あなたの法律のお悩み一発解決サイト
リーガライフラボ

【破産による欠格事由】制限される資格・職業とは?

作成日:
リーガライフラボ

自己破産は、経済生活を立て直すために行うものです。
ところが、破産手続き中に就くことができない職種がいくつか定められているのです。
それが今回、弁護士の解説する「制限職種」です。

自己破産による欠格事由とは

「欠格」は、「適格」の対義語で、必要とされる資格を欠くことをいいます。

例えば、制限職種の1つである通関士について、通関業法6条で欠格事由が定められています。

財務大臣は、許可申請者が次の各号のいずれかに該当する場合には、通関業の許可をしてはならない。
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

引用:通関業法6条2号|e-Gov法令検索

つまり、自己破産を申立て、開始決定が下りると、通関士として働く資格を一時的に失うということです(通関業法32条2号、6条2号)。

制限職種を定める条文では、通関業法6条2号のように「復権を得ない者」とされています。逆に言えば、自己破産の開始決定があっても、「復権」すれば再びその仕事ができます。

復権とは、破産手続の開始決定に伴い公私の資格制限を消滅させ、破産者の本来の法的地位を回復させることをいい、いわば自分の好きな仕事に就ける“権”利を回“復”することです。
簡単に言えば、破産者でなくなることを「復権」と呼びます。

復権には2種類ありますが、破産者の多くが特別な手続きを要しない「当然復権」によって、破産者の地位から解放されます。

当然に復権するのは、次の4つのいずれかに該当するケースです(破産法255条1項)。

  1. 免責許可の決定が確定したとき
  2. 破産手続が同意廃止決定で確定したとき
  3. (破産手続き中に民事再生手続きが開始された場合)再生計画認可の決定が確定したとき
  4. 破産手続開始の決定後に詐欺破産罪の有罪確定判決を受けることなく10年を経過したとき

このように破産手続きによって一時的に職業の制限を受けるものの、多くの人がそのまま再び自分の好きな仕事に就けるようになるということです。資格制限を受ける期間は、事案によって多少異なるものの、自己破産の申立てをしてから、4~8ヶ月ほどが一つの目安です。

自己破産により制限される資格・職業

大きく分けて、自己破産により制限される資格・職業には次の2種類があります。

  • 法律上当然に資格の制限を受けるもの
  • 必ずしも資格の制限を受けるわけではないもの

(1)法律上当然に資格の制限を受けるもの

たとえば、次の職種では資格制限が定められています。

  • 宅地建物取引士(宅地建物取引業法18条1項2号)、公認会計士(公認会計士法4条4号)や税理士(税理士法4条2号)など士業
  • 警備員(警備業法14条1項)
  • 公証人(公証人法14条2号)
  • 交通事故相談員(交通安全活動推進センターに関する規則4条1項2号)
  • 固定資産評価員(地方税法407条1号)

他人の秘密など機密情報を扱う仕事に制限職種が多い傾向にあります。

取った資格を一時的に使えないだけなので、改めて資格を取りなおす必要はありません。

(2)必ずしも資格の制限を受けるわけではないもの

破産しても必ずしも資格が使えなくなるわけではない資格もあります。

たとえば、生命保険外交員がこれに当たります。
法人である特定保険募集人と異なり(保険業法280条1項4号参照)、個人的に生命保険の外交員をしている人が破産するからといって、内閣総理大臣に届け出なければならないわけではありません。もっとも、内閣総理大臣は、事案に応じて登録を取り消すか、そのまま仕事を続けさせるか、停止させるか等の判断することができます(同法307条1項1号)。

自分の仕事が制限職種にあたるかを知りたい場合には、「〇〇(自分の仕事) 制限職種」と検索するのがいいでしょう。ただし、見つかった情報が正しいとは限らないので、検索して見つかった情報を頼りに一度根拠条文を確認してみてください。
たとえば、「弁護士 制限職種」と検索すると、いくつかのサイトで「制限職にあたる(弁護士法7条4号)」などと書かれていますので、e-Govの「弁護士法」で7条4号をみます。そうすると、制限職種にあたることがわかります。

自己破産の法律相談を受けたとき、弁護士はその方の仕事が制限職種かをチェックします。
そのため、借金でお困りならばひとまず弁護士に相談して、制限職種にあたるかのチェックを含めて、弁護士に債務整理の方針を任せるのも1つの方法です。

制限職種であるなら個人再生を検討!

個人再生をした場合には、制限職種の制度がありません。

「個人再生」とは、返済困難な方が、裁判所の認可決定を得た上で、基本的に減額された一定の負債を原則3年で分割返済していく手続きです。

負債の額や保有している資産の額などによって異なりますが、任意整理よりも大幅に負債が減額されることが多いです(公租公課など減額されない負債が一部あります)。

個人再生では、住宅を手元に残したまま債務を減額する制度が設けられている点が特徴です(ただし一定の要件を満たさないと当該制度は利用できません)。負債の減額幅は負債総額及び保有している資産などによって決まっております。なお、保有している資産や負債額などによっては、減額されないケースもありえます。

制限職種で、一時的な配置転換、休業等も期待できない場合には、個人再生を検討するのがいいでしょう。

自己破産と取締役の欠格事由

自己破産をしたからといって雇用契約が当然に終了するわけではありません。
もっとも、自己破産によって契約が終了することが法律上定められているものがあります。
その1つが委任契約です。

(1)取締役が自己破産するとどうなる?

取締役は、会社と委任に関する規定が適用される(会社法330条)ところ、委任契約は受任者が破産手続開始の決定を受けたことにより終了します(民法653条2号)。そのため、自己破産を裁判所に申立てるとまもなく、取締役の地位を法律上当然に失います。そのままでは会社の代表者として取引をすることが原則としてできません。

(2)取締役の欠格事由

取締役に関しても、法律上欠格事由が定められています(会社法331条)。

次に掲げる者は、取締役となることができない。

引用:会社法331条|e-Gov法令検索
  1. 法人
  2. 成年被後見人もしくは成年被保佐人・成年被保佐人に該当する者
  3. 会社法・会社法の関連法制に関する法律違反をし、刑の執行が終わり、またはその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
  4. 上記3以外の罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで、またはその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)

自己破産の開始決定を受けたことは取締役の欠格事由とされていないため、開始決定後復権するまでの間であっても、再び株主総会などで選任されれば、取締役になることができます。かつては破産者であることが取締役の欠格事由とされていましたが、破産者が早期に経済生活を立て直せるように、破産者を欠格事由とする規定が削除されたのです。また、会社を経営する者がいなくなって会社が連鎖的に経営破綻することを防ぐためだともいわれています。

【まとめ】破産による仕事への影響についてはアディーレ法律事務所にご相談ください

自分の仕事が制限職種なのか判断に迷うこともあるでしょう。制限職種だと思っても、インターネット上の情報が誤っていて、実際には制限職種でないかもしれません。弁護士に相談すると、最適な方針を的確にアドバイスしてもらえますので、借金問題の解決に近づけるはずです。
一人で悩まずに、借金問題はアディーレ法律事務所にご相談ください。

よく見られている記事