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養育費なしで協議離婚してしまった!あとから請求できるか詳しく解説

作成日:更新日:
kiriu_sakura

※この記事は、一般的な法律知識の理解を深めていただくためのものです。アディーレ法律事務所では、具体的なご事情によってはご相談を承れない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

養育費の取り決めをせずに協議離婚してしまい後悔していませんか?

協議離婚にかぎらず、養育費の取り決めをせずに離婚する夫婦は少なくありません。

養育費の取り決めをせずに離婚した場合であっても、離婚後に養育費を請求することは可能です。

養育費を請求する前に、金額の相場や実情について知っておきましょう。

この記事を読んでわかること
  • 養育費の実情
  • 離婚後の養育費の請求方法
  • 養育費の金額の決め方
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

養育費の支払いは離婚したとしても親として果たすべき責任である

親が離婚した場合、子どもを引き取って直接育てる親(監護親)は、子どもと離れて暮らす親(非監護親)に対して、子どもを育てていくための養育に要する費用を請求することができます。この費用が「養育費」です。

養育費は、離婚をしたとしても親として当然支払わければならない費用といえます。

協議離婚の半数以上が養育費を取り決めずに離婚している

養育費は、離婚後も親として当然支払わなければならない費用となりますが、協議離婚によりひとり親世帯となった世帯のうち半数以上が養育費を取り決めずに離婚をしています。

母子世帯の母の養育費の取り決めの有無父子世帯の父の養育費の取り決めの有無
協議離婚の総数75万8312協議離婚の総数8万7569
取り決めをしている33万633(43.6%)取り決めをしている2万1137(24.1%)
取り決めをしていない41万3354(54.5%)取り決めをしていない6万4096(73.2%)
不詳1万4325(1.9%)不詳2336(2.7%)

参照:令和3年度全国ひとり親世帯等調査 | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

※協議離婚の場合の抜粋となります。なお、令和3年度の調査結果は推計値です。

離婚後、養育費を受け取っていない世帯が半数以上を占めています。
また、過去受けたことがあるが現在は養育費を受けていないという世帯も一定数あります。

母子世帯の母の養育費の受給状況父子世帯の父の養育費の受給状況
総数107万9213総数10万5134
現在も受けている30万3252(28.1%)現在も受けている9191(8.7%)
過去に受けたことがある15万3444(14.2%)過去に受けたことがある5008(4.8%)
受けたことがない61万3567(56.9%)受けたことがない9万277(85.9%)
不詳8950(0.8%)不詳659(0.6%)

参照:令和3年度全国ひとり親世帯等調査 | 政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

※令和3年度の調査結果は推計値です。

協議離婚後に養育費の請求をすることは可能!

養育費について取り決めていなかったからといって、養育費の受け取りを諦める必要はありません。

離婚後であっても養育費を請求することは可能な場合があります。

仮に、離婚時に「養育費はいらない」と言ってしまった場合や、「養育費は無し」という離婚条件に合意してしまった場合であっても、その後の事情の変更により養育費を請求が認められたケースは存在します。

また、元夫婦間で養育費なしの合意をしたとしても、子どもはその合意の当事者ではないため、子どもには関係ありません。

そのため、子どもから非監護親に対して、養育費を請求できる場合があると考えられています。

離婚時に「養育費なし」の合意をした場合について詳しくはこちらをご覧ください。

離婚の際養育費なしの合意は有効?離婚協議書はどうする?

協議離婚後に養育費の請求をする方法

離婚後に養育を請求するには、次の2つの方法があります。

  1. 元夫(妻)に対して請求(話し合いで決める)
  2. 家庭裁判所での調停(審判)の申立て

(1)元夫(妻)に対して請求(話し合いで決める)

養育費については、まず元夫(妻)に請求することから始めます。

そして、元夫(妻)が養育費の請求に応じる場合には、具体的に、養育費の金額や支払い期間などについて話し合うことになります。

養育費について話し合っておくべきことは、次のとおりです。

  • 養育費の金額(例:毎月〇万円など)
  • 支払い時期(例:月末にするなど)・支払い方法(例:振込など)
  • 支払い期間(例:大学を卒業するまでなど)
  • 臨時の費用(例:突然のケガや病気による治療費が必要なとき) など

特に、「臨時の費用」については忘れがちなので注意が必要です。
子どもには突然、高額な費用(例えば、学校の入学金、突然のケガや病気の治療費など)が必要になることがあります。
そういった場合には、その都度支払いを求めるのか、などについて話し合っておくことが必要です。

養育費は、通常、月々の分割払いのことが多いですが、養育費を一括で支払ってもらう場合もあります。

養育費の一括請求について詳しくは、こちらをご覧ください。

養育費の一括請求は可能?メリットとデメリットを弁護士が解説

(2)家庭裁判所での調停もしくは審判

養育費の話し合いがまとまらない場合や話し合いができない場合には、家庭裁判所での調停もしくは審判で決めることになります。

裁判所と聞くと、法廷で行われる裁判のイメージがあるかもしれませんが、「調停」とは、あくまでも話し合いの手続きとなります。

調停では、当事者が話しやすいように、基本的に、当事者が向き合って話すということはありません。個室で、調停委員(通常、男女2名です)に双方が個別に話す形で進めていくことになります。

そして、調停で話し合いがまとまらない場合には、これまでの話し合いを踏まえて、裁判官が養育費について決定(審判)することになります。

参考:養育費に関する手続|裁判所 – Courts in Japan

養育費の金額の決め方

それでは、具体的にいくら養育費を支払ってもらえるのでしょうか。

養育費の金額については、「養育費算定表」が参考になります。
「養育費算定表」とは、調停や裁判で養育費を決めるときに参考にされるものです。

夫婦で話し合って養育費を決める場合には、必ずしも「養育費算定表」に従わなければならないというわけではありませんが、目安として参考にされることが多いです。

例えば、養育費算定表では、子どもが0~14歳の場合で、夫妻が双方会社員である場合には、夫婦の年収に応じて次のように計算されることになります。

養育費の支払いがどのくらい見込めるのかを知りたい方は、「養育費かんたん自動計算ツール」に夫婦の年収や子どもの人数などを入れることで、受取額の目安をチェックすることができます。

もっとも、あくまで離婚調停は話し合いですので、算定表の金額が絶対というわけではありません。

例えば、養育費算定表は、子どもが公立学校を通っていることを前提としていますので、私立学校に通っている場合などには、養育費算定表の金額よりも高い金額とされることがあります。

養育費の基準について詳しくはこちらをご覧ください。

養育費の交渉のポイント

養育費は、あなたが一人で子どもを育てていくために必要な費用ですので、後悔のない取り決めをするようにしましょう。

後悔しない養育費の取り決めを行うためのポイントは、次のとおりです。

  1. 養育費について話し合ったことは公正証書にする
  2. 元夫(妻)が払い続けられる金額にする

(1)養育費について話し合ったことは公正証書にする

養育費や慰謝料などのお金の支払いを含む取り決めには「公正証書」の形で残しておくことがおすすめです。

公正証書について詳しくはこちらをご覧ください。

公正証書とは?作成するメリットや種類・作る手順を弁護士が詳しく解説

(2)元夫(妻)が払い続けられる金額にする

子どもを育てるのには多くのお金が必要となります。そのため、少しでも多くの養育費をもらいたいと思うかもしれません。

しかし、元夫(妻)の支払い能力を大きく超えた金額を設定すると、途中から支払わなくなってしまうかもしれません。

元夫(妻)が支払い続けられるように、相手の経済状況も考慮して、養育費の金額を決めるようにしましょう。

【まとめ】離婚後であっても養育費を諦めるのは早い!離婚後も養育費を請求できる可能性あり

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 「養育費」とは、親が離婚した場合、子どもを直接育てる親(監護親)は、子どもと離れて暮らす親(非監護親)に対して請求できる、子どもを育てていくための養育に要する費用のことをいいます。

  • 協議離婚の半数以上が養育費を取り決めずに離婚している

  • 離婚時に養育費について取り決めなかったからといって、養育費の受け取りを諦める必要はなく、離婚後であっても養育費を請求することは可能な場合がある

  • 離婚後に養育費の請求をする方法
  1. 元夫(妻)に対して請求(話し合いで決める)
  2. 家庭裁判所での調停(審判)の申立て
  • 後悔しない養育費の取り決めを行うためのポイント
  • 養育費について話し合ったことは公正証書にする
  • 元夫(妻)が払い続けられる金額にする

離婚後の養育費請求についてお困りの方は、離婚問題を取り扱う弁護士にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

※¹:2024年7月時点。

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