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過払い金が振り込まれるまでの期間はどれくらい?手続きの流れを解説

作成日:更新日:
リーガライフラボ

「過払い金って、いつ振り込まれるんだろう?」

支払い過ぎたお金を取り戻すための「過払い金の請求」ですが、振り込まれるまでどのくらいの期間がかかるかも要注意です。

過払い金について弁護士に依頼した場合、過払い金が振り込まれるまでの期間の目安は次のようになります。

  • 貸金業者との交渉によって回収する場合
    →依頼から3~6ヶ月程度
  • 訴訟を提起して回収した場合
    →依頼から6ヶ月~長いと1年半程度

(※請求先の貸金業者や、個々の事案の複雑さなどによって変動します)

自力で過払い金を回収しようとする場合、上の期間よりも長くなりがちです。過払い金があるかどうかの計算や貸金業者との交渉、裁判所での手続きへの対応などを自分でしなければならないからです。

この記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 過払い金の請求から振込みまでの流れ
  • 過払い金を請求する権利の消滅時効
  • 過払い金が振り込まれるまでの期間の目安
  • 過払い金の回収率
この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

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過払い金請求とは?

過払い金請求とは、利息制限法の上限を超えて払い過ぎたお金を取り戻す請求のことです。

消費者金融やクレジット会社は、民事法上は無効にもかかわらず刑事罰を科せられないいわゆる「グレーゾーン金利」を利用して、利息制限法の上限を超えた利息を違法に取り続けてきました。

そのため、長年借金の返済を続けている方には、過払い金が発生している可能性があります。適法な利息に基づいて計算(引き直し計算)した結果次第では、借金を完済したり、減額したりできる可能性があります。

過払い金が戻ってくる可能性があるのは、基本的に次の2つの条件を両方満たす人です。

  1. 2010年6月17日以前に借入れを開始した方
  2. 最後に借入れや返済をした日、あるいは借金を完済してから10年以内の方

過払い金請求から返金までの流れ

過払い金請求について、取引履歴の開示請求から過払い金の返還までのおおまかな流れは次のようになります。

それでは、請求から返還までの流れについてご説明します。

(1)取引履歴の開示請求

まずは、貸金業者に取引履歴を開示するよう請求します。

取引履歴とは、今までその貸金業者から「いつ・いくらを・どのような利率で借りたのか、いつ・いくら返したのか」という金銭の貸し借りの経過を記載した記録です。

単純に「過払い金を返して!」と伝えるだけでは足りず、「過払い金〇〇万円を返して!」と具体的に請求額を明示することが必要です。その前提として、過払い金の額を算出する基礎となる取引履歴の開示を請求する必要があるのです。

貸金業者には、原則として借主に取引履歴を開示する義務があります(最高裁判所判決平成17年7月19日等)。

一般的には、貸金業者に取引履歴の開示を求める文書を提出して、開示を求めます。
もっとも、取引履歴の開示を請求する方法に、特に制限はなく、電話で「取引履歴を開示してほしい」と伝えれば、本人確認ができることを条件として、開示に応じてくれる貸金業者もあります。

貸金業者の開示した取引履歴の取引期間に疑問がある場合には、契約書やATM伝票などを提出して、その期間以外にも取引があるはずだと主張していきます(中には、業者側で古い取引履歴は破棄してしまったと主張してくるケースもあります)。

取引履歴を開示してくれない業者や、古い取引の部分を開示してくれない業者に対しては、手元にある当該期間の資料から推定計算をして過払い金を算出するなどで対処できることもあります。

(2)引き直し計算(過払い金の調査)

開示された取引履歴をもとに、過払い金の金額を計算します。

利息制限法を超過した支払いの行われていたデータを利息制限法に基づく適正利率で支払っていた場合に引き直して、いくら払いすぎたお金があるのか計算するのです。これを「引き直し計算」といいます。
返済期間が長い場合や取引回数が多い場合には計算が複雑になりますので、計算ミスを防ぐためにも弁護士に依頼するのがおすすめです。

回収できそうな過払い金がある場合には依頼する、という前提であれば、引き直し計算は無料でやっている法律事務所も少なくありませんよ!

(3)貸金業者へ過払い金を請求する

引き直し計算の結果、過払い金が発生していたら、過払い金の返還を求めて貸金業者に内容証明郵便等にて通知を送ります(引き直し計算書は、内容証明郵便で送れないため、後日FAXで送付したりします)。

過払い金返還請求書には、次のことを明記します。

  • 貸金業者の会社名・代表者名
  • 借主の名前・住所・連絡先電話番号・過払い金の振込口座
  • 請求書の送信日
  • 過払い金の金額(利息の請求を忘れずに!)
  • 過払い金を請求する旨の文章

消滅時効の完成間際であるためFAXで請求書を送付する場合には、送付した書面と送信履歴(通信結果)を保存しておくのが有用です(※)。

(※)消滅時効の完成間際という場合、まずはこうした請求(催告)をすることで、いったん時効の完成を食い止めます。1回目の催告であれば、時効の完成を半年間先延ばしできますので、その半年間の間に過払い金返還請求の裁判を起こします。
そのため、「いつ催告をしたか」をはっきり証拠に残すのに、書面や送信履歴を保存しておくことが有用なのです。

(4)貸金業者との交渉

過払い金返還請求通知書を送付すると、まもなくそれを見た貸金業者から電話がかかってくるなどなんらかのアクションがあるでしょう。そこでの交渉の結果、納得のいく金額を提示されれば和解が成立し、合意書を取り交わすことになります。和解した場合は裁判などには移行せず、過払い金の返還作業に移ります。
しかし、裁判外の交渉において、利息を付した金額はもちろん、もともと支払い過ぎた金額(過払い金の元本)でさえ満額を提示されるケースはほとんどありません。どこまで減額に応じるかは、早急にお金を手に入れる必要性や裁判に費やすお金・時間等を考慮して決めることになるでしょう。

(5)訴訟を提起

裁判外の交渉で和解に至らなかった場合には、基本的に過払い金返還請求訴訟を行います。

貸金業者によっては、訴訟になると(顧問)弁護士に対応を任せることがありますし、貸金業者側も過払い金返還請求訴訟には馴れているケースも多いので、遅くとも訴訟に発展するころまでには、弁護士に依頼することをおすすめします。
また弁護士に依頼すると、裁判所に出廷する、書面を作成して提出する、法廷で裁判官や貸金業者とやり取りするなどの訴訟対応をすべて任せられますので、借主自ら平日に時間を割いて裁判所に出向くこともほとんどありません。

貸金業者と借主の間で、一向に折り合いがつかなければ、最終的には裁判官が判決を下します。この場合、過払い金の金額を大きく左右するような見解が分かれる大きな争点等がなければ、過払い金全額に加えて、過払い金が発生した時から年5%の利息(2020年4月1日以降に初めて過払い金が発生した場合は、年3%の利息)を付けた金額を返還してもらうことができるということになります。
もっとも、実際には裁判になったとしても、判決にまで至るケースは少なく、話し合いによる和解で終わるケースの方が圧倒的に多いです。

(6)過払い金の返還

裁判外もしくは裁判において、過払い金の返還に関する合意が成立すれば、合意した返還期日までに過払い金が振り込まれることになります。

この返還までの期間には貸金業者側の都合等により半年ほどかかることもあります。弁護士に依頼した場合には、いったん弁護士の預り金口座に振り込まれ、弁護士報酬などを差し引いたお金が借主に送金されます。

過払い金請求の請求期限と時効

過払い金を請求する権利は、最後の取引(完済など)から10年が経過すると、時効により消滅します(改正前民法167条1項)。
弁護士に相談した時点ですでに10年を経過している場合には、過払い金を請求しても時効を援用されてしまうため、過払い金を取り戻すことはできません。

なお、2020年4月1日に民法が改正され、2020年4月1日以降に発生した過払い金については、次の2つのうちの早い期間を経過すると権利が消滅することとされました(民法166条1項)。

  • 過払い金の返還請求ができるときから10年
  • 過払い金返還請求をできることを知ったときから5年

ギリギリ消滅時効期間を経過していない場合には、弁護士が催告書を送ることで、ひとまず消滅時効の完成を防ぎます。過払い金がゼロだった場合には、弁護士費用がかからないという法律事務所もありますので、「とりあえず弁護士に相談する!」でも構いません。

過払い金が振り込まれるまでの期間

過払い金が返還されるまでにかかる期間の目安は、おおよそ次のようになります(実際のケースによっては、これよりも長くかかることがあります)。

<弁護士に依頼した場合>

  • 貸金業者との交渉によって回収する場合
    →依頼から3~6ヶ月程度


  • 訴訟を提起して回収した場合
    →依頼から6ヶ月~長いと1年半程度

<自分で過払い金請求を行う場合>

→より長期間になりがち

請求の段階ごとにどのくらいの期間がかかるか、目安をご説明します。

(1)過払い金請求を弁護士に依頼した場合

弁護士に依頼した後、取引履歴が開示されるまでの間に通常1~3ヶ月間かかります。
その後、引き直し計算をして、具体的に過払い金を請求していくことになりますが、交渉のはじめから請求者側が納得できる金額を提示してくれる貸金業者はほとんどありません。

過払い金の返還請求から実際に過払い金が返還されるまでは、2、3ヶ月間程度かかるのが通常であるため、弁護士に依頼をしてから実際に返還されるまでの期間は合計で3~6ヶ月程度となります。

ただし、任意の和解が成立せずに訴訟に移行した場合、訴訟を提起してから6ヶ月~1年間ほど時間がかかってしまうケースもあります。

この期間はあくまでも目安であるため、状況によって変動します。貸金業者が支払額を増額するには、何度か交渉を続けなければならないのが通常です。逆に言うと、過払い金を早く返してもらおうとすると、減額に応じなければならないことになる傾向があります
いくらで折り合いをつけるのかは、弁護士と相談のうえで、依頼者の方が決めることになります。

(2)自分で過払い金請求を行う場合

自分で過払い金請求を行う場合、弁護士に依頼するよりも返還までに時間がかかりがちです。貸金業者との交渉や、訴訟の場合の裁判所対応などのすべての段取りを自分で行わなくてはならないためです。
専門的な知識が必要となりますし、計算ミスで受け取れたはずのお金を失うことにもなりかねませんので、できれば弁護士に対応を依頼することをおすすめします。

過払い金はどれくらい返してもらえる?

利息を含めて、過払い金全額を返してもらおうとすると、原則として判決まで進まなければなりません。
もっとも、一度完済したことがあるなど何かしら争いとなるところがあれば、判決まで進んでも請求額全額を受け取れない可能性があるため、実際のところは判決までに話し合いでまとまるケースがほとんどであって、前述のように判決まで進むケースは多くありません。

そして、どこかの段階で話し合いをまとめる場合には、いくらか減額に応じるという形で譲歩しなければなりません。過払い金がどれくらい返してもらえるかについては、一般的には、個々の取引の状況や、それに基づく争点の内容、相手方となる貸金業者に経営状況などによって変動するものであって、実際にはその額にはかなりの幅があります。
この辺りも専門家である弁護士であれば、ある程度の見通しを立てることが可能な場合もあるでしょう。

返済中の貸金業者から「借金をゼロにする」と提案されたら?

返済中の貸金業者に対して裁判外の交渉で過払い金を請求する場合、「ゼロ和解」を持ち掛けられることがあります。

「ゼロ和解」とは、お互いに債権・債務がないことを確認する旨の和解です。借金がないことを認めてもらう代わりに、過払い金も請求しないことを約束します。

交渉において、通常、自らに不利なことは提案しません。そのため、ゼロ和解を貸金業者から持ち掛けられた場合には、取り戻せるお金がある可能性が高いともいえます。借金がなくなるからといって安易にゼロ和解に応じるのではなく、より多くの額の回収のため弁護士に相談することをおすすめします。

【まとめ】過払い金の回収にかかる期間の目安は3ヶ月~1年半程度

今回の記事のまとめは次のとおりです。

  • 過払い金の請求から返還までの流れは次のようになる。

    • 貸金業者との交渉による回収
      取引履歴の開示請求→過払い金の有無や金額の計算→貸金業者への請求→交渉
      (交渉がまとまれば)過払い金の返還
      (交渉がまとまらなければ)訴訟を提起→過払い金の返還

    • 訴訟を提起したうえでの回収
      取引履歴の開示請求→過払い金の有無や金額の計算→訴訟を提起→過払い金の返還

  • 過払い金の回収にかかる期間の目安は次のとおり(実際のケースでは、これより長くなる場合もある)

<弁護士に依頼した場合>
・貸金業者との交渉によって回収する場合
→依頼から3~6ヶ月程度
・訴訟を提起して回収した場合
→依頼から6ヶ月~長いと1年半程度
<自分で過払い金請求を行う場合>
→より長期間になりがち

過払い金の請求は自分で行うこともできますが、過払い金が振り込まれるまでに時間を要します。過払い金の計算を間違え、本来回収できた額よりもずっと低い額で和解をまとめてしまっては、後から追加で請求することも困難です。

また、より高額を回収するために訴訟を起こした場合、ご自身で仕事や生活の合間を縫って裁判所に赴く必要も出てきます。

過払い金について弁護士に依頼すれば、自力で請求するよりも短期間で多くのお金が戻ってくる可能性もあります。また、交渉や裁判などの手続きは基本的に弁護士に任せて待っているだけで済みます。

アディーレ法律事務所では、負債が残っている業者に対する過払い金返還請求をご依頼いただいたのに所定のメリットがなかった場合、当該手続きにあたってアディーレ法律事務所にお支払いいただいた弁護士費用を原則として全額ご返金しております。

また、完済した業者への過払い金返還請求の場合は、原則として、弁護士費用は回収した過払い金からのお支払いとなりますので、あらかじめ弁護士費用をご用意いただく必要はありません。

(2022年10月時点。業者ごとに判断します)

過払い金返還請求でお悩みの方は、過払い金返還請求を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。