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自己破産が保証人・連帯保証人に与える影響と迷惑をかけない債務整理の方法

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自己破産をした場合、債権者から保証人・連帯保証人に対して債務を支払うよう請求が行なわれる可能性があります。自分が主債務者の場合は、できる限り保証人・連帯保証人に迷惑をかけずに債務整理を行なうことができないか、弁護士とともに検討しましょう。
今回は、自己破産によって保証人・連帯保証人に生じる影響について詳しく解説します。また、保証人・連帯保証人に迷惑をかけない債務整理の方法も併せて説明します。

保証人と連帯保証人の違い

保証人・連帯保証人は、どちらも主債務者が負っている債務を保証し、主債務の債務不履行時に主債務者に代わって債務を弁済する義務を負う人を指します。
通常の保証人と連帯保証人が異なるのは、「分別の利益」「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」の有無です。下表をご覧ください。

【保証人と連帯保証人の違い】

分別の利益催告の抗弁権検索の抗弁権
(通常の)保証人
連帯保証人×××

(1)分別の利益

「分別の利益」とは、複数の保証人がいる場合に、保証人が債権者に対して「自分の負担分しか支払わない」と主張できることをいいます(民法456条)。

例えば、500万円の主債務が不履行となり、債権者から保証人に全額の請求が行なわれたとしましょう。このとき、自分以外にも保証人がいて、自分の負担分は300万円のみだった場合、通常の保証人であれば、債権者に対して300万円だけを支払います。

これに対して、連帯保証人の場合は、分別の利益が認められません。そのため、ほかに保証人がいる場合であっても、500万円全額を支払わなければなりません。
連帯保証人の場合、保証人間の負担割合は、あくまでも保証人同士の内部問題であり、債権者に対してはそれを主張することはできないのです。

(2)催告の抗弁権

「催告の抗弁権」とは、債務不履行が発生した場合に、保証人が債権者に対して「まずは主債務者に対して請求してください」と主張できる権利です(民法452条)。

通常の保証人は、催告の抗弁権が認められています。したがって保証人としては、債権者から請求された場合、まず主債務者に対して請求を行ない、支払えないことが確認できた段階で初めて保証人に請求を行なうよう主張することができます。

これに対して連帯保証人の場合は、催告の抗弁権が認められていません。
そのため、債務不履行が発生し、債権者が連帯保証人に対して債務を履行するように請求した場合、連帯保証人は債権者に対して、まず主債務者に対して請求するように主張することはできません。

(3)検索の抗弁権

「検索の抗弁権」とは、債務不履行時に主債務者が強制執行が可能で、かつ強制執行が容易な財産を所有している場合、保証人が債権者に対して「まずは主債務者の財産に対して強制執行をしてください」と主張できる権利です(民法453条)。

例えば、債務不履行時に主債務者が強制執行が容易である財産を所有していたとします。それを通常の保証人が証明できた場合、債権者はまず債務者の財産に対して強制執行をかける必要があるというものです。

なお検索の抗弁権も通常の保証人のみ認められており、連帯保証人には認められていません。

このように、通常の保証人には認められている「分別の利益」「催告の抗弁権」「検索の抗弁権」は、連帯保証人には認められていません。その分、連帯保証人のほうが責任が重く、リスクが高い立場にあるといえます。

自己破産した場合に保証人・連帯保証人に生じる影響

主債務者が自己破産をした場合、保証人・連帯保証人は、主債務者が銀行などの金融機関から借りている債務の残りを一括して弁済する義務が発生します。

破産法のルール上、主債務者が自己破産すると、通常は、最終的に債権者への返済が免除されます。いわゆる「免責」というものです(※免責されるためには裁判所の免責許可決定が必要です。また免責許可決定を得ても返済義務を免除されない負債が一部あります)。

しかし、主債務者が破産手続により免責を受けたとしても、保証人の債務が消滅するわけではありません。債権者は保証人・連帯保証人に対して、残債務の全額を支払うように請求することができます。
保証人・連帯保証人は、まさにこのような場合に備えて存在する立場にあるからです。
なぜ全額かというと、主債務者は債権者との契約上、支払いが滞った場合には分割で支払うことのできる利益(これを「期限の利益」といいます)を失うことにより、結果として保証人・連帯保証人も全額支払わなければならなくなるためです。

もし、やむを得ず自己破産することになった場合は、保証人・連帯保証人に対して迷惑がかかることは基本的に避けられません。事前に誠意をもって説明を尽くすべきでしょう。

身内(妻・両親・親族など)が保証人の場合にも返済義務を負う

保証人が債務を弁済する義務を負うのは、保証人と債務者がたとえ家族であっても変わりません。
妻・両親・親族などの身内に頼んで借金の保証人になってもらうケースはよくありますが、誰が保証人であっても、保証人は債務者に代わって債務を支払う義務を負います。
これは、保証人である配偶者が債務者と離婚をした場合であっても同様です。

保証人・連帯保証人に一括で債務を返済するキャッシュがない場合、財産を処分したうえで返済するよう求められ、返済をしないと最終的には強制執行により財産が差し押さえられる可能性があります。
もし手持ちの財産だけで債務を支払いきれない場合は、後述する方法で債務整理も検討してください。

保証人・連帯保証人にできるだけ迷惑をかけない任意整理とは?

主債務者が債務の支払いに窮した場合、自己破産をすると、保証人・連帯保証人には多大な迷惑をかけてしまいます。
保証人・連帯保証人にできる限り迷惑をかけないように債務整理をしたい場合は、「任意整理」が有効です。

(1)任意整理とは

任意整理とは、借入先の金融機関などの債権者と交渉し、金利を上限金利に引下げて再計算の上、金利をカットして、債務の減額や返済スケジュールの延長を認めてもらうことを目指す債務整理の方法です。

任意整理の場合、例えば家のローンは対象にするが、車のローンは対象にしないなど、債務を選んで交渉することもできます。つまり、保証人付きの債務を任意整理の対象から外すことによって、保証人・連帯保証人に対する請求を避けつつ、債務者が債務整理を行なうことができるのです(ただし、一部の負債を除外して任意整理をすると経済的立て直しが困難な場合は、当該負債を除外して任意整理をすることができない場合があります)。

(2)任意整理のメリットとデメリット

任意整理は、保証人・連帯保証人に対して迷惑をかけないで済む可能性がある有効な債務整理の方法であり、多くのメリットが存在しますが、その一方で、デメリットもあります。

(2-1)任意整理のメリット

任意整理のおもなメリットは、以下のとおりです。

  • (介入の対象となる業者にもよるものの)利息、遅延損害金をカットしてもらえることが多く、債務の総額が減るケースが多い(引き直し計算の結果、過払い金が発生している場合は元本も減らせる場合がある)
  • 基本的に返済スケジュールが延長され、月々の返済負担が減ることがある
  • 貸金業法第21条1項9号に基づき、基本的には督促・取立てが止まる
  • 基本的に任意整理の対象を選べるので、保証人・連帯保証人へ迷惑がかかることを回避できることがある
  • 債務完済のゴールが見えやすくなり、将来への不安が軽減されることが多い

(2-2)任意整理のデメリット

一方、任意整理のおもなデメリットは、以下のとおりです。

  • 完済してから約5年間、信用情報機関の事故情報に掲載され、事故情報に登録されている間は「ローンを組めなくなる」「クレジットカードが使えなくなる」「保証人となることができなくなる」などの影響が生じる(いわゆる一般的に認知されている「ブラックリスト入り」状態になる)
    ※ただし、任意整理の対象とした業者については、社内やそのグループ会社で任意整理をしたという記録が残り続け半永久的に借り入れができなくなる可能性あり
  • 自己破産、民事再生(個人再生)に比べると、元本が原則カットされない分、一般的に債務の減額幅が小さい

(3)保証人付き債務を任意整理する際の注意点

主債務者が保証人付き債務を任意整理する場合、保証人・連帯保証人も任意整理をすることを視野に入れることが重要です。

主債務者のみが債権者との間で任意整理を行なったとしても、任意整理による和解の効力が保証人・連帯保証人に対しては及びません。この場合、債権者は保証人・連帯保証人に対して、任意整理前の条件で引き続き請求することができてしまうからです。

逆に自分が保証人・連帯保証人で債務者が自己破産した場合は?

自分が保証人・連帯保証人になっているケースで、債務者が自己破産した場合、債権者からの請求が一挙に自分に対して行なわれます。
破産手続内で配当が行なわれた場合は、その分を回収することもできますが、個人の自己破産での配当はごく少額又は全くない場合がほとんどです。よって基本的には全額負担を覚悟すべきでしょう。もし債務を支払いきれない場合は、弁護士に相談して債務整理を検討してください。

債務整理には、既に解説した「任意整理」以外に「民事再生(個人再生)」と「自己破産」の2つの方法があります。

(1)民事再生(個人再生)

「民事再生(個人再生)」とは、返済困難な方が、裁判所の認可決定を得た上で、基本的に減額された一定の負債を原則3年で分割返済していく手続きです。
借金の額や保有している資産の額などによって異なりますが、任意整理よりも大幅に負債が減額されることが多いです(公租公課など減額されない負債が一部あります)。

民事再生(個人再生)では、住宅を手元に残したまま債務を減額する制度が設けられている点が特徴です(ただし一定の要件を満たさないと当該制度は利用できません)。債務の減額幅は債務総額及び保有している資産などによって決まっております。
なお、保有している資産や債権者の顔ぶれなどによっては、減額されないケースもありえます。

(2)自己破産

財産・収入が著しく不足し、借金返済の見込みが全くない場合は、自己破産を検討すべき状況です。

自己破産では、生活に必要なものなど一部を除いた債務者の財産が処分されてしまう代わりに、裁判所の免責許可決定を得れば最終的に公租公課や養育費などを除き債務の全額が免除されます。債務の支払いに苦しむ状況を抜本的に解決したい場合は、自己破産が最も強力な債務整理の方法といえるでしょう。

【まとめ】自己破産でお悩みの方はアディーレ法律事務所にご相談ください

自己破産をすると、保証人・連帯保証人に迷惑をかけるだけでなく、財産が処分されてしまうなどの注意点があります。

自己破産以外にも、個人再生や任意整理といった債務整理の方法が存在するなかで、どの方法を選択すべきかについては、状況によってケースバイケースです。

債務の支払いにお困りの方は、ご自身の状況に合った債務整理の方法が何かを検討するために、アディーレ法律事務所にご相談ください。