会社で働いていると、突然の解雇通知に戸惑うことがあるかもしれません。
特に、日本では簡単に解雇されないと信じている人も多いでしょう。しかし、解雇通知書という書類は、従業員にとって非常に重要な意味をもたらします。
このコラムでは、解雇通知書の基本から、解雇予告通知書や解雇理由証明書との違い、受け取った際の確認ポイント、さらには解雇通知書が発行されない場合の対処法まで、徹底的に解説していきます。
もし不当解雇であった場合にも、どうか泣き寝入りせず、この記事を役立ててもらえば幸いです。
この記事を読んでわかること
- 解雇通知書とは
- 解雇通知書と解雇予告通知書や解雇理由証明書との違いとは
- 解雇通知書に記載してあることとは
- 解雇通知書を受け取ったときに確認すべきポイントとは
- 解雇通知書が受け取れない時の対処法とは
- 不当解雇の疑いがある場合の対処法とは
ここを押さえればOK!
解雇通知書には、一般的に解雇日や解雇理由、解雇予告手当の有無が記載されています。
解雇通知書を受け取ったら、これらを確認するようにしましょう。
解雇通知書が発行されない場合、内容証明郵便で正式に請求する方法や労働組合、労働基準監督署、弁護士に相談する方法があります。
不当解雇の疑いがある場合には、弁護士への相談がおすすめです。
弁護士であれば、不当解雇の無効を主張したり、解雇期間中の賃金請求を請求したり、最終的な解決を目指すことができます。
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中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。
解雇通知書とは?
解雇通知書とは、企業が従業員を解雇する際にその旨を正式に伝えるための書面です。
解雇通知書には、解雇の事実や解雇する日などの情報が記載されています。
解雇通知書は、不当解雇の疑いがあり争う際に必要な証拠となります。会社から解雇を告げられた際には必ず受けとり、捨てずに大事にとっておきましょう。
解雇通知書と解雇予告通知書や解雇理由証明書との違いとは
解雇に関係する書面として解雇通知書以外に「解雇予告通知書」と「解雇理由証明書」があります。ここでは、解雇通知書とこれらの書類の違いを説明します。
(1)解雇予告通知書との違い
解雇をする場合には、少なくとも原則30日前に解雇予告をしなければならず、30日前に予告をしない場合、会社は労働者に対し、解雇予告手当として30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。即日解雇ではない場合に、会社が解雇予告をしたことを示す書類が、「解雇予告通知書」になります。
解雇通知書も解雇予告通知書も、労働者に対して解雇の事実や解雇日を明らかにするという点では同じであり、解雇予告通知書は、解雇日より前に発行される書面であるという程度の違いがあるにすぎません。
「解雇通知書」というタイトルであっても、その内容が、事前に解雇予告をするというものであれば、実態は解雇予告通知書ということになります。
(2)解雇理由証明書との違い
解雇理由証明書とは、解雇事由について具体的に記載された書面のことです。
解雇予告がされた日から退職の日までに労働者から解雇理由証明書を請求された場合、事業主は遅滞なく解雇理由証明書を交付しなければなりません。
解雇通知書や解雇予告通知書に解雇理由が書いてある場合もありますが、まったく書いていない場合もあります。
しかし、解雇理由証明書には、解雇の理由を必ず記載しなければなりません。また、解雇通知書や解雇予告通知書について会社に明確な交付義務はありませんが、解雇理由証明書については、労働者の請求に応じた交付が義務付けられているという違いがあります。
解雇通知書に記載してある内容とは
次に、解雇通知書に一般的に記載してある内容について簡単に説明します。
- 会社名
- 労働者名
- 解雇通知書の作成日
- 解雇日:解雇される日付
- 解雇の事実:「解雇します。」など、会社が一方的に雇用契約を終了することを示す文言
- 解雇理由:書いていない場合や簡単にしか書いていない場合もある
解雇通知書の受取り後に確認すべきポイントとは
次に、解雇通知書を受け取り後に確認すべきポイントを紹介します。
解雇通知書を受け取ったら、次のポイントを確認しましょう。
(1)解雇理由が書かれているか
解雇通知書を受け取ったら、まず解雇理由が書かれているか確認しましょう。
具体的な解雇理由が書かれていなければ、解雇理由証明書の発行を求めましょう
そもそも日本では、簡単に解雇できないようになっています。例えば、「上司から嫌われているから」「1日欠勤したから」などの理由で解雇することはできません。
解雇理由を確認し、解雇するに足りる正当な理由であるかをチェックし、不当解雇かどうか確認しておかなければなりません。解雇理由に納得できない場合は、労働基準監督署や弁護士への相談をおすすめします。
(2)解雇日はいつになっているか
次に、解雇日を確認することも重要です。解雇日は労働契約の終了日を意味し、これに基づき給与や退職金の計算が行われます。
次のポイントに注意しましょう。
- 解雇日が具体的に記載されているか
- 解雇日が法的に適正か(会社が労働者を解雇する際には、30日前までに解雇予告をしなければなりません)
- 解雇予告手当の支払いがあるか(解雇予告日数が30日に満たない場合には、解雇予告手当を受け取ることができます)
解雇通知書を発行してもらえない場合の対処法とは
次に、解雇通知書が発行してもらえない場合の対処法について紹介します。
解雇通知書は、不当解雇の疑いがあり争う際に必要な証拠となります。会社から解雇を告げられた際には、請求するようにしましょう。
(1)まずは自分で請求する
解雇通知書や解雇理由証明書が発行されない場合、まずは自分で会社に請求をしてください。解雇通告を行った役員や上司、退職関係書類の発行を担当する従業員などに話をすればよいでしょう。
(2)労働組合や労働基準監督署へ相談する
労働組合や労働基準監督署(労基署)に相談するのも選択肢の1つです。
(3)弁護士に相談する
どうしても会社が解雇通知書や解雇理由証明書を発行してくれない場合、弁護士に相談するのも1つの手です。
弁護士に依頼すると、労働者は弁護士に会社との交渉を任せることができます。
さらに、弁護士であれば、あなたが受けた解雇が「不当解雇」の疑いがある場合の会社との交渉も引き続き任せることができます。
不当解雇の疑いがある場合の対応方法とは
最後に、あなたが受けた解雇が「不当解雇」の疑いがある場合の対処法について紹介します。
(1)労働基準監督署への相談
労働基準監督署は、労働基準法などに違反した会社に対して改善のための指導を行う公的機関で、労働トラブルなどの相談に乗っています。
ただし、労働基準監督署は不当解雇の相談すべてを解決できるわけではありません。
例えば、解雇予告や解雇予告手当を労働基準法の定めるとおりに支払うことを促すということであれば、対応してくれることも多いです。
これに対し、解雇理由の是非については、法律の解釈や判例の理解などが必要な部分であり、労働基準監督署が介入することが難しいのが実情です。解決方法の一般的なアドバイスなら受けられますので、アドバイスだけでも受けたい方は一度労働基準監督署に相談してみてもよいかもしれません。
(2)弁護士への相談
不当解雇が疑われる場合、法律のプロである弁護士に相談するのがよいでしょう。
「不当解雇に当たるかどうかの見極め」や集めるべき証拠のアドバイスなどの対応もしてもらえます。
弁護士であれば、不当解雇の無効を主張したり、解雇期間中の賃金請求を請求したり、最終的な解決を目指すことができます。
【まとめ】解雇通知書とは会社から解雇を伝える書面|不当解雇は弁護士へ相談を
解雇通知書は、企業が従業員を解雇する際にその旨を正式に伝える書面です。
解雇通知書を受け取った際には冷静に内容を確認し、不当解雇の疑いがある場合には、自分の身を守るためにも弁護士へ相談するとよいでしょう。
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