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母子手当とは?手当の対象者や金額、いつまでもらえるかを徹底解説!

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リーガライフラボ

※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが、具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。

「母子手当って何?支給対象者や支給金額はどのようになっているの?」

母子手当とは、両親が離婚、死別した場合等に支給される手当です。
正式には「児童扶養手当」と呼ばれています。
よく似た手当に、児童手当というものがありますが、これと母子手当は異なる公的扶助制度であり、ひとり親世帯では、要件を満たせば児童手当と児童扶養手当の両方を受給することができます。
母子手当の支給金額は、扶養児童の人数や受給者の所得等によって異なるため、あらかじめチェックしておくとよいでしょう。

本記事では、次のことについて弁護士が解説します。

  • 母子手当とは
  • 母子手当と児童手当の違い
  • 母子手当の給付サイクル
  • 母子手当の給付金額
  • 母子手当の所得制限
この記事の監修弁護士
弁護士 林 頼信

慶應義塾大学卒。大手住宅設備機器メーカーの営業部門や法務部での勤務を経て司法試験合格。アディーレ法律事務所へ入所以来、不倫慰謝料事件、離婚事件を一貫して担当。ご相談者・ご依頼者に可能な限りわかりやすい説明を心掛けており、「身近な」法律事務所を実現すべく職務にまい進している。東京弁護士会所属。

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母子手当とは?

母子手当とは、両親が離婚、死別した場合等に支給される手当です。
正式には「児童扶養手当」と呼ばれています。
子どものために支払われる手当なので、子どもを養育していなければ受け取れません。

児童手当と名前が似ていますが、児童扶養手当(母子手当)と児童手当は異なります。
そのため、ひとり親世帯では、要件を満たせば児童手当と児童扶養手当の両方を受給できます。

養育者の所得金額や児童の人数によって受け取れる金額が異なりますので、詳しくみていきましょう。

児童手当と母子手当のちがい

児童手当を受給できるのは子どもが中学校を修了するまで(15歳となった後の最初の3月31日まで)であるのに対して、母子手当は子どもが18歳になった後の最初の3月31日まで受給することができます(子どもに中度の障害がある場合には、20歳まで)。母子手当のほうがより長く受給できます。
児童手当にも、母子手当にも、受給するための所得制限があります。

ただし、児童手当については、所得制限限度額を超えると、特例給付として児童一人当たり月額5000円のみ受け取ることができます(※)。児童手当のほうが所得制限限度額が高く、それを超えても受け取れるお金があるという違いがあります。
所得制限限度額は年収ではなく、年収が所得制限限度額と一致するからといって児童手当を受け取れないわけではありません(むしろ、年収が所得制限限度額とほぼ同じであれば児童手当を受給できるでしょう)。

共働き世帯では、母子手当を受け取れないのに対し、要件を満たせば児童手当を受け取ることができます(共働き世帯でも、再婚後の夫婦であれば例外的に母子手当を受給できるケースはあります)。

児童手当は受給金額が少ない反面多くの人が受け取れるのが特徴であるのに対し、母子手当は特に苦しい世帯に限ってできるだけ多くの経済的援助をする制度になっています。

そのほか、受給時期にも違いがあり、児童手当は毎年6月、10月、2月に支給されるのに対して、母子手当は毎年1月、3月、5月、7月、9月、11月に支給されます。

※児童手当法の改正により、令和4年10月期支給分から、所得上限限度額以上の所得の方に支給されていた特例給付が、所得上限限度額を超えている場合には支給されなくなりました。

※ただし、この児童手当の所得制限は批判も多かったところ、複数のニュースによれば、政府は児童手当の所得上限を撤廃し、受給時期も18歳まで引き上げる策を段階的に実施したい方針を明らかにしています(2023年2月4日時点)。

参考:「子育て罰」なくなる?次元の異なる”児童手当の拡充”は実現可能か|TBS NEWSBIG

母子手当の支給対象者

母子手当と聞くと、シングルマザーに限って受け取れるように思うかもしれません。
しかし、父子世帯など受給できる場合はほかにもあります。

具体的には、次のようなケースで支給されます。

  • 父母が離婚
  • 父または母が死亡
  • 父または母が重度の障害を有している
  • 父または母の生死が不明
  • 父または母に1年以上遺棄されている
  • 父または母が裁判所からのDV保護命令を受けている
  • 父または母が法令により1年以上拘禁されている
  • 婚姻によらないで生まれ、父または母に扶養されていない

反対に、次のようなケースでは受給することができません。

  • 両親や子どもが日本国内に住所を有しない
  • 子どもが児童福祉施設等(母子生活支援施設などを除く)に入所している
  • 子どもが父又は母の配偶者(事実上の配偶者を含み、政令で定める障害の状態にある者を除く)に養育されている、もしくは生計を同じくしており、一定以上の所得がある

国籍が日本以外の場合であっても、一定の在留資格があれば受給できます。

離婚すると同時に受給できるわけではなく、受給するにはお住まいの市町村での申請が必要です。通常、申請の翌月分から受給することができます。
遡って受給することはできませんので、注意してください。

母子手当の受給を継続するためには、毎年8月、現在の子どもの状況を知らせる「現況届」を提出しなければなりません。定められた日までに、現況届を提出しなければ児童手当の受給がストップしてしまいます。
さらに、現況届を提出しないまま2年を過ぎると、時効によって受給資格を失います。

もし、母子手当を受給できる要件を満たさないにもかかわらず受給している場合には、不正受給に該当し、現地調査や面談など調査が行われた結果、資格喪失の手続きが行われます。
不正に受給したお金を返さなければなりませんし、悪質なケースだと判断されると、3年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられることがあります。

離婚した後、別の人と事実婚状態になった等受給資格に変化が生じたら、まず市役所に連絡をしましょう。ばれないだろうと考え、不正受給をするのは絶対にやめましょう。
引っ越しの際には改めて申請することが必要なので、忘れずに手続きを行ってください。

母子手当の給付サイクル

母子手当は年6回、1月、3月、5月、7月、9月、11月に2ヶ月分支給されます。
奇数月に母子手当が支給されると覚えておくと良いでしょう。
基本的に支給日は毎月10日ですが、土日祝日と重なれば多少前後します。

2019年10月までは、年3回、4月、8月、12月の11日に支給されていました。
4ヶ月分がまとめて支給されていたため、お金のやりくりが大変だったかもしれません。
隔月ペースで入金されるため、使い過ぎることはないでしょう。

母子手当の給付金額

2023年4月分以降の支給額は、次のとおりです。
毎年、物価の変動に応じて、多少の変動があります。

児童数全部支給一部支給
1人4万4140円1万410円~4万4130円
2人1万420円を加算5210円~1万410円を加算
3人以上3人目から1人増すごとに6250円を加算3人目から1人増すごとに3130~6240円を加算

母子手当の支給額は、日本国内どこに住んでいても、変わりません。
一定以上の所得がある場合には、母子手当を全部または一部受け取ることはできません。
母子手当よりも高額な障害者基礎年金等を受け取っている場合には、母子手当を全額受給することができませんでした。ただし、2021年3月分の手当以降は、母子手当の額が障害年金の子の加算部分の額を上回る場合には、その差額を母子手当として受給できるようになりました。

参考:児童扶養手当について|こども家庭庁
参考:障害基礎年金等を受給しているひとり親のご家庭の皆さま「児童扶養手当」が変わります|厚生労働省

母子手当の所得制限

母子手当を受け取れるのは、受給者、受給者の配偶者・扶養義務者の所得が限度額未満の時です。扶養義務者とは、受給者等の直系血族(両親など)及び兄弟姉妹で、受給者等と生計を同じくする人のことです。通常、同居していれば生計を同じくしていると考えられます。

母子手当の所得制限限度額は次の表のとおりです。

扶養親族等の人数全部支給一部支給配偶者等の所得
0人49万円未満192万円未満236万円未満
1人87万円未満230万円未満274万円未満
2人125万円未満268万円未満312万円未満
3人163万円未満306万円未満350万円未満
4人201万円未満344万円未満388万円未満

配偶者等の所得が基準額を上回る場合には、一部であれ母子手当を受給することはできません。

所得額は、次の計算式で求めます。
所得=収入金額-諸経費(給与所得控除額)+養育費の8割相当額(養育費×0.8)-諸控除額(医療費など)-80000円
10~12月に申請すると前年の所得で支給額を判断され、1~9月に申請すると前々年の所得で支給額が判断されます。

養育費とは、次の条件をすべて満たすものです。これらの条件を満たせば、現金に限らず、小切手や株券など有価証券であっても養育費にあたります。

  • 子どもの父または母から、子どももしくは受給者に支払われたもの
  • 手渡し、郵送、受給者または子ども名義の銀行口座への振り込みであること
  • 子どもの養育に関係のある経費として支払われていること

養育費にあたるのか判断に迷う場合には、役所の担当窓口に相談しましょう。

一部支給額の場合の手当月額は、次の計算式(2022年4月分から)で求めます。
手当月額=43150円-(受給者の所得額-所得制限限度額)×0.0230070
イメージ的にいえば、収入が基準を上回る分だけ、受取金額が少なくなっていきます。

一方、児童手当を受け取れるかは次の手順でチェックできます。

  1. 源泉徴収票の給与所得控除後の金額をみます。
  2. その金額から次の諸控除を差し引きます。
    ・医療費控除
    ・障害者控除
    ・特別障害者控除
    ・配偶者特別控除
    ・寡婦控除(※1)
    ・ひとり親控除(※2)
    ・小規模共済等掛金控除
    ・雑損控除
    ・勤労学生控除
  3. さらに8万円を差し引きます。この8万円は、法律で決まっています(2022年4月時点)。
    最終的に計算された金額が所得制限限度額を超えているかがポイントになります。
    iDeCoの掛け金(小規模共済等掛金控除)であれば自分で調整することができますので、所得制限限度額をまもなく超えそうな場合には、自分で多少調整することも可能です。

※1 受給者が母のときは、寡婦控除は適用されません。申請者が、児童の父母を除いて、児童を養育している場合(祖母など)で、寡婦控除がある場合にはそれを差し引きます。

※2 受給者が父母のときは、ひとり親控除は適用されません。申請者が、児童の父母を除いて、児童を養育している場合(祖父母など)で、ひとり親控除がある場合にはそれを差し引きます。

【まとめ】借金に頼る前に公的扶助制度を活用しましょう

本記事をまとめると次のようになります。

  • 母子手当は、正式には「児童扶養手当」といい、両親が離婚、死別した場合等に支給される手当をいう
  • 母子手当は、児童手当とは異なる公的扶助制度であり、ひとり親世帯では、要件を満たせば児童手当と児童扶養手当の両方を受給可能
  • 母子手当は年6回、1月、3月、5月、7月、9月、11月に2ヶ月分支給される
  • 母子手当の支給額は、扶養児童の人数、受給者、受給者の配偶者・扶養義務者の所得により異なる

ひとり親世帯であれば、児童手当と母子手当の両方を受け取れる可能性が高いでしょう。
さらに、お住いの地域によっては、住宅手当等ひとり親世帯を助ける手当がほかにもあります。
仕事と家事・育児を並行して行うことは簡単ではありません。
思うように働けずに、お金の工面に苦労することもあるでしょう。

そんなとき、消費者金融からの借入れに頼る前に、可能な限り公的扶助制度を活用しましょう。
もしすでに抱えてしまった借入れでお困りならば、債務整理を取り扱っているアディーレ法律事務所にご相談ください。債務整理のご相談は何度でも無料です。

アディーレ法律事務所では、ご依頼いただいた所定の債務整理手続きにつき、所定の成果を得られなかった場合、原則として、当該手続きに関してお支払いただいた弁護士費用を全額ご返金しております。

また、債務整理の過程で完済した業者への過払い金の発生が分かることがあります。
完済した業者への過払い金返還請求の手続きの場合は、原則として過払い金を回収できた場合のみ、成果に応じた弁護士費用をいただいておりますので、費用をあらかじめご用意いただく必要はありません(2022年5月時点)。

債務整理についてお悩みの方は、債務整理を得意とするアディーレ法律事務所にご相談ください。