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離婚するために必要な準備とは?お金のことや心構えについて解説

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「離婚したいけれど、離婚して生活していけるかな……。」

離婚前からバリバリ仕事をしている方はともかく、専業主婦や扶養の範囲内で働いている方などは、離婚後の経済面での不安は大きいですよね。

実際、厚生労働省の調査によると、母親と子どもだけで生活している世帯の年間就労収入の平均は200万円です(平成27年当時)。
その他児童扶養手当などの収入を含めても、年間収入の平均は243万円にすぎません。

実際に離婚をした方が、離婚を後悔する大きな理由の一つに『経済的な理由』があります。
後で後悔しないために、離婚にあたっては、夫婦で築いた財産についてしっかりと財産分与をしたり、未成年のお子さんがいるような場合には、離婚にあたって養育費について取り決めをすることがとても大切です。

今回の記事では、

  • 離婚をするために必要な準備
  • 離婚を決意してから離婚までの流れ

などについてご説明します。

参考:平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告│厚生労働省

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

離婚をするまでに必要な準備

離婚するにあたっては、離婚後の生活を具体的にイメージして、経済面・精神面でしっかりと準備する必要があります。
勢いで離婚をしてしまい、後から後悔する人は決して少なくありません。
相手に離婚を切り出す前に、まずは少なくとも次の点について確認してみましょう。

経済的に自立が可能か

離婚時に請求できる金銭は把握できているか

離婚後の生活についてイメージできているか

順にご説明します。

(1)経済的に自立が可能か

夫婦は、婚姻中は婚姻生活にかかる費用(「婚姻費用」といいます)を分担する義務があります(民法760条)。
ですが、離婚後は、法律上の婚姻費用の分担義務はありませんので、基本的に生活費の支払を求めることはできません。
ですから、離婚後は、夫(妻)から生活費を受領せずに、自身だけの収入で生活できるかどうかを具体的に考える必要があります。

厚生労働省の平成28年度「全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯になる前の母親の就業状況は、次の表の通りでした。

約75%の方が母子家庭になる以前から働いていますね。

また、働いている方の就業形態の内訳は次の表のとおりです。

パート・アルバイトの方が過半数を占めていますね。
実際に離婚をして母子家庭になった場合には、各自治体によって、資格取得に必要な講座費用の一部を援助するなど、就業を支援する制度もありますので、必要に応じて各自治体に問い合わせてみましょう。

参考:ひとり親世帯になる前の親の就業状況(平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告)|厚生労働省

なかなか仕事が見つかりません。
どうやって仕事を見つけたら良いでしょうか。

「マザーズハローワーク」やハローワーク内にある「マザーズコーナー」で子育て中の方の就職支援をしていますから、まずは相談に行ってみるのはいかがでしょうか。

参考:「マザーズハローワーク」「マザーズコーナー」|厚生労働省

私一人ならパートをしながら生活できると思いますが、子どもの学費などが心配です。
子どもを引き取った親は、養育費をもらえるんですよね?

未成熟子(※経済的・社会的に自立していない子どものこと)がいる場合には、未成熟子の親権者となって同居し養育する親は、他方の親に養育費を請求することができます。
ですが、相手方の失業や病気などで支払が滞るケースもありますので、離婚後の収入について、養育費は毎月必ず貰えるという前提では考えない方が良いでしょう。

先ほどの調査によれば、養育費に関して、調査時にも支払われていると回答した方は、次の表のとおり、全体の約4分の1でした。

養育費を見込んで離婚後の生活を考えるのは少し危険です。
養育費だけに頼らず、自身が親権者となる場合には、「児童扶養手当」などひとり親世帯が行政から受けられる支援やその金額について事前に調べておきましょう。

参考:児童扶養手当について|厚生労働省

児童扶養手当はいくらもらえる?金額をシミュレーションしてみよう

さらに、東京都が支給する「児童育成手当」など、居住する地域によっては、児童扶養手当の他にも受けられる福祉制度があります。
これらは、申請しないと受給できませんので、事前に離婚した場合に受けられる支援について確認しましょう。

受け取ることのできる各手当やその金額を調べ、仮に養育費が支払われなかったとして、離婚をして子どもを養育できるかどうか、検討してみることも大切です。

(2)離婚時に請求できる金銭などは把握できているか

離婚の際には、離婚の条件についても話し合う必要があります。
その際、次のような金銭的なことについても話し合うことになりますので、事前に、どの項目のお金をいくらくらい請求できるのか把握しておくことが大切です。

財産分与

年金分割

親権者・養育費

慰謝料

それぞれについてご説明します。

(2-1)財産分与

財産分与は、離婚後の経済的自立のために、特に重要です。

財産分与とは何ですか?

財産分与とは、夫婦が婚姻中に築いた財産を離婚に際して分配する制度です。

どのように分ければ良いのでしょうか?

財産分与の割合は、財産の形成に夫婦が貢献した程度を考慮して判断します。
通常の夫婦であれば貢献した割合は50%ずつですので、通常は2分の1ずつ分けることが多いですが、すべてきっちり2分の1にしなければならないわけではありません。
話合いにより、財産分与の内容については臨機応変に合意することができます。

婚姻後に夫婦で築いた財産について、相手名義の財産は相手のものだと誤解されている方も多いです。
ですが、例えば、相手の給料が振り込まれた相手名義の口座の預金などは、基本的には財産分与の対象になります(※ただし、財産分与の対象は婚姻後に形成した財産のみ)。

専業主婦(主夫)の方であっても、基本的には財産の形成に貢献した割合は50%として計算されます。
財産分与については、誤って理解していると本来受け取るべき財産を受け取れなくなりますから、財産分与でお分かりにならないことがあれば、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

財産分与は離婚時にしないといけないんですか?
早く離婚がしたいので、もめそうな財産分与は後回しにしたいのですが・・・

基本的には財産分与を請求する権利は、離婚から2年で消滅します。
また、その前であっても、離婚して別々に暮らすと相手と連絡が取れなくなってしまったり、本来共有財産である相手名義の預金などを使われてしまう可能性もあります。
同居している方が相手名義の財産を調べやすいと思いますので、離婚前にしっかり共有財産を調べ、離婚時にどの程度の財産分与を受けられるかしっかり把握した上で話し合うことをお勧めします。

(2-2)年金分割

年金分割とは、婚姻期間に対応する厚生年金・共済年金の保険料納付記録の最大2分の1を分割できる制度のことをいいます。

年金分割は全ての年金が対象ですか?

基礎年金である「国民年金」に相当する部分や、「厚生年金基金・国民年基金」などに相当する部分は分割の対象になりません。
また、婚姻前の期間も分割の対象ではありません。
年金分割制度を利用するメリットがあるのはあくまでも、婚姻中に相手が厚生年金・共済年金を自分より多く支払っていた場合だけですので、注意が必要です。

離婚前に、加入している年金団体(国民年金、共済年金)から、「年金分割のための情報提供通知書」を取り寄せることで、分割対象となる保険料納付記録などを確認することができます。50歳以上であれば、分割後の年金見込額の照会もすることができます。

年金分割の対象とならない公的年金や、個人型確定型拠出年金などの私的年金を分割するためには、上記のような年金分割制度が存在しないので、財産分与の話合いの中で分割を求めていくことになります。
このような年金についても、離婚前にしっかりと把握しておく必要があります。

年金分割は離婚時にしないといけないんですか?
早く離婚がしたいので、後回しにできませんか?

年金分割のためには、年金事務所に標準報酬改定請求書を提出しなければいけません。
この請求の期限が、離婚が成立した日の翌日から2年以内です。
必ずしも離婚前に話し合わなくてはいけないものではありませんが、早めに片付けておいたほうが良いと思います。

(2-3)親権者・養育費

未成年の子供がいる場合は、親権者を定めずに離婚することはできません(民法819条1項)。
ですから、親権者については必ず離婚前に話し合う必要があります。
通常、親権を有する親が子を実際に監護して育てますが、夫婦で話し合ったうえで、親権と監護権を分離して、監護権のみを有する親が子を実際に育てるケースもあります。

子どもを監護して育てる親は、他方の親に対して、養育費を請求することができますので、養育費の額・支払時期・始期・終期などについても話し合います。
裁判所作成の養育費算定表が公表されていますので、養育費の額の参考にするとよいでしょう。

また、次のサイトでは、受け取れる養育費の目安を簡単に調べることができますので、是非確認してみてください。

養育費の相場については、こちらの記事もご参照ください。

養育費の金額はどうやって決める?トラブルを防ぐために知っておくべきこと

離婚をするときに、養育費のことは必ず決めないといけないのですか?

養育費についての取り決めは必ずしも離婚時にする必要はありません。
ただし、養育費の支払時期は基本的には請求した時からですので、離婚後に養育費を請求する場合、離婚時から請求までの分を遡って請求することができませんので、その点は注意してください。

先ほど、母子家庭の約4分の1の方は養育費の支払を受けられていないとお話ししましたが、そもそも、養育費について取り決めをせずに離婚をした方は取り決めをした方よりも多いのです。

養育費についての取り決めをしていない方の割合は、次の表のとおりです。

なお、養育費について取り決めをしなかった方の理由は、次の表のとおりです。

参考:養育費の状況(平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告)|厚生労働省

離婚をするにあたり、相手と関わりたくない心境は十分に理解できますし、相手の支払能力からして、養育費について取り決めをしても無駄だと思うこともあるかもしれません。
ですが、離婚後に相手の状況が変わり、養育費を請求できるようになる可能性もあります。

養育費は子どもを育てるための大切な費用です。
実際に支払われるかどうかは別にしても、まずは養育費について話し合い、取り決めをしておくことをお勧めします。

(2-4)慰謝料

離婚に至る原因が、一方の不貞行為などにある場合には、相手方に対して慰謝料を請求できますので、慰謝料の額も話合いの対象となります。

ただし、離婚原因として多い「性格の不一致」は、通常一方に離婚の責任があるものではありませんので、慰謝料を請求することは困難です。

なお、相手が浮気をしたから離婚を考えている、というような場合には、離婚を切り出す前にしっかり証拠を集めることをお勧めします。

不倫(不貞行為)の証拠がない!意外な証拠の集め方を解説

(3)離婚後の生活についてイメージができているか

離婚後の生活についてイメージする必要があるのは、特に小さな子どもがいる場合です。
離婚後は両親どちらかにしか親権を認めない単独親権となる日本では、基本的に親権を得た親が子育てをして、子どもが親権のない親と会うのは、面会交流で定めた1ヶ月に1回程度となるケースが多いです。
したがって、離婚後は親権者のワンオペ育児となり、他方の親に日常的に育児の協力を得られるということはあまりありません。

特に、これまで専業主婦(主夫)であったという方は、次のような、働きながら子育てをする生活のイメージをしっかりして、不測の事態に備えておきましょう。

  • 働きながらワンオペ育児が可能か
  • 実家の両親や親族に子育ての協力を依頼できるか
  • 突発的な事情で保育園に迎えに行けないときにどうするのか
  • 自分が病気になった場合の対処方法     など

離婚を決意してから離婚をするまで流れ

次に、離婚の決意後、実際に離婚成立するまでの流れについて解説します。

(1)離婚後の生活についてシミュレーションをしてみる

離婚後の生活について、収入、支出、子育て、仕事などの側面から具体的にシミュレーションします。
働きながらワンオペ育児ができるか、両親など子育てについて協力してもらえる人はいるか、経済的に自立して生活できるか、利用できる行政支援サービスなどについて、事前に検討しましょう。

(2)離婚についての話合いを進める

離婚後の生活について具体的にイメージして、「離婚しても大丈夫」と離婚を決意できたら、配偶者と離婚について話合いをします。
話合いの結果、当事者の合意で離婚することを協議離婚といいます。
離婚する夫婦のうち、およそ9割が協議離婚で離婚します。

協議離婚のほかに、どんな離婚があるのですか?

他には「調停離婚」、「審判離婚」、「裁判離婚」があります。
配偶者から離婚の合意が得られないと、調停や裁判手続を利用して離婚を請求する必要があり、時間と手間がかかります。また、調停や裁判をしたとしても、配偶者が離婚を拒否した場合には、離婚ができるとは限りません。

協議離婚の場合は、当事者が離婚に合意をして離婚届を市区町村役場に提出すれば離婚が成立します。
ですから、話合いで離婚の合意が得られるかどうかが重要になります。
相手方の意見も聞きながら、離婚を希望する理由、夫婦関係を継続できない理由、離婚後の生活を見越して準備していることなどを、冷静に真摯に伝えて、話し合うようにしましょう。

離婚に合意が得られたら、財産分与、親権、養育費等の離婚条件についても話し合って合意し、合意内容については離婚協議書を作成するようにします。
協議離婚書ついては、こちらの記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。

離婚協議書とは?作成するうえで知っておきたいポイントや疑問点を解説

(3)離婚届の提出

離婚条件についても合意ができたら、必要事項を記入した離婚届を役所に提出します。
離婚条件について話し合う際に、離婚届の提出時期や提出者についても合意しておくとよいでしょう。
離婚届に不備があると再提出となりますので、提出前に記入事項について再確認し、間違いのないようにしましょう。

離婚届を出す前に夫婦で話し合うべきことは?書き方や注意点も解説

勢いで離婚をして後悔する方は決して少なくありません。
離婚をしてから後悔してしまっても後の祭りです。

今、まさに離婚を考えているという方は、離婚を切り出す前に調べられることは全て調べ、考えられることは全て考えてから切り出されることをお勧めします。

離婚したら後悔する?離婚後に後悔しないために知っておきたいこと

【まとめ】離婚後のお金の目途をたてるためにも、離婚前の準備が大切

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 離婚を決意した場合には、後で後悔しないためにも、相手に切り出す前にまずは次のことを確認するのが良い。
    1. 経済的に自立が可能か
    2. 離婚時に請求できる金銭などは把握できているか
      • 離婚にあたり、財産分与・年金分割・養育費・慰謝料などをについて話し合う必要がある。そのため自分が離婚する場合、どの程度の金銭を請求できるか把握しておくことが大切。
      • 特に結婚後に夫婦で築いた財産の分与は離婚後の経済的な自立にもとても大切。財産の内容を把握して離婚前にしっかり話し合うことが必要。
      • 養育費は相手や自分の収入によって変わるため、まずは、離婚した場合に受け取れる養育費の目安を調べた上で話合いをすることが大切。
    3. 離婚後の生活についてイメージできているか
  • 離婚を決意してから離婚をするまでの流れは次のとおり。
    1. 離婚後の生活についてシミュレーションをする
    2. 離婚について話合いを進める
      協議離婚の場合は、離婚について夫婦が合意をして離婚届を提出すれば離婚が成立する。
      協議離婚が出来なければ調停離婚・審判離婚・裁判離婚があるが、手間や費用がかかる上、必ずしも離婚ができるわけではない。
    3. 離婚届の提出

離婚する前には、親権、養育費、離婚後の経済的自立、離婚後の住まいの確保など、事前に準備しなければならないことが数多くあります。

離婚準備が整っても、配偶者が離婚に同意しない場合や、離婚条件の話合いがうまくいかない場合には、協議離婚は困難です。
話合いがうまくいかない場合には、弁護士へ相談する方法もあります。

離婚のことでお困りの方は離婚問題を取り扱っている弁護士にご相談ください。

この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

※本記事の内容に関しては執筆時点の情報となります。

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