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離婚準備が必要な理由とは?経済面や精神面の心構えも大事

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日本では、夫婦が離婚に同意し、必要事項を記入した離婚届を役場に提出すれば離婚することができます。
法律上、裁判手続きによる離婚が必須であったり、事情によっては離婚前に一定の別居期間が必須であったりする国もありますので、それに比べると、日本は夫婦が同意すれば非常に簡単に離婚することができます。
しかしながら、離婚後の生活の準備をすることなく、離婚の合意が得られたからといってすぐに離婚することはあまりお勧めできません。
なぜなら、離婚後は、基本的に夫(妻)の扶養や協力を得ずに、自立して生活することになりますので、そのための準備をする必要があるからです。
今回の記事では、離婚準備が必要な理由や、経済面・精神面での心構えなどについて説明します。

離婚を決意するまでに必要な準備

離婚するにあたっては、次に紹介するような視点から離婚後の生活を具体的にイメージして、経済面・精神面でしっかりと準備する必要があります。
具体的な収入、生活費の見込みをつけ、経済的に自立して生活できるかどうかや子育てをしていけるかどうかをシミュレーションしてみましょう。

(1)経済的に自立できるかどうか具体的に考える

夫婦は、婚姻中は婚姻生活にかかる費用を分担する義務がありますので(民法760条)、別居しても、収入の低い方は高い方に生活費(これを、法的に「婚姻費用」といいます。)の支払いを求めることができます。
しかし、離婚後は、法律上の婚姻費用の分担義務はありませんので、基本的に生活費の支払いを求めることはできません。
したがって、離婚後は、夫(妻)から生活費を受領せずに、自身だけの収入で生活できるかどうかを具体的に考える必要があります。
未成熟子(経済的・社会的に自立していない子どものこと)がいる場合には、未成熟子の親権者となって同居し養育する親は、他方の親に養育費を請求することができます。
しかし、相手方の失業や病気などで支払いが滞るケースもありますので、離婚後の収入については、養育費は毎月必ず貰えるという前提では考えない方がよいでしょう。

現在無職で専業主婦(主夫)の場合には、経済的な自立のために、仕事を探したり、より良い条件の仕事を見つけやすくするために職業訓練を受けたりする方法があります。
また、離婚に伴い引っ越しをする場合には、引越代や家電購入費、新しい住居の敷金・礼金・家賃・仲介手数料などで数十万~100万円程度かかることもあり、ある程度まとまったお金が必要になりますので注意しましょう。

(2)夫婦で話し合うべき項目をまとめる

離婚の際には、離婚の条件についても話し合う必要があります。
一般的に、離婚の条件として夫婦で話し合うべき項目は次の通りです。

(2-1)財産分与

夫婦が婚姻中に協力して形成した財産については、離婚に伴い清算する必要があり、それを財産分与といいます。
財産分与の割合は、財産の形成に夫婦が寄与した程度を考慮して判断しますが、通常の夫婦であれば寄与の割合は2分の1ですので、通常は2分の1ずつ分けることになります。
したがって、夫婦で共有財産(現金、預金、車、不動産、有価証券、生活のための借金など)を確認し、2分の1ずつ分けます。
すべてきっちり2分の1にしなければならないわけではありません。
話し合いにより、財産分与の内容については臨機応変に合意することができます。
例えば、車をもらうから、その分預金は少なくてよい、という合意も可能です。

(2-2)年金分割

年金分割とは、婚姻期間に対応する厚生年金・共済年金の保険料納付記録の最大2分の1を分割できる制度のことをいいます。
離婚前に、加入している年金団体(国民年金、共済年金)から、「年金分割のための情報提供通知書」を取り寄せることで、分割対象となる保険料納付記録などを確認することができます。50歳以上であれば、分割後の年金見込額の照会もすることができます。

3号分割は、専業主婦(夫)や年収の少ない第3号被保険者に限り、2008年4月から離婚までの保険料納付記録について、配偶者との合意がなくても、2分の1を分割することができる制度です(3号分割)。
3号分割ができない場合(2008年3月以前も婚姻関係にある場合はその期間、夫婦とも会社員で収入がある場合など)には、当事者で話し合って合意割合を決めるか、調停の話し合いの中で割合を決めていくことになります。

年金分割の対象とならない公的年金や、個人型確定型拠出年金などの私的年金を分割するためには、上記のような年金分割制度が存在しないので、財産分与の話し合いの中で分割を求めていくことになります。

(2-3)親権者・養育費

未成年の子供がいる場合は、親権者を定めずに離婚することはできません(民法819条1項)ので、親権者について話し合う必要があります。
通常、親権を有する親が子を実際に監護して育てますが、夫婦で話し合ったうえで、親権と監護権を分離して、監護権のみを有する親が子を実際に育てるケースもあります。

子どもを監護して育てる親は、他方の親に対して、養育費を請求することができますので、養育費の額・支払い時期・始期・終期などについても話し合います。
裁判所作成の養育費算定表が公表されていますので、養育費の額の参考にするとよいでしょう。

(2-4)慰謝料

離婚に至る原因が、一方の不貞行為などにある場合には、相手方に対して慰謝料を請求できますので、慰謝料の額も話し合いの対象となります。
ただし、離婚原因として多い「性格の不一致」は、通常一方に離婚の責任があるものではありませんので、慰謝料を請求することは困難です。

(3)子どもがいる場合は今後の養育環境について考える

離婚後は、基本的に親権を得た親が、子育てをすることになります。
離婚後も親が共同親権をもつ国では、1ヶ月の半分は母親の家、もう半分は父親の家で生活する、というケースも多いようです。
しかし、離婚後は両親どちらかにしか親権を認めない単独親権となる日本では、基本的に親権を得た親が子育てをして、子どもが親権のない親と会うのは、面会交流で定めた1ヶ月に1回程度となるケースが多いです。
したがって、離婚後は親権者のワンオペ育児となり、他方の親に日常的に育児の協力を得られるということはあまりありません。
そこで、離婚後、働きながらワンオペ育児が可能かどうか、実家の両親や親族に子育ての協力を依頼できるかどうか、突発的な事情で保育園に迎えに行けないときにどうするのかなどについて、事前に考えておく必要があります。

(4)ひとり親世帯が受けられる支援を調べておく

自身が親権者となる場合には、児童扶養手当など、ひとり親世帯が行政から受けられる支援について事前に調べておくとよいでしょう。
居住する地域によっては、児童扶養手当の他にも受けられる福祉制度があったり、就労支援や子どもの学習ボランティアの制度があったりしますので、役場の担当窓口に問い合わせてみましょう。

参考:ひとり親家庭|札幌市子育てサイト

離婚を決意してから離婚をするまでの準備や流れ

次に、離婚の決意後、実際に離婚成立するまでに必要な準備や、離婚成立までの流れについて解説します。

(1)離婚までに必要な準備

離婚成立までに、具体的にどのような準備をすればよいのでしょうか。一般的に必要とされる準備について説明します。

(1-1)離婚届を準備する

離婚する際には、必要事項を記載した離婚届を役所に提出する必要があります。
離婚届の書式は、役所の窓口で入手することもできますし、役所によってはサイトからダウンロードして入手することができます。
離婚届の記載方法については、こちらの記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。

離婚届を出す前に夫婦で話し合うべきことは?書き方や注意点も解説
離婚届の証人は誰に頼むべき?条件や生じるリスクについて徹底解説

(1-2)居住場所と仕事を確保する

離婚後も何らかの理由で一定期間同居を継続する方もいますが、多くのケースで、離婚を前提とした別居を経て、離婚が成立します。
夫婦仲が悪化して離婚に至るケースがほとんどですので、基本的に離婚後も同居できる選択肢は除いて、離婚前に、離婚後それぞれが生活する住居を確保する必要があります。
離婚後実家に戻りたいという方は、実家の両親の協力が得られるか確認しましょう。
また、専業主婦(主夫)である場合は、離婚後は経済的に自立して生活していくことになりますので、離婚後の生活拠点で仕事を見つけて収入を確保する必要があります。
幼い子どもの親権者となる場合には、保育園などの子どもの預け先も考える必要があります。

(2)離婚までの流れ

実際に離婚が成立するまでの一般的な流れについて説明します。

(2-1)離婚後の生活についてシミュレーション

離婚後の生活について、収入、支出、子育て、仕事などの側面から具体的にシミュレーションします。
働きながらワンオペ育児ができるか、両親など子育てについて協力してもらえる人はいるか、経済的に自立して生活できるか、利用できる行政支援サービスなどについて、事前に検討しましょう。

(2-2)離婚についての話し合いを進める

離婚後の生活について具体的にイメージして、「離婚しても大丈夫」と離婚を決意できたら、配偶者と離婚について話し合いをします。
話し合いの結果、当事者の合意で離婚することを協議離婚といいます。
離婚する夫婦のうち、およそ9割が協議離婚で離婚します。
配偶者から離婚の合意が得られないと、調停や裁判手続きを利用して離婚を請求する必要があり、時間と手間がかかります。また、調停や裁判をしたとしても、配偶者が離婚を拒否した場合には、離婚することができるとは限りません。

そこで、話し合いで離婚の合意が得られるかどうかが重要になります。
相手方の意見も聞きながら、離婚を希望する理由、夫婦関係を継続できない理由、離婚後の生活を見越して準備していることなどを、冷静に真摯に伝えて、話し合うようにしましょう。

離婚に合意が得られたら、財産分与、親権、養育費等の離婚条件についても話し合って合意し、合意内容については離婚協議書を作成するようにします。
協議離婚書ついては、こちらの記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。
「離婚協議書とは?作成するうえで知っておきたいポイントや疑問点を解説」

離婚協議書とは?作成するうえで知っておきたいポイントや疑問点を解説

(2-3)離婚届の提出

離婚条件についても合意ができたら、必要事項を記入した離婚届を役所に提出します。
離婚条件について話し合う際に、離婚届の提出時期や提出者についても合意しておくとよいでしょう。
離婚届に不備があると再提出となりますので、提出前に記入事項について再確認し、間違いのないようにしましょう。

(2-4)離婚成立後の生活

離婚成立後は、離婚に伴う各種手続きが必要になります。

婚姻時に相手方の氏(姓)に変えた方(多くの場合で女性ですので、ここでは女性を前提とします。)は、原則として離婚に伴って婚姻前の氏に戻りますが、婚姻時の氏を継続して使用することもできます。
婚姻時の氏を継続して使用したい場合には、離婚の日から3ヶ月以内に、役所に婚氏続称の届出を提出する必要があります(離婚届と同時に提出することもできます)。
婚姻前の氏に戻る場合であっても、子どもの氏は変わりません。
未成年の子どもの氏を変更して母の氏と同じにし、同じ戸籍に入れるためには、別途、子どもの住所地を管轄する家庭裁判所に対して、子の氏の変更の許可を求める必要があります。家庭裁判所には書式が準備されていますので、問い合わせてみましょう。
家庭裁判所から氏変更の許可が得られたら、役所に対して「子の母の氏を称し母の戸籍に入籍する」旨の入籍届を提出します。これによって、子と母は同じ氏で同一戸籍となることができます(戸籍法18条2項)。

離婚後氏が変わったり、住所が変わったりした場合には、預金口座、保険、クレジットカード、運転免許証、パスポートなどの名義変更や住所変更の手続きが必要です。

妻が夫を世帯主とする国民医療保険に加入していた場合や、夫が健康保険に加入していて妻が被扶養者の場合は、妻は、離婚して別世帯になり、被扶養者の資格も喪失するので、新たな医療保険に加入する必要があります。
仕事をしている場合には雇用先の健康保険に加入できるか検討し、国民医療保険に加入する場合には離婚後に役所で手続きをしましょう。

離婚後はこのような手続きに時間を取られますが、子どもを引き取る場合には子どもが環境の変化に順応できているかどうかにも気を付けてみていくようにしましょう。
離婚後は経済的・精神的にも自立して生活していく必要がありますが、上手に家族や知人、行政の助けを利用することも大切です。一人で悩んで孤立することのないように、積極的に両親や勤務先の協力を得たり、行政の支援を受けたりするようにしましょう。

【まとめ】離婚準備で夫婦の話し合いが進まずお困りの方は弁護士に相談!

離婚する前には、親権、養育費、離婚後の経済的自立、離婚後の住まいの確保など、事前に準備しなければならないことが数多くあります。
離婚準備が整っても、配偶者が離婚に同意しない場合や、離婚条件の話し合いがうまくいかない場合には、協議離婚は困難です。
話合いがうまくいかない場合には、弁護士へ相談する方法もあります。
弁護士から話し合いのアドバイスを受けて参考にしたり、弁護士に依頼して本人の代わりに交渉してもらったりすることもできますので、お困りの方は弁護士に相談するとよいかもしれませんね。

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