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過払い金返還請求をしたらブラックリストに載る場合と載らない場合がある

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「過払い金返還請求をしたい……でもブラックリストに載るのか気になる」

いわゆるブラックリスト(信用情報の事故情報)に載ると原則として新たな借り入れはできなくなります。

  • 完済する前に過払い金返還請求をするのか
  • 完済した後に過払い金返還請求をするのか

によって、信用情報に事故情報が載るのか載らないのかが変わってきます。

過払い金返還請求をするとどのような場合に、信用情報に事故情報が載るのかについて、弁護士が解説します。

過払い金返還請求ってなに?

まず、そもそも過払い金返還請求とは何かについてご説明します。
「過払い金返還請求」とは、貸金業者に支払い過ぎたお金を返すように請求することのことです。
利息制限法の上限を超える金利(負債額に応じて15~20%)を長く支払っている場合には、実は負債残高を超えるほどのお金を払っている状態になっていることがあります。
この場合、支払い過ぎたお金があることになるので、「過払い金返還請求」の権利が発生しているのです。

ブラックリストってなに?

次にブラックリストについてご説明します。
よく「ブラックリスト」という言葉をお聞きになるかもしれませんが、金融機関においてブラックリストという名前の名簿は存在しません。

もっとも、信用情報のうち「事故情報」の部分を、俗にブラックリストと呼ぶことがあります。
信用情報とは、借入の申し込みや契約などに関する情報のことをいい、信用情報機関(※)が管理しています。

※信用情報機関には、以下の3つがあり、どこの金融機関から借り入れたかによって、登録される信用情報機関が異なります。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC):主にクレジットカード会社が加盟する信用情報機関
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC):主に消費者金融が加盟する信用情報機関
  • 全国銀行協会(全国銀行個人信用情報センター・KSC):銀行や信用金庫、信用保証協会などが加盟する信用情報機関

そして、「事故情報」とは、

  • 返済が一定期間滞った
  • 破産開始決定が出た

などの情報のことです。
延滞等の事故情報は、上記3つの信用情報機関の間で共有されています。

信用情報に事故情報が登録されると、経済的な信用を失いますので、当該記録が消えるまでの間、新たな借入れやクレジットカード発行の申込みをしても審査に原則として通らなくなります。
また、カードの更新も原則としてできなくなりますし、保証人となる事も原則としてできなくなります。

過払い金返還請求をするとブラックリストに載るの?

では、過払い金返還請求をするとブラックリストに載るのでしょうか。

まず、現在では、「過払い金返還請求をした」といった類の信用情報の項目は設けられていません。

以前は過払い金請求を行うことで「契約見直し」という情報が、信用情報に登録されることがありましたが、当該扱いは、2010年4月19日に廃止にされました。

そのため過払い金返還請求をしたこと自体が、事故情報扱いされることはありません。

(1)完済した後の過払い金返還請求の場合

このように、「過払い金返還請求をした」という信用情報の項目は設けられていないので、負債を完済した後につき、当該元借り入れについて過払い金返還請求をしても、事故情報扱いされません。
ただし、過払い金返還請求をした金融機関のカードについては解約となり利用できなくなるのが通常です(他の金融機関のカードには影響ありません)。

なお、完済とは「同一の借入先に対する負債全て」の完済のことをいいます。
A社からのキャッシングを完済していても、A社からのショッピングは負債が残っているという場合には、完済前の過払い金返還請求となります。

(2)完済する前の過払い金返還請求の場合

負債を完済する前に、当該借り入れ先に対する過払い金返還請求をする場合には、注意が必要です。

次のいずれのパターンであるかによって、信用情報の取り扱いが異なりますので、分けて説明します。

  • 引き直し計算の結果、負債が残る場合
  • 引き直し計算の結果、負債が残らない場合

(2-1)引き直し計算の結果、負債が残る場合

過払い金があるだろうと思って、負債が残っている状態で当該借入先に過払い金返還請求をした結果、払いすぎた金利が想定よりも少なく、引き直し計算(適正な利息で負債残高や払いすぎた利息を計算すること)をしても負債残高が残ることがあります。
引き直し計算をしても負債残高が残る場合は、信用情報に事故情報が載る可能性があります。

というのも、信用情報機関によっては、引き直し計算後負債残高が残った場合には、債務整理をしたという事故情報を登録する運用をしています。

さらに、信用情報機関によっては、引き直し計算後負債が残ることで、月々の返済額や返済総額を減らして、貸金業者と和解することがありますが、このような和解をしたという事実も信用情報に登録されることがあり、当該事実をもって事故情報として扱われる可能性があります。

ただし、これらの事故情報は永久に残るわけではありません。

  • 自力で借金をなくすか(完済など)、
  • 任意整理や破産・個人再生等をする

などをして、金融機関からの借金をなくした時点から長くとも5年(破産・再生の場合は約5~10年)を経れば、当該事故情報は削除されます(登録されている信用情報機関や契約時期、負債がなくなった原因によって、登録される期間などが異なります)。
※なお、債務整理の相手方となった借り入れ先やそのグループ会社では、社内に事故情報が半永久的に登録され続ける可能性があります。

参考:「信用情報開示報告書」表示項目の説明|割賦販売法・賃金業法指定信用情報機関(CIC)
参考:CICが保有する信用情報|割賦販売法・賃金業法指定信用情報機関(CIC)
参考:<詳細版>『信用情報記録開示書』項目説明書|指定信用情報機関 株式会社 日本信用情報機構(JICC)
参考:登録情報開示報告書の見方について|一般社団法人 全国銀行協会

(2-2)引き直し計算の結果、負債が残らない場合

負債残高のある借入金につき、過払い金返還請求を行った場合、借入先によっては、一旦「債務整理をした」ということで事故情報が登録されることがあるものの、引き直し計算の結果、負債が残らないことが確認されると、その時点で、債務整理をしたという情報が削除されることが通常です(もし削除されないようであれば、自ら申し入れて削除を要求するという方法もあります)。

なお、引き直し計算前に、債務整理をしたという情報を信用情報に登録するかは、借入先によって異なります。
そのため、借入先によっては、引き直し計算の結果、負債が残ることが確認できるまでは、事故情報を信用情報に登録しないという運用をしている場合もあります。
このように、一旦事故情報が登録されるか否かはケースバイケースです。

取引履歴を取り寄せると、引き直し計算の結果の予測ができる

これまでご説明した通り、引き直し計算をしても負債が残る場合に、過払い金返還請求をすると、「債務整理」をした等として事故情報が登録される可能性があります。
そうすると、負債残高が残っていて、完済の目途が立たない場合は、過払い金返還請求をするかどうか迷う方もいるかもしれません。
迷っている方は、過払い金返還請求を検討している借入先から「取引履歴」を取り寄せてみましょう。

借入先によって異なりますが、取引履歴には、例えば次の記載がされています。

  • 借入日
  • 利息
  • 借入残高
  • 返済日
  • 返済額

取引履歴を基におおよその引き直し計算をすることができます。
ただし、実際に貸金業者と交渉して初めて確定する情報などもあり、取引履歴だけでは正確な引き直し計算をすることができない場合がありますが、それでもおおよその見当をつけることができることが通常です。

ご自身で取引履歴を取り寄せたことをもって、事故情報扱いされることはありません。
そのため、事故情報が登録されるか気になって過払い金返還請求をするかどうか決めることができない方は、まず取引履歴を取り寄せるとよいでしょう。
ただし、取引履歴を取り寄せている間に、過払い金返還請求の権利が時効により消滅してしまうことがありますので注意が必要です。

ところで、ご自身で引き直し計算をするのは、知識も必要ですし、なかなか大変です。
この点、過払い金返還請求を依頼する前に、弁護士等の専門家が、相談者が持参した取引履歴をもとに引き直し計算をしてくれる場合もあります。
事故情報を懸念している場合には、このように、過払い金返還請求の前に、過払い金が発生しているかどうか診断してくれる弁護士等を探すとよいでしょう。

【まとめ】過払い金返還請求のご相談はアディーレ法律事務所へ

以上の通り、過払い金返還請求をするタイミングが、当該負債を完済する前か、後であるかによって、事故情報が登録されるかどうかが変わってきます。
過払い金返還請求でお悩みの場合は、アディーレ法律事務所へご相談ください。