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個人再生が会社にばれるとどうなる?ばれない方法とは

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個人再生は、自己破産と異なり、原則として3年間弁済を続けていく手続きです。もし個人再生をしたことによって会社を解雇されてしまうのであれば、基本的に個人再生手続きをやり遂げることはできないでしょう。そこで、今回の記事では、弁護士が「個人再生が会社にバレた場合の影響」や「個人再生が会社にバレないようにする予防策」をお伝えします。

この記事の監修弁護士
弁護士 谷崎 翔

早稲田大学、及び首都大学東京法科大学院(現在名:東京都立大学法科大学院)卒。2012年より新宿支店長、2016年より債務整理部門の統括者も兼務。分野を問わない幅広い法的対応能力を持ち、新聞社系週刊誌での法律問題インタビューなど、メディア関係の仕事も手掛ける。第一東京弁護士会所属。

個人再生とは?

「民事再生(個人再生)」とは、返済困難な方が、裁判所の認可決定を得た上で、基本的に減額された一定の負債を原則3年で分割返済していく手続きです。
負債の額や保有している資産の額などによって異なりますが、任意整理よりも大幅に負債が減額されることが多いといえます(公租公課など減額されない負債が一部あります)。

民事再生(個人再生)では、住宅を手元に残したまま負債を減額する制度が設けられている点が特徴です(ただし一定の要件を満たさないと当該制度は利用できません)。負債の減額幅は負債総額及び保有している資産(その価額を清算価値と呼びます)などによって決まっています。なお、保有している資産や負債額などによっては、減額されないケースもありえます。

個人再生には2種類ある

このうち小規模個人再生で進めるためには、再生計画案の決議の段階で、債権者(例:お金を貸した人、貸金業者)の数の2分の1以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないことが必要です。もしここで反対されてしまうと手続きが廃止となり、それ以上手続きを進めることは出来なくなります。そのため、借入れの経緯や債権者の顔ぶれから過半数の債権者が再生手続きに不同意の意見(反対意見)異議を出すと強く予想される場合、小規模個人再生は採れません。
もっとも、多くのケースでは、そもそも過半数債権者がいないか、あらかじめ再生手続きに反対しないことがある程度わかるため、小規模個人再生で進めることができるのが通常です。そして、小規模個人再生では、1.法律で定められた最低弁済額か、2.(清算価値として計上される)保有している財産の合計金額のいずれか多い方の金額を支払わなければなりません。
他方、給与所得者等再生の場合には、上記のような反対がないこと、という要件はありませんが、上記1、2に加え、3.可処分所得(収入から所得税等を控除し、さらに政令で定められた生活費を差し引いた金額)の2年分のうち、一番多いほうの金額を最低限支払う必要があり、一般的には小規模個人再生の場合よりも返済額が高額になります。

なお、破産免責決定の確定日から7年以内の期間内は、給与所得者等再生の申立てができないなど、給与所得者等再生には一定の制限があります(民事再生法239条5項2号等)。
どういった場合に給与所得者等再生ができないのかは弁護士にお尋ねください。

会社が個人再生を理由に従業員を解雇するのは、基本的に違法

そもそも解雇には「懲戒解雇」、「整理解雇」、「普通解雇」の3種類があり、それぞれ解雇が有効(正当な解雇)となる条件が違います。

懲戒解雇規律違反等に対する罰としての解雇
整理解雇企業の経営上の事情により、人員削減の必要が生じたために行う解雇
普通解雇懲戒解雇、整理解雇にあたらない解雇

懲戒解雇の場合は、以下のいずれかの条件を満たすと、正当な解雇と判断される傾向にあります。

  1. 懲戒解雇の事由・程度が就業規則等の根拠規定に明記されていること
  2. 問題となった労働者の行為が、1.の就業規則等の懲戒解雇の事由に該当すること
  3. 懲戒解雇が社会通念上相当であること

普通解雇として許容されるためにも、解雇に客観的な合理性と社会的相当性が必要です(cf.労働契約法16条)。

仮に個人再生をすることが懲戒解雇の事由にあたると就業規則等に定められていたとしても、個人再生の申立てのみを理由として解雇することは社会通念上相当といえないので、解雇は許されないことになります。確かに個人再生をしたことで、業務に集中できなくなってしまう、同じミスを何度もするなど何らかの悪影響が出ている場合には、懲戒解雇されてしまう可能性を否定はできませんが、不当な解雇だと考える場合には、一度弁護士に相談することをおすすめします。

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個人再生をしたことは会社にバレる?

個人再生をしたからといって基本的に会社をクビになることはないとはいえ、同じ職場で働く人に借金の存在を知られたくないと思う人も多いのではないでしょうか。個人再生の手続き上、1.開始決定時、2.書面決議に付する決定があったとき、3.再生計画案の認可決定があったときに官報に氏名・住所などが掲載されてしまうため、個人再生が同じ職場の人に伝わらないとは限りません。
ただし、定期的に官報をチェックする必要のある職種などでなければ、同じ職場の人に知られてしまう可能性はさほど高くはないでしょう。

個人再生のスケジュールについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

個人再生のスケジュールを解説!個人再生はどのくらいの時間が必要?

確実に借金がバレる?会社から借金している場合

会社からお金を借り入れている場合など、会社が債権者にあたる場合、個人再生を弁護士に依頼するとまもなく、弁護士から会社に対して受任通知が送られるのが通例です。そのため、会社から借金している場合には、個人再生を秘密にしておくことはできないでしょう。

会社からの借金を完済したうえで、弁護士に依頼しようと思う人もいるかもしれません。しかし、支払が不可能な状態に陥ったにもかかわらず会社にだけ返済を続けていると、思わぬ不利益を被ることがあります。自己破産の場合と異なり、個人再生の場合には裁判所により選任される再生委員が会社からお金を回収しようとすることはありません(自己破産のように偏頗行為について管財人による否認権が行使されることはありません)が、破産による否認権行使を回避するという不当な目的で個人再生を申立てたと評価され、そのような申立てが棄却されてしまうリスクがないわけではありません。

また、一部の債権者にだけ支払ったお金については清算価値に計上されるのが建前なのですが、最低弁済額よりも清算価値のほうが高い場合には、一部の債権者にだけ支払ったお金の分だけ清算価値が高くなってしまい、個人再生における弁済額が大幅に増えてしまうことがあります。そうなると、最悪の場合、再生手続き期間中にきちんと支払える可能性(履行可能性)が認められなくなるケースも考えられ、その場合、再生手続きがとん挫してしまいかねません。

具体的なケースを想定してみましょう。

200万円の負債を抱えているAさんは、自動車や保険の解約返戻金など100万円の資産を有しています。Aさんは、弁護士に個人再生(小規模個人再生)を依頼した後も会社からお金を借りていることを伝えず、結局手渡しで50万円を支払ってしまいました(再生手続き中この支払いが発覚してしまったものとします)。

本来、Aさんのケースでは、最低弁済額であれ清算価値であれ100万円を弁済すればよかったはずでした。つまり、最低弁済額については、200万円という負債が100万円以上500万円未満であることから100万円となり、清算価値は保険の解約返戻金が20万円を超えていることより100万円の全額となります。そのため、特に問題がなければいずれにせよ100万円を弁済すれば足りたはずでした。
ところが、会社からの負債を言わずに返済を続けてしまったところ、会社に支払った50万円が回収回復可能な財産として清算価値に加えられるため、結果として150万円を支払わなければならなくなります。Aさんは、会社に対する返済をしなければ支払わなくても良かったはずの100万円(会社に支払った50万円と再生手続きで多く支払わなければならなくなった50万円)を多く支払わなければならず、重い負担となるでしょう。
法の抜け道を探そうとしても失敗することのほうが多いため、最初から会社からの負債を正直に伝え、法律に則って手続きを進めましょう。
個人再生における弁済額をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。

個人再生のスケジュールを解説!個人再生はどのくらいの時間が必要?

なるべく会社にバレずに借金問題を解決したい!どうすればいい?

負債総額が多い場合には個人再生をせざるを得ないことが多いでしょうが、負債総額によっては頑張って任意整理で負債問題を解決できる可能性があります。たとえば、先ほど挙げたケースのように負債総額が100万円であれば、その人の収支状況によっては任意整理で解決できる可能性も十分にあります。
任意整理であれば、官報に氏名・住所が掲載されることもないため、会社にバレてしまうリスクを多少なりとも抑えられます。

個人再生と任意整理の大きな違いは、主に次の3点です。

  • 裁判所の利用の要否
  • 支払不能のおそれの要否
  • 負債の減額される幅

個人再生と任意整理の主な違いを表にまとめると、次のようになります。

個人再生任意整理
裁判所の利用の要否利用する利用しない
支払不能のおそれの要否必要不要
負債の減額される幅負債額や資産額などに応じて負債の5分の1や10分の1程度などに減額
※住宅ローンは減額されない
原則、将来金利のみ
※過払い金請求できる場合を除く

(1)裁判所の利用の要否

個人再生では、任意整理と異なり、裁判所を利用して手続きを進めることになります。
そこで法律の定める厳格な手続きに則って、個人再生では弁護士に依頼する債権者を選べないなどの制約があります。もっとも、その分任意整理に比べると負債が大きく減額される傾向にあります。

任意整理であれば家族にバレずに手続きを進められる可能性が比較的高いのに対して、個人再生では事案の内容や申立てる管轄の裁判所の運用などにより家族の資料の提出を求められることがあるため、完全に秘密にするのは難しいでしょう。もっとも、任意整理の場合であっても借金をしていた債権者が裁判を起こしたことにより裁判所から訴状が届いてしまったなど家族に借金がバレてしまうケースはありえます。

(2)支払不能のおそれの有無

自己破産同様、全ての人が個人再生を利用できるわけではありません。
たとえば、月収80万円の独身男性が300万円の負債について個人再生をするのは難しいことがあります。
個人再生をするには、手取り月収から生活に必要な支出を除いた金額で3年返済を続けても完済できない“おそれ(可能性)”がなければなりません。負債総額が300万円なのであれば、それなりに切り詰めて生活をしても月々8万3400円ほどもも余らないといえる事情が必要なのです。

一方、任意整理にこのような制約はありません。
債権者から督促されているのでその対応を弁護士に任せたい、債権者から裁判を起こされたが平日に休めないので弁護士に任せたいなどの理由でも任意整理をすることは可能です。

(3)負債の減額される幅

任意整理では、2006年以前から借入れを継続していて過払い金が発生するなどの場合でなければ、基本的に元本自体は減額できません。それに対し個人再生では元本(ただし、住宅ローン特則を利用した場合の住宅ローンを除く)も、減額できることがあります。

【まとめ】個人再生でお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

個人再生をすることが会社にバレたとしても、それ自体をもって直ちに仕事を解雇されることはなく、また、給料も特に問題なく受け取ることができます。しかし、それでも会社に個人再生がバレたくないのであれば、個人再生ではなく任意整理をしたほうがいいかもしれません。任意整理で解決するには負債総額の限度がありうるところなので、なるべくお早めに弁護士にご相談ください。
個人再生が会社にバレたくないからといって法の抜け道を探そうとすると、かえって思わぬ不利益を受け被りかねません。負債返済に行き詰まっている方はアディーレ法律事務所にお気軽にご相談ください。

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