障害診断書は、後遺障害認定の審査のために提出した後に修正することはできません。しかし、提出前であれば、書いてもらった後遺障害診断書を書き直してもらうこともできます。

弁護士に依頼した場合には、後遺障害診断書の訂正の必要性の判断や医師への依頼について任せることができます。

(3)最終的に受け取れる賠償金が増額する可能性がある

交通事故の被害にあった場合、加害者が任意保険を契約しているケースでは、加害者側の保険会社と損害賠償について交渉することが多いかと思います。

その場合、まずは保険会社から賠償金の提示があるかと思いますが、保険会社の提示する金額は、それ以上はもう被害者は請求できない、という金額ではありません。
交通事故の損害賠償については、保険会社の基準と弁護士の基準は異なります。
弁護士の基準について詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故慰謝料は弁護士基準(裁判所基準)でいくらになる?増額のコツも紹介

弁護士に示談交渉を依頼した場合、弁護士は、受け取れる金額がもっとも高額になるように、保険会社と交渉します。

他方、弁護士に依頼せずご自身で交渉しても、なかなか弁護士の基準では示談できないことが多いです。
保険会社というのは、交通事故の示談交渉を仕事にしていますので、交渉の相手方としては、とても手強い相手です。
交通事故の示談交渉の経験がなく、妥当な金額が分からないままに保険会社と交渉しても、相手を説得できません。

一方、弁護士は保険会社と同様に交渉のプロです。
保険会社も弁護士相手だと、被害者にとってそこまで不利な条件を提示してくることは少ないですし、専門的知識もありますので、お互いに話もスムーズに進みます。
そのため、弁護士に依頼することで、ご自身で示談をするよりも示談が早く成立しますし、もらえる賠償額が増額する可能性があります。
弁護士に依頼するメリットについて詳しくはこちらをご覧ください。

(4)弁護士に依頼するデメリットについて

弁護士に依頼するデメリットとしては、弁護士費用がかかるという点があります。
ですが、弁護士費用が心配という方は、まず、契約している保険の特約を確認してみてください。
保険によっては、加害者の保険会社との話合いなどを弁護士に依頼した場合にはその費用を負担するという『弁護士費用特約』が付いていることがあります。
ここでポイントとなるのが、「弁護士費用特約」は自身名義で弁護士費用特約に加入していない場合でも、弁護士費用特約を利用できることがある、という点です。

  1. 配偶者
  2. 同居の親族
  3. ご自身が未婚の場合、別居の両親
  4. 被害事故に遭った車両の所有者

のいずれかが任意保険に弁護士費用特約をつけていれば、被害者ご自身も弁護士費用特約の利用が可能であることが通常です。
弁護士費用特約を使っても、保険料や等級は上がりません。
ただし、弁護士費用特約は、基本的に民事事件(損害賠償請求)には使えますが、契約内容によっては刑事事件(刑罰を下すか判断する手続き)には使えない場合があります。

また、自己に重大な過失がある場合、弁護士費用特約が使えない場合があります。このように弁護士費用特約を使うためには様々な条件があり、加入している保険によってその内容も異なります。弁護士費用特約が今回の事件に使えるか、事前に、加入している保険会社に必ず問い合わせしておきましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

弁護士費用特約は保険に入っていない人でも補償範囲になる?利用できるケースを解説

弁護士費用特約にも限度額はありますが、原則として弁護士費用は保険会社が負担しますので、ぜひ、特約を利用して弁護士に依頼することをお勧めします。
また、弁護士費用特約が利用できないとしても、弁護士が交渉することにより、これまでお話したように、示談金額が増額される可能性がありますので、費用を負担してでも依頼するメリットがあることも多いです。

【まとめ】医師は正当な理由なく自己が診断した患者の診断書の作成を断ることが出来ない

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 後遺障害等級認定を受けるためには、医師が作成した「後遺障害診断書」が必要である。
  • 医師は、自己が診察した患者の診断書の作成を正当な理由なく拒否できない。
  • 後遺障害診断書の作成を拒否できる正当な理由には、次のようなものがある。
    • 症状固定に至っていない
    • 治療経過などが分からない
  • 交通事故の被害にあった時、弁護士に依頼すると次のメリットがある
    • 後遺障害診断書の作成を拒否された場合に医師の説得が期待できる
    • 適切な後遺障害認定を受けるにあたりサポートが期待できる
    • 最終的に受領できる賠償金が増額される可能性がある
  • ご加入中の自動車保険や損害保険に「弁護士費用特約」が付いている場合、原則的に弁護士費用は保険会社が負担することになる(一定の限度額、利用条件あり)。

交通事故の被害による賠償金請求をアディーレ法律事務所にご相談・ご依頼いただいた場合、原則として手出しする弁護士費用はありません。

すなわち、弁護士費用特約が利用できない方の場合、相談料0円、着手金0円、報酬は、獲得できた賠償金からいただくという完全成功報酬制です(途中解約の場合など一部例外はあります)。

また、弁護士費用特約を利用する方の場合、基本的に保険会社から弁護士費用が支払われますので、やはりご相談者様・ご依頼者様に手出しいただく弁護士費用は原則ありません。
※なお、法律相談は1名につき10万円程度、その他の弁護士費用は300万円を上限にするケースが多いです。

実際のケースでは、弁護士費用は、この上限内に収まることが多いため、ご相談者様、ご依頼者様は実質無料で弁護士に相談・依頼できることが多いです。弁護士費用が、この上限額を超えた場合の取り扱いについては、各弁護士事務所へご確認ください。

(以上につき、2022年6月時点)

交通事故の被害にあって賠償金請求のことでお悩みの場合は、交通事故の賠償金請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。

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