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罰金が払えないとどうなる?『労役場留置』ってなに?

作成日:更新日:
kiriu_sakura

『労役場留置』という言葉を聞いたことはありますか?
日常生活では、あまり聞きなれない言葉ですよね。
『労役場留置』とは、裁判で罰金刑や科料刑を受けた時に出てくる言葉です。

裁判で罰金刑や科料刑を受けたけれども、納付(=支払)ができない時はどうなるのでしょうか。
結論から言うと、一定期間『労役場』で強制的に作業をさせられることになります。
それが『労役場留置』です。

罰金や科料をどうしても支払えないとしたら『労役場留置』は免れません。
『労役場留置』を免れるためには、何としても罰金や科料を納付するしかありません。
そのためには、罰金や科料以外の借金などについては「債務整理」をして、罰金や科料を捻出しましょう。
今回は、

  • 罰金を支払えない場合はどうなるのか
  • 労役場留置とは何か
  • 債務整理の種類

についてご説明します。

『労役場留置』ってなに?

『労役場留置』とは、刑事裁判で罰金刑や科料刑を受けたけれど支払えない人が、裁判で定められた1日当たりの金額が罰金額(科料額)に達するまでの日数分、『労役場』で所定の作業をしなければならないことです(ただ、科料は1000円以上1万円未満の刑ですので、労役場留置処分になるケースはそれほど多くありません。)。

『罰金』や『科料』とは、刑罰の一種です。
罰金刑や科料刑が科されるということは、公開の法廷で裁判を受けるか、略式手続(非公開で行われる簡単な裁判手続)で裁判所の命令を受けるかしているはずです。

罰金刑で一般の方に多いのは、交通事故(過失運転致死傷罪)などによる罰金でしょうか。
『科料』は、例えば軽犯罪法違反の場合などが多いです。

罰金刑を受ける時の主文は、大体、以下のとおりです。

科される刑が罰金刑や科料刑だけという場合であれば、略式手続で刑を受けることが多いと思いますが、罰金額と1日換算される金額について、略式命令を今一度確認してみてください。
罰金刑を受ける時は、必ず『労役場留置』のことも書いてあるはずです。
もしも、罰金を支払えない場合、何日程度、労役場に留置されるのでしょうか。

例えば、10万円の罰金刑を受けたとしましょう。
10万円程度の罰金であれば、だいたい金5000円を1日に換算した期間、被告人を労役場に留置する、となっているかと思います。
ということは、10万円の罰金を支払えない時は、1日5000円に換算する期間、つまり

10万円÷5000円=20日

の20日間、『労役場』に留置されることになります。
『労役場留置』の期間は、法律上、1日以上2年以下と決まっています。

ですから、脱税事件などで罰金が数千万以上になると、1日に換算する金額も数十万円など、びっくりするような金額になります。
通常であれば、金5000円かせいぜい金1万円を1日に換算されているのではないでしょうか。

『労役場留置』Q&A

労役場留置について、よくある疑問についてご説明します。

『労役場留置』までの流れ

罰金刑や科料刑を科された時は、まずはその金額を納付しなければなりません。

『労役場留置』は、基本的には最後の手段です。
裁判で罰金刑や科料刑を受けると、検察庁からその金額を支払うようにという通知と納付書が送られてきます。
ここで所定の金額を支払ってしまえば、もう手続は終わりです。
その時点で支払わなければ、さらに督促状が送られてきます。
それでも、どうしてもお金が準備できない時や、検察庁からの連絡を無視していると最終的に『労役場留置』となります。

罰金刑・科料刑の言渡しを受けてから労役場に留置されるまでの流れは、おおむね以下のとおりです。

※検察庁からの連絡を無視し続けた場合です。
※財産がある場合には、労役場留置ではなく、財産の差押えを受けることもあります。

検察庁からの連絡は無視してはいけません。
罰金や科料は一括納付が原則です。
税金などに比較して、分割納付の壁はものすごく高いので、ほとんどの場合には分割納付は認められませんが、どうしても罰金(科料)が納付できないという場合には、まずは検察庁に相談しましょう。

支払えないからと言って検察庁からの連絡を無視すると、ある日突然、検察庁職員(場合によっては警察官も同行します。)が、『収容状』を持って自宅や勤務先に夜討ち朝駆けでやって来て、身柄を拘束されることになります。

どのくらいの人が『労役場留置』になっているの?

2017年から2019年までの3年間で、労役場留置処分となった件数は以下のとおりです。

【罰金刑の場合】(「最高検、高検及び地検管内別 罰金刑執行件数及び金額」より)

罰金刑執行件数労役場留置処分
2019年20万32113615
2018年23万2393952
2017年25万2184285

罰金刑を受けて『労役場留置』となったのは、全体の1.7%程度ですね。

【科料刑の場合】(「最高検,高検及び地検管内別 科料刑執行件数及び金額」より)

科料刑執行件数労役場留置処分
2019年160414
2018年18517
2017年193511

科料刑の場合は、1%未満です。
これは、先ほどお話したとおり、科料刑の金額は1000円以上1万円未満ですから、どうしても支払えない、という人はそう多くないからです。
どちらかと言えば、「支払えない」人よりは「支払わない」人が『労役場留置』になっています。

参考:検察統計調査|e-Stat 政府統計の総合窓口

『労役場留置』を免れる方法はないの?

『労役場留置』を免れる方法は、罰金や科料を支払うことです。
罰金や科料を支払わない以上、基本的に『労役場留置』を免れる方法はありません(*刑罰についても「時効」はありますが、民間業者に借金をしたなどという場合と異なり、捜査機関は身柄を拘束できますから時効は期待できないでしょう。)。

罰金の支払は最優先に、他の債務は『債務整理』をしましょう

罰金の納付ができないという方の中には、他に借金などがあり、その返済に苦しんでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
借金を減額したり、支払に猶予を持たせたりすることにより、借金の返済に追われる生活から解放されるための手続を『債務整理』と言います。
『債務整理』には、主に『任意整理』、『民事再生』、『自己破産』があります。

これまでご説明したとおり、罰金や科料が納付できない場合、最終的には検察庁に身柄を拘束されて、強制的に『労役場』で作業をさせられることになります。
『労役場留置』の期間は、当然、普段の仕事はできません。
数日程度であればまだしも、数十日にわたって『労役場留置』になる場合、同じ職場で働き続けることも難しくなってしまう可能性があります。

罰金以外の借金などについて、良い『債務整理』の途がないか、まずは弁護士などに相談してみてください。

『債務整理』を弁護士などに依頼した場合、弁護士から各債権者に対して『受任通知』を送ります。
受任通知』には、

  • 債務整理の依頼を受けたこと
  • 今後、取立て行為をしないこと

などが記載されますが、受任通知を受けた債権者は、一旦、借金の請求をストップします。
この間に、それまで借金の返済などに充てていた分を罰金や科料などの納付に充てるなどの対応が可能です。

いろんなところから借金をしていて、一見、もうどうにもならないと思われる状態であったとしても、中には、利息を払いすぎている場合(いわゆる過払い金)があって、計算し直すと借金が大幅に減る方がいらっしゃいます。その結果、計算し直した後の借金を「任意整理」などで返済していくことが可能となるケースがあります。

「任意整理」とは、今後発生する利息(将来利息)をカットしてもらい、残った元本だけを分割で払っていくことを、借入先と交渉する手続です。

「任意整理」は、基本的には弁護士に交渉を依頼するだけで、ご本人の負担もそれほどありません。

「民事再生」とは、裁判所の認可決定を得たうえで負債の額を5分の1程度(負債や保有資産等の金額によって減額の程度は違います)まで減額してもらい、減額された負債を原則として3~5年ほどかけて返済していくという手続です(刑事事件の罰金や、税金など一部の負債は認可決定を得ても減額されません。

自己破産は、免責が認められると借金の支払義務が免除され、それ以上借金を支払わなくても良い(※非免責債権は除きます)という最大のメリットはありますが、基本的には財産の多くは処分されてしまう手続です。

また、罰金や科料は自己破産で免責が認められても、支払義務は残る『非免責債権』です。

罰金刑や科料刑を受けて、支払に窮している方は、

  • 払い過ぎの利息はないか、
  • 他の借金について『債務整理』の途はないか

まずは弁護士などに相談することをお勧めします。

【まとめ】罰金を支払えない時は強制的に『労役場』で作業をさせられる『労役場留置』処分となる

今回の記事のまとめは、次のとおりです。

  • 刑事裁判で罰金刑や科料刑を受け、その納付(支払)ができない時は、強制的に『労役場』で作業をさせられる『労役場留置処分』となる。
  • 労役場留置の期間は、判決や命令で定められた、1日当たりの金額が罰金額(科料額)に達するまでの日数分である。
  • 「労役場」は、全国の刑務所や拘置所に併設され、『労役場留置』となっている間は、労役場を出ることができず、室内で軽作業に従事しなければならない
  • 罰金や科料を支払わず、検察庁からの連絡も無視し続けていると、いずれ検察庁の職員が自宅や職場にやって来て、収容状に基づいて身柄を拘束され、労役場に留置される。
  • 罰金や科料は最優先で納付し、他の借金については、弁護士などに相談し、
  • 過払い金がないか
  • 『債務整理』の途がないか
  • よく調べてみるのが良い。

    アディーレ法律事務所では、万が一
  • 自己破産において免責不許可となった
  • 民事再生において再生計画不認可となった
  • 任意整理において所定のメリットがなかった

場合、当該手続にあたってアディーレ法律事務所にお支払いいただいた弁護士費用は原則として、全額返金しております(2021年6月時点。ただし返金の対象外となる例外ケースがあります)。

借金にお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。