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名義貸しは免責不許可事由になるのか?他人の借金を支払う義務が発生するのかを解説

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家族や友人から「絶対に迷惑をかけないので、お金を借りてほしい」と頼まれ、実際にお金を借りて渡したところ、その後消費者金融などから自分が返済を求められるようになって法律事務所に訪れる人がいます。

「名前を貸しただけなのに、私が借金を返す必要があるのか?」

残念ながら名前を貸すという“重大な”ことをしたので、借金を返済しなければなりません。
それどころか、破産をする場合、同時廃止(どうじはいし)と呼ばれる簡略化された手続きではなく、弁護士費用・裁判費用の高額な少額管財(しょうがくかんざい)と呼ばれる手続きになる可能性が高いといえます。
そこで、今回は「名義貸しと破産手続きの関係」を解説します。

名義貸しとは?

名義貸しとは、自分の名義(名前)を他人に貸す行為です。
たとえば、消費者金融からお金を借り入れる際、自分の名前でお金を借りることを許す行為です。自分の名前でお金を借り、そのお金は名義を貸した相手が受け取っているのですから、自分が借りたお金を相手に貸しているようなものです。

たとえば、次のようなケースが想定されます。

  • 消費者金融からお金を借りるために印鑑など必要書類を貸してほしい
  • 消費者金融のカードを使わせてほしい

いずれにしても債権者(お金を貸した人)は、名義人にお金を貸していると認識しています。
名義人も名前を貸すことに同意した以上、借金を返済する義務を負います。

そもそも何の問題もなければ、他人の名義を借りずに自分の名義で契約すれば済む話です。
それにもかかわらず、他人の名義を借りようとするのは、限度額まで借り入れているためこれ以上の借入れを債権者から断られているなど自分の名義で借りられない事情があるからでしょう。
「絶対に自分で返す」と約束していても、いずれ借金を返せなくなるのは明白です。

名義を借りた人が借金を返済できなくなったとき、名義を貸した人が借金を返済しなければなりません。もし借金の返済ができなければ、自ら破産手続きをすることになります。

名義貸しは、消費者金融などとの契約違反に当たりますし、詐欺罪にも該当します。
「絶対に迷惑をかけない」との言葉を鵜呑みにせず、キッパリと断ってください。
最悪の場合、名義を貸した相手が途方もない金額を借り入れてしまうリスクさえあります。

免責不許可事由とは?

免責不許可事由とは、自己破産による免責が認められない事情をいいます。
簡単に言うと、破産を申立てても借金の返済義務が免除されない可能性のある理由です。
名義貸しは、免責不許可事由にあたるのでしょうか。

免責不許可事由の種類

破産法252条1項では、以下の11個の免責不許可事由が定められています。

  1. 不当な破産財団価値減少行為
  2. 不当な債務負担行為
  3. 不当な偏波行為
  4. 浪費または賭博その他の射幸行為
  5. 詐術による信用取引
  6. 業務帳簿隠滅等の行為
  7. 虚偽の債権者名簿提出行為
  8. 調査協力義務違反行為
  9. 管財業務妨害行為
  10. 7年以内の免責取得など
  11. 破産法上の義務違反行為

名義を貸していただけで利益を得ていない場合には、いずれにも該当しない可能性が高いでしょう(名義を借りた人は、詐術による信用取引にあたる可能性があります)。もっとも、名義を貸すことによって破産者自身も(遊興的な)利益を得ていた場合には、「浪費」つまり免責不許可事由に該当すると判断されるおそれがあります(東京高決平成16年2月9日・判タ1160号296頁)。

名義貸しは少管移行リスクが高まる?

名義を貸した相手が返済してくれなくなったとき、督促は名義を貸した人に届きます。
そのとき、すぐに破産しようと考える人は少なく、多くの人がいくらか返済します。

名義を貸した人は、名義を貸した相手から返済した分の金額を回収できるようになります。
たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。

Aさんと小学校からの親友であるBさんは、Aさんに土下座されて、「10万円なら…」と自分の名前で作ったローン専用カードを渡してしまいました。それから1年後、Bさんのもとにはそのローン会社から100万円の返済を求める督促状が届きました。
Bさんは25万円を返済したものの、その後失業して、弁護士事務所を訪ねました。

このような場合、BさんはAさんから25万円を取り戻すことができます。

一般的に、このような回収可能な財産があると、財産を回収してからでなければ破産手続きは終了しません。
そのため、裁判所の代わりにお金を回収する弁護士が選任される少額管財手続きになるのです。

少額管財手続きになると、予納金と呼ばれる手続き費用(最低20万円)を裁判所に納めなければなりません。また、管財人弁護士との打ち合わせや債権者集会といった手続きを経なければなりません。そのため、少額管財のほうが同時廃止よりも負担は重いといえます。

破産手続きを弁護士に依頼することで、裁判所に破産を申立てる前に、名義を貸した相手から財産を回収できるかを検討してもらえます。通常、名義を貸した相手は逃亡していることが多く、少なくとも借金を返済できるだけのお金はないでしょう。
回収不可能だとはっきりわかると、名義を貸した経緯や返済金額、借入総額によるものの、同時廃止手続きで済む可能性が高まります。

【まとめ】借金に関するご相談はアディーレ法律事務所へ

名義貸しは、債権者に対する詐欺罪に当たりますので、絶対にやめてください。
もし誰かに名義を貸してしまった結果、借金の返済にお困りならば、弁護士に相談することをおすすめします。名義貸しに関して膨らんだ借金の返済に不安のある方はアディーレ法律事務所へご相談ください。

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