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利息と遅延損害金って何が違うの?利息制限法における上限利率と違反した場合の効果を解説

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お金を借りたときに発生する可能性があるのが利息と遅延損害金です。借りたお金をしっかりと返済するためには、あらかじめ返済総額を把握することが大切なので、どのような場合に利息や遅延損害金が発生するのかを把握しておきましょう。

利息制限法とは?

利息制限法とは、借金の利息や遅延損害金の利率を制限するための法律です。
そもそも利息とは、お金を貸してくれたことに対する報酬のようなもので、利率が高ければ高いほど借主は損をすることになります。

たとえば、年利10%で1年間100万円を借りた場合には10万円の利息を支払うだけで済むのに対し、年利が15%であれば15万円もの利息を支払わなければなりません。

ここで皆さんなら、次のような契約を結ぶか考えてみてください。
〇10万円を借りて、その2週間後に15万円を返す
「借りない」と断言できた人もいれば「状況次第では」と考えた人もいるでしょう。

  • 夫が痴漢だと疑われて逮捕されてしまったので、急遽示談金が必要になった
  • 母親が病気になってしまったので当面の生活費が必要になった
  • 友人から「絶対に儲かる」と株を買う話を持ち掛けられ、その資金が必要になった

さまざまな事情でどうしてもお金が必要だと思ったとき、人は冷静な判断力を失います。
そして、一見異常ともいえる高金利でお金を借りてしまうものなのです。

そこで、高利金融に対して経済的弱者である債務者を保護するため、制定されたのが利息制限法です。

利息制限法1条では、次のように利息の上限利率が定められています。

金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
1.元本の額が十万円未満の場合 年二割
2.元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
3.元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

引用:利息制限法1条

10万円を借りる場合の上限利率は年18%ですので、1週間借りた場合に支払う利息は最大でも345円です。

貸主が法人であっても個人であっても適用される

利息制限法が適用されるのは、消費者金融などの法人から借り入れた場合に限られません。
個人間の貸し借りであっても、利息制限法は適用されますので、注意してください。

一般的に、契約では当事者が合意している限り、法律と異なる内容の合意をすることもできます。しかし、例外的に当事者が合意していても強硬的に適用される法律があり、上限金利に関する利息制限法の定めは、当事者が異なる合意をしても適用されます。
「利息制限法はゼッタイ」ということです。

遅延損害金とは?

遅延損害金とは、借金の返済を滞納した場合に生じる損害賠償金です。
いわば約束どおりに借金を返さないことに対するペナルティです。
たとえば、10月31日が借金の返済期限である場合、同日までに返済をしないと、11月1日より返済するまでの間、遅延損害金が発生し続けます。
実際に返済するまでの間お金を借り続けているようなものなので、「延滞利息」や「遅延利息」とも呼ばれますが、遅延損害金は利息ではありません。

返済期日の前日、家に泥棒に入られてお金を盗まれた場合のように、お金を返せないことに何ら落ち度がなくても、遅延損害金を支払わなければなりません(お金を盗まれた被害者が泥棒に対して、損害賠償を請求することはできます)。
また、お金を返せなかったことで貸主に損害が生じなくても、遅延損害金は発生します。

遅延損害金と利息は二重で請求はされない

利息と遅延損害金は別々のものなので、同時に発生することはなく、二重で請求されることはありません。
利息は返済日までの借入金に発生するのに対し、遅延損害金は返済期日以降に発生します。

たとえば、10月31日に利息10万円を付けて100万円返す約束であったにもかかわらず、11月1日になってしまったとしましょう。この場合、借り入れた100万円と利息10万円に加えて、11月1日から実際に返済する日までの遅延損害金を支払わなければなりません。

お金を借りる際に、利息や遅延損害金の合意がなかったとします。その場合、利息は支払う必要がないのに対し、遅延損害金は法定利率3%で支払う必要があります。

2020年10月1日に、AさんはBさんから2020年11月1日に返す約束で、10万円を借りました(利息・遅延損害金の合意なし)。しかし、Aさんは11月1日に返すことができず、11月10日に返済しました。約束通りに返してもらえなかったBさんは怒ってAさんに対して、1ヶ月分の利息と10日分の遅延損害金を支払うように求めました。

この場合、Aさんは利息の支払いを拒絶できますが、遅延損害金は支払う必要があります。

利息制限法が定める遅延損害金の上限利率

遅延損害金の上限利率について、利息制限法4条1項には次のように定められています。

金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

引用:利息制限法4条1項

つまり、利息の上限利率の1.46倍を遅延損害金の上限とするということです。

借入総額10万円未満10万~100万円100万円以上
利息20%18%15%
遅延損害金29.2%26.28%21.9%

ここで重要なのが利息制限法4条1項は、消費者金融等からの借入れには適用されないということです。
利息制限法7条1項には次のように規定されています。

第四条第一項の規定にかかわらず、営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

引用:利息制限法7条1項

「営業的金銭消費貸借上の債務」とは、業として行われるお金の貸し借りのことで、たとえば消費者金融等で借り入れた場合、遅延損害金の利率は最大20%です。
実際、大手消費者金融では遅延損害金の利率は20%に定められています。

利息制限法に違反した遅延損害金を支払うとどうなる?

遅延損害金を求められる状況は、借主が約束どおりに返済できなかった場合です。
そうなると、借主の立場としては弱く、貸主の求めに応じて利息制限法の上限を超えた遅延損害金を支払ってしまうかもしれません。
では、次に利息制限法に違反した遅延損害金を支払った場合にどうなるかを解説します。

(1)利息制限法が定める上限利率を超えている部分は無効になる

利息制限法4条1項や7条1項では、次のように規定されています。

その超過部分について、無効とする。

引用:利息制限法4条1項、7条1項

つまり、利息制限法上の上限利率を超えている部分は無効になります。
もっとも、元本が残っていれば、超過分は元本に充当され、元本に充当してもなお、支払った超過分があれば、過払い金として貸主に対して請求できることになります。

(2)利息制限法に罰則は定められていない

利息制限法に罰則はないため、利息制限法の上限を超える利息や遅延損害金を請求しても、利息制限法を根拠に刑事罰や行政処分が科せられることはありません。

もっとも、利息制限法と同様、お金の貸し借りについて取り締まる出資法や貸金業法には、違反した場合の罰則(刑事罰や行政処分)が定められています。出資法では、業として行われるお金の貸し借りの上限利率が年20%と定められていますので、たとえば、年利30%でお金を貸す場合、出資法の上限金利を超えているため、刑事罰の対象となります。もちろん、脅してお金を受け取った場合には恐喝罪や強要罪が成立する可能性もあります。

遅延損害金を発生させないための対処法

遅延損害金は、利息の上限利率を超える利率で定めることができ、実際の取引においても上限金利ギリギリで定められていることが多い傾向にあります。そのため、約束どおりに借金の返済ができないと返済総額が跳ね上がってしまうでしょう。
そこで、遅延損害金を発生させないように2つの対処法をお伝えします。

(1)借入先に相談する

法律上、約束どおりに支払えなければ遅延損害金は発生します。もっとも、実際に遅延損害金を請求するかどうかは、貸主の意向次第です。約束どおりに返済できない場合には、あらかじめ返済できない理由や返済できる時期の目安を伝えておくなど誠実に対応しましょう。
場合によっては、返済期日を先延ばしにしてもらえたり遅延損害金を免除してもらえたりする可能性があります。ただし、遅延損害金を免除してもらえる可能性は高くありません。

(2)債務整理を検討する

遅延損害金が発生してしまい、完済の目途が立たない場合には、債務整理を検討しましょう。
弁護士に相談すれば、自己破産・民事再生・任意整理の中から、自身の状況や希望に応じた方法をアドバイスしてもらうことが可能です。

遅延損害金の発生を防ぐために、新たにお金を借り入れても、いつかお金を借りられなくなる時期が来てしまいます。借金返済のために借金を繰り返しても事態が好転する可能性は低く、場合によっては自己破産ができなくなってしまうこともあるので、注意しましょう。

【まとめ】借金の遅延損害金でお困りの方はアディーレ法律事務所へ

利息制限法とは、借金の利息や遅延損害金の利率を制限するための法律です。利息とはお金を貸してくれたことに対する報酬のようなもので、遅延損害金とは、返済期限を過ぎても借金を返済しない場合に発生する損害賠償金(ペナルティ)のことです。
利息制限法では、遅延損害金の上限利率を利息の上限利率の1.46倍までとしており、遅延損害金は利息よりも高額になる傾向にあります。もっとも、高額といっても限度があります。利息制限法の定める上限利率を超えた利率で遅延損害金を支払った場合、超過部分は無効となり、元本に充当されてもなお払いすぎた利息があれば、取り返すことができます(過払い金請求)。
借金の問題でお悩みの方は、アディーレ法律事務所にご相談ください。

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