JCBカードの支払い遅れはどうなる？8つの滞納リスクと対処法を解説

「JCBカードの支払いが遅れてしまった！支払いの督促はいつから？どんなリスクが考えられる？」

クレジットカードは便利ですが、ついつい使いすぎてしまうと毎月の返済が困難になってしまうおそれがあります。
JCBカードの場合、支払日に支払いができないと、翌日からカードを使えなくなってしまうため、前日までにしっかり引き落とし金額を準備しておく必要があります。
この記事では、次のことについて弁護士が解説します。

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この記事の監修弁護士

弁護士　谷崎　翔

アディーレ法律事務所

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院（現在名：東京都立大学法科大学院）卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

JCBカードの支払いが遅れたらどうなる？

JCBカードの支払いが遅れた場合に生じる可能性のあるリスクは、次のとおりです。

それぞれについてご説明します。

（1）支払日の翌日からカードが利用できなくなる

JCBカードの場合、滞納すると支払日の翌日からカードの利用が停止・制限される可能性があります。
カードの利用が停止されると、ショッピングだけでなく、キャッシングもできなくなるため注意しましょう。

また、JCBカードを複数枚利用している場合、そのうち１つでも支払いが遅れるとほかのカードも利用できなくなる可能性があります。

（2）支払日の翌日から遅延損害金が発生する

JCBカードの支払いが1日でも遅れると、遅延損害金が発生します。
遅延損害金とは、支払いが遅れたことに対する損害賠償として支払うべきお金のことです。
遅延損害金は、支払日の翌日から完済まで発生し続けるため、支払いが遅れれば遅れるほど支払総額が大きくなってしまいます。滞納はできるだけ早く解消するようにしましょう。

なお、JCBカードの遅延損害金の利率は次のとおりです。

参考：JCB会員規約（個人用）第35条1項

（3）SMS（ショートメッセージ）や郵便で督促される

支払日から数日たっても支払いがないと、SMS（ショートメッセージ）や郵便で督促されるようになります。
ただし、督促の連絡が来るタイミングは人によって異なるため、1日でも支払日を過ぎれば督促の連絡が来る可能性は否定できません。

なお、JCBを装ったSMS（ショートメッセージ）が届くこともあるようですので、本当にJCBからの連絡なのかどうかは、JCBの電話番号をホームページなどで確認するようにしましょう。
ただし、正規の電話番号がすべてホームページに載っているとは限りません。

（4）強制解約になる

JCBカードは、会員規約において「本会員が支払額を支払日に支払わなかったとき」に、「相当期間を定めた当社からの通知、催告後に是正されない場合（途中省略）会員資格を喪失します」と定めています。

つまり、支払いが遅れ、督促されたあとも一定期間以上支払いをしなければ、JCBカードが強制解約になる可能性があります。

（5）一括請求される

JCBカードの規約によると、相当期間を定めた催告後にも支払いがない場合には、JCBに対して負っている債務を一括で全額支払わなければならなくなります。

また、ショッピング利用の場合には、20日以上の支払遅れがあると一括請求されると定められています。

つまり、まだ支払日が来ていない分についても、その支払日まで待ってもらえなくなり、すぐに全額支払わなければならない義務を負うということです。

（6）ブラックリストに載る

一般的に、支払いが1～2ヵ月遅れると信用情報機関に事故情報が登録されます。
これを俗に「ブラックリストに載る」といいますが、実際にそのような名前の名簿があるわけではありません。

信用情報機関に事故情報が登録されると、新しく借入れをしたり、ローンを組んだりすることが難しくなります。
また、支払いの遅れが原因の場合、滞納分を完済してから5年ほどは事故情報が登録され続けるため、デメリットが大きいといえるでしょう。

（7）裁判を起こされる

さらに滞納期間が長引くと、裁判を起こされる可能性が高まってしまいます。

裁判所から「支払督促」や「訴状」といった書面が届いた場合、JCBカードが法的措置を行ったということです。

裁判所の連絡を無視し何の対応もしないでいると、基本的にはJCB側の言い分が認められることになるため、「異議申立書」や「答弁書」を提出するといった対応を取る必要があります。
もっとも、きちんと対応したとしても、滞納が事実であればJCB側（債権者）の言い分が認められる可能性が高いでしょう。

債権者の言い分が認められると、債権者は確定判決や仮執行宣言付支払督促といった、債務名義（※）を取得します。
※差押えなどの強制執行のために必要となる書面

また、どのタイミングで裁判を起こしてくるかは債権者次第です。
滞納額にもよりますが、一般的には数ヵ月以上の滞納があれば裁判を起こされる可能性が高いでしょう。
しかし、1日でも支払いが遅れているのであれば、法律上は裁判を起こすことができます。

（8）給与や預金を差し押さえられる

債権者が債務名義を取得した結果、支払いを命じられているにもかかわらず支払いをしないでいると、強制執行の手続により、給与や預金を差し押さえられる可能性があります。
そして、債務名義がある以上、全額支払って滞納を解消しない限り、基本的に差押えを止めることはできません。

JCBカードの支払いが遅れそうなときはどうすればいい？

JCBカードの支払日が迫っているけれど、必要な金額が用意できそうにないときは、どうすればよいのでしょうか。

事前にできることは、主に次の2つです。

支払方法を変更する

ショッピング利用の場合、JCBカードでは支払方法を変更できます。
ショッピング1回払い利用分をあとから次の3種類のうちいずれかを選択します。
参考：スキップ・分割・リボ払い|JCB

ただし、カード発行会社が「株式会社ジェーシービー」以外であれば、MyJCBへの登録や、支払方法の変更ができない場合があります。

支払いが遅れることを連絡する

支払日までに支払えそうにない場合、前もって会員専用Webサービス（MyJCB）や電話で、支払いが遅れそうなことや支払いができそうな日を連絡しましょう。
ただし、事前に連絡したからといって、遅延損害金が発生しなくなるわけではありません。

JCBカードの支払いが遅れたときの対処法

次に、支払日までに支払いができなかった場合についてご説明します。

再振替や指定口座への振込みで滞納を解消する

カードの発行会社が「株式会社ジェーシービー」である場合、JCBカードの支払口座に指定している金融機関で再振替ができるのであれば、再振替日に自動で引き落とされます。
また、JCBから指定された口座に振り込むこともできます。

なお、カード発行会社が「株式会社ジェーシービー」以外である場合、再振替に対応しているかはカード発行会社ごとに異なります。
そのため、支払いが遅れた場合の支払方法を事前に確認しておくことが必要です。

たとえ支払いが遅れてしまったとしても、数日など短期間であれば信用情報に大きな影響はないでしょう。
利用者の事情で支払いが遅れたという情報が記載される可能性はありますが、事故情報が登録される（いわゆる「ブラックリストに載る」）ことは基本的にないと考えられるからです。

窓口で相談してみる

カードの発行会社が「株式会社ジェーシービー」であれば、JCB調査デスクなど、JCBカードの利用者のための窓口に相談してみましょう。
先ほどご紹介した支払方法の変更だけでなく、すでにリボ払いにしている場合には、毎月の支払金額を変更できる場合もあります。
そのため、利用者に応じた具体的な対処法を提示してくれると考えられます。

しかし、支払方法の変更などによって請求額を全額支払うことを先延ばしにしても、根本的な解決にはなりません。

それぞれの事情にもよりますが、請求金額をあらかじめ決められた支払日までに支払えない状況になっている以上、家計の見直しなどを行う必要性が高いでしょう。

弁護士への相談により改善に向かう場合も

収入が急激に増える場合でもない限り、基本的には放っておいても借金問題は解決しません。
JCBカードに限らず、クレジットカードの支払いが遅れがちになっているのであれば、弁護士に相談することで状況が改善する場合があります。

もっとも、滞納が長引いて差押えにまで話が進んでしまうと、たとえ弁護士が介入しても打つ手がない状態になっている可能性が高いため、早めの相談をおすすめします。

借金問題を解決するためのアドバイスをもらえる

弁護士であれば、家計状況や債務状況を総合的に判断して、借金問題を解決するための具体的なアドバイスができます。
また、状況によっては、必ずしも債務整理をしなければいけないわけではなく、より簡単な方法で問題を解決できることもあります。

自分に合った債務整理を提案してくれる

借金問題の代表的な解決方法として、債務整理が挙げられます。
債務整理とは、借金を減らしたり、支払いに猶予を持たせたりすることで、借金の悩みを解決できる手続で、主に次の3種類があります。

上記3つの債務整理にはそれぞれメリット・デメリットがあり、家計状況や債務の総額によって適切な方法は異なります。

なお、債務整理を行うと信用情報機関に事故情報が登録されますが、そもそも滞納が長期化しているのであれば、すでに事故情報は登録されていると考えられます。

精神的な負担の軽減につながる

弁護士に相談して問題解決までの道のりが見えるようになれば、精神的な負担が大きく軽減されることもあります。

また、弁護士に債務整理を依頼すると、貸金業者などからの直接の督促がストップします（※）。
督促が精神的ストレスの原因になっている場合には、大きなメリットとなるでしょう。
※督促はストップしますが、裁判上の請求や差押えの手続はストップしません。

【まとめ】支払いが遅れると遅延損害金が発生し、カードが利用できなくなるリスクあり

JCBカードの支払いが遅れた場合に生じる可能性のあるリスクは、次のとおり

1. 支払日の翌日からカードが利用できなくなる
2. 支払日の翌日から遅延損害金が発生する
3. SMS（ショートメッセージ）や郵便で督促される
4. 強制解約になる
5. 一括請求される
6. ブラックリストに載る
7. 裁判を起こされる
8. 給与や預金を差し押さえられる

• 支払いが遅れそうなときは、支払方法の変更や、支払いが遅れることを連絡するといった対処法がある
• 支払いが遅れたときは、すみやかに滞納を解消すべきだが、経済的に難しい場合にはJCBカードの窓口に相談する
• 弁護士に相談すれば、借金問題の根本的な解決につながる可能性がある

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(2024年4月時点)

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