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不当利得とは?返還請求の方法と時効における注意点

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本来受け取るはずでない人が受け取ったお金、それを「不当利得(ふとうりとく)」といいます。

たとえば、次のようなケースを想定してみましょう。

孫からお小遣い50万円を振り込んで欲しいと頼まれたAさんは、孫から電話で聞いた口座に入金しました。しかし、数日後、孫から「入金されていない」と連絡がありました。確認してみると、Aさんは全く見知らぬBさんの口座に50万円を入金してしまっていたのです。慌てて銀行に連絡しましたが、しばらくして銀行から「お相手が返金を拒否されているため、返金できない」と回答が……。Aさんは泣き寝入りするしかないのでしょうか。

かわいい孫のために50万円もの大金を送金したAさん。一方、棚から牡丹餅というのがふさわしい状況で50万円もの大金を得たBさん。もしAさんが泣き寝入りするしかないとしたら、あまりに不公平でしょう。そこで登場するのが「不当利得返還請求権」です。

今回は、「不当利得」について解説しましょう。

不当利得とは?

民法703条では、不当利得について、次のとおり規定されています。

法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

引用:民法703条

つまり、不当利得とは法律上受け取る権利がないにもかかわらず、他人の財産又は労務によって受けた利益のことです。

不当利得の代表例

代表的な不当利得の事例をいくつかご紹介しましょう。

過払い金請求

昭和の時代から消費者金融からお金を借り続けているCさん。2006年ころまで29.2%もの違法な高金利で返済を続け、途中から18%の利率に変わったものの、いまだに借金があります。Cさんは、借金の返済の負担が軽くならないかなと考えています。

消費者金融は、2006年ころまで利息制限法の上限を超える利率でお金を貸していました。
払い過ぎた利息は、消費者金融が受け取る権利をもたないものなので、返してもらえます。
これが不当利得に基づく「過払い金請求」の仕組みです。

不正な使い込み

Dさんは、義理の父親とともに暮らしており、通帳や印鑑を預かっています。あるとき会社のお金を横領したという事実で警察に事情を聴取され、その犯罪事実に心当たりのあったDさんは義理の父親の通帳からお金を引き出し、無断で使いました。Dさんは義理の父親から使い込んだ分のお金を返済するように求められました。

通帳や印鑑を預けていたとはいえ、会社のミスを隠すために自分の財産を使うことまで許したとはいえません。父親がCさんに対して返還請求をする根拠が不当利得です。

ネットショッピングで契約を解除した際の処理

Eさんがネットショッピングで折り畳み傘を注文したところ、届いたのは骨の折れた不良品の傘でした。Eさんは、相手に連絡して契約を解除するとともに折り畳み傘を返品しました。Eさんは、代金を返してほしいと思っています。

Dさんは債務不履行を理由に売買契約を解除したので、契約の相手方は代金を受け取ったままにしておく理由がありません。不当利得に基づき返してもらうことができます。

不当利得の返還を要求する権利

では、具体的にどのような場合に不当利得返還請求をできるのかをみてみましょう。

不当利得返還請求権の要件

不当利得返還請求が認められるための要件は、次の4つです。

  1. 他人の財産または労務によって利益を受けること
  2. 他人に損失を及ぼしたこと
  3. その利益と損失との間に因果関係があること
  4. 利得に法律上の原因がないこと

では、冒頭のケースで具体的にどのように判断するのかをみてみましょう。

孫からお小遣い50万円を振り込んで欲しいと頼まれたAさんは、孫から電話で聞いた口座に入金しました。しかし、数日後、孫から「入金されていない」と連絡がありました。確認してみると、Aさんは全く見知らぬBさんの口座に50万円を入金してしまっていたのです。慌てて銀行に連絡しましたが、しばらくして銀行から「お相手が返金を拒否されているため、返金できない」と回答が……。Aさんは泣き寝入りするしかないのでしょうか。

Bさんは50万円の利益を得ている一方、Aさんには50万円の損失があります。
Aさんが50万円を誤って送金した“ために”Bさんは50万円を得ることができたので、利益と損失との間には因果関係があります。
Bさんが50万円を得たのはAさんのミスが原因なので、法律上の原因はありません。
したがって、AさんはBさんに対して、不当利得返還請求ができます。

不当利得返還請求をする方法

では、不当利得返還請求をする方法について詳しくみていきましょう。
過払い金など取り戻したいお金がある方は要チェックです。

(1)相手が不当利得を得た証拠を集める

相手にお金を請求する場合、何らかの客観的な証拠が必要となります。

先ほどのケースでどのような証拠があるのかをみていきましょう。

過払い金請求

昭和の時代から消費者金融からお金を借り続けているCさん。2006年ころまで29.2%もの違法な高金利で返済を続け、途中から18%の利率に変わったものの、いまだに借金があります。Cさんは、借金の返済の負担が軽くならないかなと考えています。

過払い金請求において有用な証拠となるのは、利率や返済履歴を記した取引履歴です。
取引履歴は消費者金融等から取り寄せることができるため、弁護士に依頼する時点で証拠はなくても構いません。

不正な使い込み

Dさんは、義理の父親とともに暮らしており、通帳や印鑑を預かっています。あるとき会社のお金を横領したという事実で警察に事情を聴取され、その犯罪事実に心当たりのあったDさんは義理の父親の通帳からお金を引き出し、無断で使いました。Dさんは義理の父親から使い込んだ分のお金を返済するように求められました。

Dさんが義理の父親の通帳からお金を引き出したことを示す通帳の履歴が必要です。
また、Dさんがそのお金を自分のために使ったことを示す証拠として、Dさんの職場の同僚や上司から話を聞けるとよいでしょう。

(2)弁護士に相談する

自分で不当利得返還請求をするのは大変なので、弁護士に相談することをおすすめします。
必要な証拠に関するアドバイスや事案の見通しについて説明を受けることができます。
また、相手と話し合う際に窓口になってもらい、冷静な交渉が可能となります。
さらに将来的に裁判へと進む場合でも、引き続き対応してもらえる場合があります。ただし、弁護士費用が改めて必要になることもあるので、最初にどこまで弁護士に任せるのかをよく相談しておきましょう。

(3)裁判所へ訴訟を提起する

相手が交渉に応じようとしない場合には、地方裁判所(または簡易裁判所)に通常の民事訴訟を提起することができます。裁判をすることが最適なのかどうかは事前に弁護士と相談してください。請求金額や相手方の資力によっては費用倒れになるかもしれません。

不当利得返還請求には時効がある

不当利得返還請求権には時効があるため、いつまでも請求できるものではありません。
2020年4月1日以降、時効は2つの基準によって判断されるようになり、いずれか早いほうで時効期間が満了します。時効を迎えると、「時効を援用する」と言った相手方に対し、請求できなくなってしまいます。そこで、時効で消滅する前に請求しなければなりません。

民法166条1項では、債権の消滅時効について、次のとおり規定されています。

債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
1.債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
2.権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

引用:民法166条1項

※ただし、2020年3月31日以前に発生した債権の場合は、上記新民法ではなく、改正前の民法が適用されますので時効の期間が異なります。例えば、2020年3月31日までに完済した過払い金返還請求権の場合、旧民法が適用され、時効は完済したときから10年となるのが原則です。詳しくは専門家にお尋ねください。

冒頭のケースで、時効についてくわしくみてみましょう。

孫からお小遣い50万円を振り込んで欲しいと頼まれたAさんは、2020年7月1日、孫から電話で聞いた口座に入金しました。しかし、数日後、孫から「入金されていない」と連絡がありました。確認してみると、Aさんは全く見知らぬBさんの口座に50万円を入金してしまっていたのです。慌てて銀行に連絡しましたが、しばらくして銀行から「お相手が返金を拒否されているため、返金できない」と回答が……。Aさんは泣き寝入りするしかないのでしょうか。

(1)権利を行使できることを知った時から5年

権利を行使することができると知ったのは、誤振り込みに気づいた時点です。
それが2020年7月1日だったとすれば、2025年7月1日に時効を迎えてしまいます。

(2)権利を行使できる時から10年間

権利を行使できるときは、誤振り込みをした時点です。
それが2020年7月1日だったとすれば、2030年7月1日に時効を迎えてしまいます。

【まとめ】過払い金を不当利得返還請求したい方はアディーレ法律事務所へ

不当利得返還請求をするには、弁護士に相談することをおすすめします。
貸金業者に対して発生した過払い金も、不当利得として返還請求をすることになります。
時効で請求できなくなってしまう前に、なるべく早く行動に移しましょう。
過払い金請求をしたい方は、アディーレ法律事務所へご相談ください。